Author Archive

輸入貨物における原産地規則

2024-11-27

はじめに:仮の相談者から寄せられた相談事例のご紹介

本日は、輸入ビジネスにおいて関税率の決定や国内販売時のラベル表示に直結する「原産地規則」について、その基礎から実務的な判定基準までを網羅的に解説いたします。まずは、当事務所に実際に寄せられる相談内容を模した、以下の架空事例をご覧ください。グローバルなサプライチェーンを構築されている企業様にとって、非常に示唆に富む内容となっております。

【相談者】

東京都内で海外アパレル製品や雑貨の輸入販売を行うA社 代表取締役 B氏

【相談内容】

「当社はこの度、ベトナムの縫製工場と提携し、オリジナルのバックパックを日本へ輸入することになりました。この製品に使用される生地や金具などの主要な原材料は中国から調達し、ベトナムの工場で裁断および縫製を行っております。B氏は、最終的な組み立てがベトナムで行われているため、製品に『Made in Vietnam』と表示し、日本とアセアンとの経済連携協定(EPA)に基づく特恵関税を適用して輸入しようと考えています。しかし、通関業者から『原材料の中国比率が高い場合、ベトナム産と認められない可能性がある』との指摘を受けました。原産地はどのような基準で決定されるのでしょうか。また、もし誤った原産地表示を付したまま国内で販売してしまった場合、どのような法的リスクがあるのでしょうか。専門的な見地からの詳細な解説を求めています」

このような事例は、複数の国を跨いで製造が行われる現代の貿易実務において非常に多く見受けられます。貨物を輸入する際に、原産地を貨物上に記載、掲載している場合も多いと思います。原産地表示は、原産地規則に基づいて行う必要があり、また、日本国内で商品を販売する場合も、正確な原産地を記載しないと不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)等で問題となるリスクがありますので、正確に記載する必要があります。貨物の原産地を決定するための基準の概要は、以下の通りですので、ご参考となれば幸いです。

1 原産地規則の定義と二つの大きな区分

『原産地規則』は、ある製品がどの国で「生産された」とみなされるかを決定する基準を指し、輸入ビジネスを行う上で、このルールを正しく理解することは、関税や通関の手続き、また日本国内での商品の販売のいずれにおいても不可欠です。原産地規則は、その目的によって大きく二つの区分に分けられます。

(一)非特恵原産地規則

通常の関税率(基本税率、暫定税率、MFN税率)を適用する場合や、貿易統計の作成、あるいは今回B氏が懸念されている景品表示法等に基づく適正なラベル表示を判断するための基準です。関税法や関税定率法に基づく基準がこれに該当いたします。

(二)特恵原産地規則

日本が締結している経済連携協定(EPA)や自由貿易協定(FTA)に基づき、特定の締約国からの輸入に対して免税や低い関税率を適用するための基準です。B氏がベトナム産としてEPA税率を適用したい場合には、この特恵原産地規則を満たす必要があります。

2 貨物の原産地を決定する二大基準の詳細

関税評価や表示の適正性を判断するための基準は、主に以下の二つに集約されます。

(1)完全生産品基準(Wholly Obtained Criterion)

貨物が完全に特定の国で生産された場合、この基準が適用されます。他国の材料を一切使用せず、その国の資源のみで完結している場合に限られます。

一 その国で収穫された農産物。

二 その国の領土内から採取された鉱物や資源。

三 その国で生まれ、かつ飼育された動物、及びその動物から得られた産品。

四 その国の領海等で採取された水産物。

五 その国内での製造過程で発生したくずや、使用済みの物品。

(2)実質変更基準(Substantial Transformation Criterion)

貨物がある国で加工・製造され、その結果、製品の性質や用途が大きく変わった場合に適用されます。二ヶ国以上にわたって生産される製品の原産地を特定するための極めて重要な基準です。この基準には、具体的には以下の三つの手法があります。

一 HSコード変更基準(関税分類番号変更基準)

貨物の関税分類(HSコード)が製造過程で変更された場合です。例えば、生地(HSコード:5208)が特定の国で縫製されてシャツ(HSコード:6105)になった場合、加工により商品分類の4桁(項)が変わるため、実質的変更が行われたと判断されます。この基準は、単純な梱包や組み立て、切断、洗浄などの「軽微な工程」では適用されず、製品の性質や用途が明確に異なることが求められます。

