若者が巻き込まれる密輸の現状

近年、大学生などの若者が『簡単に稼げる副業』として禁制品や金地金の密輸入に関わるケースが増加しています。

特にSNSやインターネットを通じて、「海外旅行のついでに荷物を運ぶだけ」、「観光の帰りに簡単な副業」、「実質無料で観光に行こう」等の甘い言葉で勧誘されることが多いようです。しかしながら、このような行動がもたらすリスクは非常に深刻であり、一度関与すると人生を大きく狂わせる可能性があります。

本日は、その危険性について説明します。

 

1 若者が巻き込まれる現状

警察庁の2022年の統計情報によると、日本における薬物密輸関連の検挙者数は前年より約15%増加しており、そのうち20代以下の若者が占める割合は約30%と報告されています。こうした背景には、SNSや求人アプリを通じて「割の良いバイト」として勧誘されることが挙げられます。

この傾向は2024年の現在でも同様であり、犯罪組織にとっては、社会経験の浅い若者は「リスクを理解していない」、「違法性に鈍感」等と見られるため、非常に利用しやすく、問題が発覚した場合には簡単に見捨てることができる使い勝手のよい存在です。

 

2 密輸は人生を狂わせるので、絶対に行ってはいけません

日本の法律では、禁制品の密輸は極めて重い罪です。

たとえば、麻薬取締法や関税法に基づく罰則では、以下のような処罰が規定されています。

①麻薬取締法違反:最高で無期懲役、または10年以上の懲役に加え、数千万円規模の罰金が科されることがあります。

②関税法違反:密輸入を目的とした行為は、5年以上の懲役または罰金が科されます。

 

最終的な処罰の前には逮捕、勾留、刑事裁判と続き、経済的負担や社会的信用の喪失を招きます。

 

3 実際に起こりうるリスク

(1) 刑罰とその影響

先述の通り、禁制品や金地金の密輸に関与した場合、極めて厳しい刑罰が科されます。

一度有罪判決を受けると前科がつき、就職や進学といったその後の人生にも大きな悪影響を及ぼします。

(2) 知らずに「運び屋」にされる可能性

「ただ荷物を預かっただけ」といった場合でも、禁制品や金地金が入っていれば違法行為とみなされます。

「知らなかった」という弁解は通用しないことがほとんどであるとお考えください。

 

4 誘惑に負けないために

若者が犯罪に巻き込まれないためには、以下のポイントに注意することが重要です。

①安易な勧誘に乗らない:特に「高額報酬」「簡単」といった文言には注意を払いましょう。

②荷物を預かる際のリスクを認識する:他人の荷物を運ぶ場合、その内容物に