二 付加価値基準(アドバロレム基準)

加工後の貨物における特定国での付加価値の割合が一定以上の場合です。たとえば、自動車部品の輸入材料がある国で組み立てられ、完成車として輸出される場合です。この際、完成品に占める原材料費や輸入部品の割合を差し引いた「現地での加工付加価値」が、原則として40%以上(協定により異なります)であれば、実質的変更と見なされます。

三 製造工程基準(特定加工工程基準)

特定の製造工程が行われた場合に適用されます。例えば、未加工のカカオ豆がある国でローストされ、チョコレートに加工される場合、特定の製造工程(焙煎や成形など)が行われたことにより、商品が別のものとみなされます。この基準では、工程の重要性や不可逆性が重視されます。また、化学反応を伴う製造工程などもこれに該当いたします。

3 原産地表示に関する法的リスクと罰則規定

不適切な原産地表示は、行政処分や刑事罰の対象となるだけでなく、企業の社会的信頼を根底から揺るがす事態に発展いたします。B氏のA社においても、以下の法律に細心の注意を払う必要があります。

(一)景品表示法(不当景品類及び不当表示防止法)

日本国内で商品を販売する場合、景品表示法上の「不当な表示」として、原産地を誤認させる表示が禁じられています。

(景品表示法第五条第一項第一号)

一 商品又は役務の品質、規格その他の内容について、実際のものよりも著しく優良であると一般消費者に誤認されるため、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められる表示

これを受けて、「商品の原産地に関する不当な表示」という告示が出されており、実質的変更をもたらさない加工(例えば輸入品の詰め合わせなど)を行った国を原産地として表示することは違法となります。違反した場合には、措置命令や、売上額の3%という高額な課徴金納付命令が下される可能性があります。

(二)関税法による輸入差し止め

原産地を偽った表示がなされている貨物は、関税法に基づき、輸入を許可されません。

(関税法第七十一条 原産地を偽つた表示がされている貨物の輸入)

第一項 原産地について直接若しくは間接に偽つた表示又は誤認を生じさせる表示がされている外国貨物については、輸入を許可しない。

もし税関で指摘を受けた場合、表示の抹消や訂正を行わなければならず、そのための多大なコストや納期遅延が発生いたします。

4 実務で役立つ原産地判定および表示確認一覧表

B氏のような経営者が、取引開始前に活用できるチェックリストを作成いたしました。

【原産地規則・表示適正化チェックリスト】

確認項目|判定の指針|留意すべき点

--------|----------------|------------

材料の調達国|全ての原材料の生産国を把握しているか|完全生産品か実質的変更かの初動

HSコードの変化|加工前後の4桁コードが変化しているか|CTH(項変更基準)の適否

現地付加価値率|現地での原価や利益が40%を超えるか|VA(付加価値基準)の計算

特定工程の実施|不可逆的な化学反応や製造工程があるか|工程基準の適用の有無

表示の日本語訳|「ベトナム製」等の表現が実態と合うか|消費者の誤認防止

原産地証明書|特恵適用の場合、正式な証明書があるか|有効期限や署名の真正性

5 特恵原産地規則における「積算規定」と「僅少の基準」

B氏の事例をさらに専門的に分析するために、経済連携協定(EPA)特有のルールも確認しましょう。

一 積算規定(累計規定)

日本のEPAにおいては、複数の締約国(例えば日本とベトナム)の材料を組み合わせて生産した場合、それらを一つの原産品として合算して計算できる場合があります。これにより、中国産の材料を一部使用していても、日本由来の部品やベトナムでの加工費を合わせることで、原産地要件をクリアできる可能性が高まります。

二 僅少の基準(デ・ミニミス)

HSコード変更基準において、わずかな割合(一般に10%以下)であれば、コードが変わらない他国材料が含まれていても、原産品として認めるという緩和規定です。

6 不適切な管理が招くビジネス上の損害

間違った原産地表示や、特恵関税の不当な適用は、単なる事務的なミスでは済まされされない重大な経営リスクに直結いたします。

(一)多額の追徴課税

税関の事後調査により、原産地が否認された場合、過去数年分の免税額を遡って徴収されます。これに加え、過少申告加算税(10%から15%)や延滞税が課されます。

(二)重加算税の賦課

事実を隠蔽または仮装して原産地を偽ったとみなされた場合、35%という極めて重い重加算税が課されます。

(関税法第十二条の四 重加算税)

納税義務者がその税額の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠蔽し、又は仮装し、その隠蔽し、又は仮装したところに基づき納税申告をしていたときは、過少申告加算税に代え、不足税額の100分の35に相当する重加算税を課する。

(三)刑事事件化。悪質な原産地偽装は、刑法上の詐欺罪や、不正競争防止法違反、関税法違反として刑事告発される恐れがあります。法人の代表者が逮捕されれば、企業の社会的評価は完全に失墜いたします。

7 専門家による法的サポートの重要性と当事務所の役割

原産地規則の判定は、製品の構造、材料費の構成、製造プロセスの詳細など、多岐にわたる情報の分析を必要とします。当事務所は、代表弁護士が輸出入や通関に関する唯一の国家資格である通関士資格を有しており、法務と実務の両面から強力なサポートを提供することが可能です。

【当事務所が提供できる具体的な支援内容】

一 製品の製造プロセスに基づく精緻な原産地判定の実施と意見書の作成。

二 経済連携協定(EPA)に基づく特恵関税適用のためのコンサルティング。

三 海外の製造元に対するデューデリジェンス(実態調査)の同行および指導。

四 不当景品類及び不当表示防止法に抵触しないためのラベル表示のリーガルチェック。

五 税関事後調査に対する事前シミュレーションおよび調査当日の立ち会い。

六 万が一の原産地否認時における当局との法的交渉、及び不服申立て手続き。

弁護士でありながら通関実務の深い知見を持つことで、単なる法令の解釈に留まらず、当局がどのような視点で調査を行い、どのような証拠書類を重視するかという実践的なアドバイスを提示することができます。

8 まとめ:適正な通関こそがビジネスを安定させる唯一の道

本日は、輸入ビジネスの健全な発展に不可欠な原産地規則について解説いたしました。B氏のようなケースであっても、当初から正しい法令知識に基づき、材料比率や加工工程を精査していれば、法的リスクを回避しつつ特恵関税のメリットを享受することが可能です。企業としては、輸入する貨物の内容や取引相手に支払う代金のみを気にしておけばよく、それ以外の手続面のことはほとんど気にしていない場合も多いものと思われます。

しかしながら、このような姿勢には大きなリスクがあると言わざるを得ません。通関手続きや貨物の運送などの手続き面について、専門家に任せることは非常に有用ですが、企業としてもそれらの点について最低限の知識を持ち、各手続において重要な点については逐一確認をとる等の対応が必要です。正しい法令知識に基づき、一つひとつの取引を精査すること。その地道な努力が、貴社のグローバルビジネスを安定させ、不測の事態から会社を守ることに繋がります。

当事務所は、貴社の良きパートナーとして、その専門性を最大限に発揮して、安定した海外展開をサポートし続けます。

適正な通関こそが、グローバルビジネスを安定させる唯一の道です。

【お問合せは、こちらから】

・・・・・・・・・・・

執筆:有森FA法律事務所 代表弁護士有森文昭(詳細プロフィールは、こちら

(注)2026年3月時点の法令に基づき内容を改定

本記事は2026年3月現在の法令に基づいた一般的な情報の提供を目的としています。個別の事案については、具体的な状況により判断が異なるため、必ず専門家にご相談ください。

用途の回答が曖昧なケース

2024-11-18

外為法上、貨物を輸出する場合には、リスト規制、キャッチオール規制といった規制の該当性を判断しなければならないことは、貨物の輸出を業として行っている法人や個人事業主の方に広く知られていることと思います。

また、大学や各種研究機関においては、共同研究や留学生の受け入れ等、外為法の規制該当性に関して非常に微妙な判断をする必要がある場面も多くあります。

本日は取扱いを間違いやすい(勘違いしやすい)事例をご紹介いたします。

 

1 事例

日本の大学のA教授は、外国ユーザーリストに掲載されている海外の大学から輸出令別表第1の16の項に該当する機器の提供依頼を受けた。用途を海外の大学側に確認したところ、曖昧な回答に終始された。A教授としては、海外の大学側は民生用途に使用するものと考えてはいるが、海外の大学側の回答内容を踏まえて、どのように対応すべきかを大学側に照会した。

 

2 正しい対応

海外の大学側が用途確認を事実上拒んでおりますので、需要者要件に関する明らかガイドラインに該当します。

そのため、大量破壊兵器キャッチオール規制の需要者要件に該当し、輸出許可を取得する必要があります。

A教授の主観的な考えはさておき、明らかガイドラインを踏まえて輸出許可の取得の有無は検討する必要がある点は改めて注意が必要です。

 

3 外為法の規制には十分ご注意ください

貨物を輸出する場合(及び技術を国際間で移転、提供する場合)には、外為法上の厳格な規制が存在します。

日本国内で購入したものであるから、海外に輸出しても問題ないと安易に考えることは非常に危険であり、日本国内で一般に販売されている物品であっても、海外に輸出する際には規制対象となる品目は多数存在します。

日用品として用いる小さな機械製品であっても大量破壊兵器や一般兵器に転用することが可能な場合は多数存在します。

また、外為法上の許可を取得することが煩雑であることから、安易に特例の適用があると判断することは非常にリスクの高い行為であるといわざるを得ません。

知らなかったでは済まされず、重大な犯罪行為(ひいては国際的な平和を損なう行為にもなりかねないことはくれぐれも気を付けるべきです。)となってしまい、違反した場合には重い刑事罰等も存在しますので、貨物を輸出する場合(及び技術を国際間で移転、提供する場合)において、外為法の規制内容に少しでも不安がある場合には、事前にご相談いただくことを強くお勧めいたします。

絶版書籍と外為法

2024-11-03

外為法上、貨物を輸出する場合には、リスト規制、キャッチオール規制といった規制の該当性を判断しなければならないことは、貨物の輸出を業として行っている法人や個人事業主の方に広く知られていることと思います。

また、大学や各種研究機関においては、共同研究や留学生の受け入れ等、外為法の規制該当性に関して非常に微妙な判断をする必要がある場面も多くあります。

本日は取扱いを間違いやすい(勘違いしやすい)事例をご紹介いたします。

 

1 事例

日本の大学のA教授は、海外の知人の依頼で、10年前に出版されたものの現在は絶版となっておりほとんど手に入れることが不可能となっている専門書を郵送することにした。ただし、当該専門書においてはリスト規制該当技術の説明がなされていたため、当該専門書を郵送するにあたり役務取引許可を取得する必要があるかどうかを大学側に照会した。

 

2 正しい対応

既に絶版となっており、入手がほぼ困難になっているとしても、不特定多数の者に対して公開されている技術です。そのため、貿易外省令第9条第2項第9号に基づき、役務取引許可を取得することは不要です。

ただし、大学のコンプライアンスの観点からは輸出を認めるかどうか別途検討が必要です。

 

3 外為法の規制には十分ご注意ください

貨物を輸出する場合(及び技術を国際間で移転、提供する場合)には、外為法上の厳格な規制が存在します。

日本国内で購入したものであるから、海外に輸出しても問題ないと安易に考えることは非常に危険であり、日本国内で一般に販売されている物品であっても、海外に輸出する際には規制対象となる品目は多数存在します。

日用品として用いる小さな機械製品であっても大量破壊兵器や一般兵器に転用することが可能な場合は多数存在します。

また、外為法上の許可を取得することが煩雑であることから、安易に特例の適用があると判断することは非常にリスクの高い行為であるといわざるを得ません。

知らなかったでは済まされず、重大な犯罪行為(ひいては国際的な平和を損なう行為にもなりかねないことはくれぐれも気を付けるべきです。)となってしまい、違反した場合には重い刑事罰等も存在しますので、貨物を輸出する場合(及び技術を国際間で移転、提供する場合)において、外為法の規制内容に少しでも不安がある場合には、事前にご相談いただくことを強くお勧めいたします。

無償告示と少額特例

2024-10-29

外為法上、貨物を輸出する場合には、リスト規制、キャッチオール規制といった規制の該当性を判断しなければならないことは、貨物の輸出を業として行っている法人や個人事業主の方に広く知られていることと思います。

また、大学や各種研究機関においては、共同研究や留学生の受け入れ等、外為法の規制該当性に関して非常に微妙な判断をする必要がある場面も多くあります。

本日は取扱いを間違いやすい(勘違いしやすい)事例をご紹介いたします。

 

1 事例

日本のメーカAは、1年前に海外に輸出した貨物について、故障したことから同等の製品を交換することを考えている。

その際にいわゆる無償告示の利用を検討しているが、1年前に輸出した際には少額特例を利用しており、通常の手続とは異なる手続で輸出していたことから、交換品の輸出に当たっては無償告示を利用することができず、他の特別な手続をとる必要があるのではないか、と考えている。

 

2 正しい対応

上記メーカーAの対応、慎重な姿勢であり輸出管理の観点からは望ましい姿勢ではありますが、本件に関しては、少額特例を利用して輸出した貨物についても、無償告示を利用することは可能です。ただし、無償告示の利用にあたっての各要件については一般貨物と同様に充足する必要があります。

 

3 外為法の規制には十分ご注意ください

貨物を輸出する場合(及び技術を国際間で移転、提供する場合)には、外為法上の厳格な規制が存在します。

日本国内で購入したものであるから、海外に輸出しても問題ないと安易に考えることは非常に危険であり、日本国内で一般に販売されている物品であっても、海外に輸出する際には規制対象となる品目は多数存在します。

日用品として用いる小さな機械製品であっても大量破壊兵器や一般兵器に転用することが可能な場合は多数存在します。

また、外為法上の許可を取得することが煩雑であることから、安易に特例の適用があると判断することは非常にリスクの高い行為であるといわざるを得ません。

知らなかったでは済まされず、重大な犯罪行為(ひいては国際的な平和を損なう行為にもなりかねないことはくれぐれも気を付けるべきです。)となってしまい、違反した場合には重い刑事罰等も存在しますので、貨物を輸出する場合(及び技術を国際間で移転、提供する場合)において、外為法の規制内容に少しでも不安がある場合には、事前にご相談いただくことを強くお勧めいたします。

無償告示における交換の順番

2024-10-24

外為法上、貨物を輸出する場合には、リスト規制、キャッチオール規制といった規制の該当性を判断しなければならないことは、貨物の輸出を業として行っている法人や個人事業主の方に広く知られていることと思います。

また、大学や各種研究機関においては、共同研究や留学生の受け入れ等、外為法の規制該当性に関して非常に微妙な判断をする必要がある場面も多くあります。

本日は取扱いを間違いやすい(勘違いしやすい)事例をご紹介いたします。

 

1 事例

日本のメーカAは、1年前に海外に輸出した貨物について、故障したことから同等の製品を交換することを考えている。

その際にいわゆる無償告示の利用を検討しているが、同等の製品である以上、すぐに交換品を輸出して、その後故障した貨物を輸入するという手続で問題ないかどうか。

 

2 正しい対応

上記メーカーAの対応では無償告示の利用はみとめられません。

あくまでも無償告示第一合1では「本邦において修理された後再輸出するもの」と規定しておりますので、故障した貨物については、先に日本に輸入した上で、その後交換品を輸出するという流れを取る必要があります。

実質的には同じことだと思われる事業者も存在するとは思いますが、ルールですので、このような流れを取る必要があります。

 

3 外為法の規制には十分ご注意ください

貨物を輸出する場合(及び技術を国際間で移転、提供する場合)には、外為法上の厳格な規制が存在します。

日本国内で購入したものであるから、海外に輸出しても問題ないと安易に考えることは非常に危険であり、日本国内で一般に販売されている物品であっても、海外に輸出する際には規制対象となる品目は多数存在します。

日用品として用いる小さな機械製品であっても大量破壊兵器や一般兵器に転用することが可能な場合は多数存在します。

また、外為法上の許可を取得することが煩雑であることから、安易に特例の適用があると判断することは非常にリスクの高い行為であるといわざるを得ません。

知らなかったでは済まされず、重大な犯罪行為(ひいては国際的な平和を損なう行為にもなりかねないことはくれぐれも気を付けるべきです。)となってしまい、違反した場合には重い刑事罰等も存在しますので、貨物を輸出する場合(及び技術を国際間で移転、提供する場合)において、外為法の規制内容に少しでも不安がある場合には、事前にご相談いただくことを強くお勧めいたします。

無償告示における無償の意義

2024-10-19

外為法上、貨物を輸出する場合には、リスト規制、キャッチオール規制といった規制の該当性を判断しなければならないことは、貨物の輸出を業として行っている法人や個人事業主の方に広く知られていることと思います。

また、大学や各種研究機関においては、共同研究や留学生の受け入れ等、外為法の規制該当性に関して非常に微妙な判断をする必要がある場面も多くあります。

本日は取扱いを間違いやすい(勘違いしやすい)事例をご紹介いたします。

 

1 事例

日本のメーカAは、1年前に海外に輸出した貨物について、故障したことから修理のために輸入して、修理後に改めて輸出することを考えている。

いわゆる無償告示の利用を検討しているが、修理は有償で行うことから無償には該当せずに改めて輸出許可を取得する必要があるかどうか不確かである。

 

2 正しい対応

当該修理が無償であるか有償であるかは関係なく、貨物自体が無償であれば無償告示を利用することができます。

無償告示の利用に当たっては、その他にも一定の要件はありますが、修理代を別途請求したとしても無償告示の利用ができなくなるわけではありません。無償というのはあくまでも貨物自体が無償であるかどうかという判断になります。

 

3 外為法の規制には十分ご注意ください

貨物を輸出する場合(及び技術を国際間で移転、提供する場合)には、外為法上の厳格な規制が存在します。

日本国内で購入したものであるから、海外に輸出しても問題ないと安易に考えることは非常に危険であり、日本国内で一般に販売されている物品であっても、海外に輸出する際には規制対象となる品目は多数存在します。

日用品として用いる小さな機械製品であっても大量破壊兵器や一般兵器に転用することが可能な場合は多数存在します。

また、外為法上の許可を取得することが煩雑であることから、安易に特例の適用があると判断することは非常にリスクの高い行為であるといわざるを得ません。

知らなかったでは済まされず、重大な犯罪行為(ひいては国際的な平和を損なう行為にもなりかねないことはくれぐれも気を付けるべきです。)となってしまい、違反した場合には重い刑事罰等も存在しますので、貨物を輸出する場合(及び技術を国際間で移転、提供する場合)において、外為法の規制内容に少しでも不安がある場合には、事前にご相談いただくことを強くお勧めいたします。

10%ルールの換算方法

2024-10-14

外為法上、貨物を輸出する場合には、リスト規制、キャッチオール規制といった規制の該当性を判断しなければならないことは、貨物の輸出を業として行っている法人や個人事業主の方に広く知られていることと思います。

また、大学や各種研究機関においては、共同研究や留学生の受け入れ等、外為法の規制該当性に関して非常に微妙な判断をする必要がある場面も多くあります。

本日は取扱いを間違いやすい(勘違いしやすい)事例をご紹介いたします。

 

1 事例

日本のメーカAは、半導体製造装置を海外に輸出しようと考えており、担当者Bがいわゆる10%ルールを踏まえて該非判定を行った。

半導体製造装置の初期製造時の市場価格は1000万円であるところ、内蔵ポンプは2つあり、いずれも同じ輸出令別表第1の3の項に該当するものであり、価格は60万円と70万円であった。

担当者Bは、ポンプをそれぞれ10%ルールに適用させて輸出許可を取得する必要がないと判断した。

 

2 正しい対応

Bの判断は間違っています。

ポンプがいずれも同じ項に該当する場合には、価格を加算する必要があり、合計すると130万円になります。そのため、本件では10%ルールを適用することはできませんので、輸出許可を取得する必要があります。

 

3 外為法の規制には十分ご注意ください

貨物を輸出する場合(及び技術を国際間で移転、提供する場合)には、外為法上の厳格な規制が存在します。

日本国内で購入したものであるから、海外に輸出しても問題ないと安易に考えることは非常に危険であり、日本国内で一般に販売されている物品であっても、海外に輸出する際には規制対象となる品目は多数存在します。

日用品として用いる小さな機械製品であっても大量破壊兵器や一般兵器に転用することが可能な場合は多数存在します。

また、外為法上の許可を取得することが煩雑であることから、安易に特例の適用があると判断することは非常にリスクの高い行為であるといわざるを得ません。

知らなかったでは済まされず、重大な犯罪行為(ひいては国際的な平和を損なう行為にもなりかねないことはくれぐれも気を付けるべきです。)となってしまい、違反した場合には重い刑事罰等も存在しますので、貨物を輸出する場合(及び技術を国際間で移転、提供する場合)において、外為法の規制内容に少しでも不安がある場合には、事前にご相談いただくことを強くお勧めいたします。

10%ルールの提供貨物と技術

2024-10-09

外為法上、貨物を輸出する場合には、リスト規制、キャッチオール規制といった規制の該当性を判断しなければならないことは、貨物の輸出を業として行っている法人や個人事業主の方に広く知られていることと思います。

また、大学や各種研究機関においては、共同研究や留学生の受け入れ等、外為法の規制該当性に関して非常に微妙な判断をする必要がある場面も多くあります。

本日は取扱いを間違いやすい(勘違いしやすい)事例をご紹介いたします。

 

1 事例

日本のメーカAは、半導体製造装置を海外に輸出しようと考えており、担当者Bがいわゆる10%ルールを踏まえて該非判定を行った。

ここで、担当者Bは、10%ルールを適用できる貨物を使用するための技術データについてはどのように判断すべきか分からず、専門家に問合せをおこなった。

 

2 正しい対応

Bの対応は正しく、少しでも不安な部分がある場合には専門家に相談の上判断する必要があります。

上記事例では、10%ルールの適用がある貨物を使用するための技術データについては、リスト規制に該当する技術であっても、当該貨物との関係でリスト規制には該当しない技術として扱うことになります。

 

3 外為法の規制には十分ご注意ください

貨物を輸出する場合(及び技術を国際間で移転、提供する場合)には、外為法上の厳格な規制が存在します。

日本国内で購入したものであるから、海外に輸出しても問題ないと安易に考えることは非常に危険であり、日本国内で一般に販売されている物品であっても、海外に輸出する際には規制対象となる品目は多数存在します。

日用品として用いる小さな機械製品であっても大量破壊兵器や一般兵器に転用することが可能な場合は多数存在します。

また、外為法上の許可を取得することが煩雑であることから、安易に特例の適用があると判断することは非常にリスクの高い行為であるといわざるを得ません。

知らなかったでは済まされず、重大な犯罪行為(ひいては国際的な平和を損なう行為にもなりかねないことはくれぐれも気を付けるべきです。)となってしまい、違反した場合には重い刑事罰等も存在しますので、貨物を輸出する場合(及び技術を国際間で移転、提供する場合)において、外為法の規制内容に少しでも不安がある場合には、事前にご相談いただくことを強くお勧めいたします。

10%ルールの基準時

2024-10-04

外為法上、貨物を輸出する場合には、リスト規制、キャッチオール規制といった規制の該当性を判断しなければならないことは、貨物の輸出を業として行っている法人や個人事業主の方に広く知られていることと思います。

また、大学や各種研究機関においては、共同研究や留学生の受け入れ等、外為法の規制該当性に関して非常に微妙な判断をする必要がある場面も多くあります。

本日は取扱いを間違いやすい(勘違いしやすい)事例をご紹介いたします。

 

1 事例

日本のメーカAは、半導体製造装置を海外に輸出しようと考えており、担当者Bがいわゆる10%ルールを踏まえて該非判定を行った。

半導体製造装置の初期製造時の市場価格は1000万円であるところ、当該装置に正当に組み込まれているポンプについては、現在の市場価格は80万円であった。

そのため、担当者Bは、10%ルールを踏まえて、リスト規制には該当しないものと判断した。

 

2 正しい対応

Bの判断は間違っており、無許可輸出に該当する可能性があります。

運用通達の10%ルールを算定する上で、分子には半導体製造装置の初期製造時のポンプの市場価格を据える必要があります。そのため、担当者Bは現在の市場価格で算定してしまっており間違っております。

 

3 外為法の規制には十分ご注意ください

貨物を輸出する場合(及び技術を国際間で移転、提供する場合)には、外為法上の厳格な規制が存在します。

日本国内で購入したものであるから、海外に輸出しても問題ないと安易に考えることは非常に危険であり、日本国内で一般に販売されている物品であっても、海外に輸出する際には規制対象となる品目は多数存在します。

日用品として用いる小さな機械製品であっても大量破壊兵器や一般兵器に転用することが可能な場合は多数存在します。

また、外為法上の許可を取得することが煩雑であることから、安易に特例の適用があると判断することは非常にリスクの高い行為であるといわざるを得ません。

知らなかったでは済まされず、重大な犯罪行為(ひいては国際的な平和を損なう行為にもなりかねないことはくれぐれも気を付けるべきです。)となってしまい、違反した場合には重い刑事罰等も存在しますので、貨物を輸出する場合(及び技術を国際間で移転、提供する場合)において、外為法の規制内容に少しでも不安がある場合には、事前にご相談いただくことを強くお勧めいたします。

運用通達上の10%ルール

2024-09-29

外為法上、貨物を輸出する場合には、リスト規制、キャッチオール規制といった規制の該当性を判断しなければならないことは、貨物の輸出を業として行っている法人や個人事業主の方に広く知られていることと思います。

また、大学や各種研究機関においては、共同研究や留学生の受け入れ等、外為法の規制該当性に関して非常に微妙な判断をする必要がある場面も多くあります。

本日は取扱いを間違いやすい(勘違いしやすい)事例をご紹介いたします。

 

1 事例

日本のメーカAは、半導体製造装置を海外に輸出しようと考えており、担当者Bが該非判定を行った結果、半導体製造装置は輸出令別表第1の16の項に該当するものであること、また、当該装置においてはポンプを利用しているが、装置と一体となってしまっており、別途該非判定を行う必要がないと判断した。このような判断は適切かどうか。

 

2 正しい対応

Bの判断は間違っており、無許可輸出に該当する可能性があります。

半導体製造装置自体は輸出令別表第1の16の項に該当するとしても、原則として、当該装置に組みこまれたポンプは、輸出令別表第1の2の項や3の項に該当する可能性があります。

ただし、いわゆる運用通達上の10%ルールを踏まえて(運用通達1-1(7)(イ))、当該ポンプが他の貨物の部分をなしているものと判断できる場合には、リスト規制には該当しないものとして取り扱うことができます。

そのため、Bとしては、ポンプについてこの10%ルールの適用が可能かどうかを判断する必要があります。

 

3 外為法の規制には十分ご注意ください

貨物を輸出する場合(及び技術を国際間で移転、提供する場合)には、外為法上の厳格な規制が存在します。

日本国内で購入したものであるから、海外に輸出しても問題ないと安易に考えることは非常に危険であり、日本国内で一般に販売されている物品であっても、海外に輸出する際には規制対象となる品目は多数存在します。

日用品として用いる小さな機械製品であっても大量破壊兵器や一般兵器に転用することが可能な場合は多数存在します。

また、外為法上の許可を取得することが煩雑であることから、安易に特例の適用があると判断することは非常にリスクの高い行為であるといわざるを得ません。

知らなかったでは済まされず、重大な犯罪行為(ひいては国際的な平和を損なう行為にもなりかねないことはくれぐれも気を付けるべきです。)となってしまい、違反した場合には重い刑事罰等も存在しますので、貨物を輸出する場合(及び技術を国際間で移転、提供する場合)において、外為法の規制内容に少しでも不安がある場合には、事前にご相談いただくことを強くお勧めいたします。

« Older Entries Newer Entries »

トップへ戻る

03-5877-4099電話番号リンク 問い合わせバナー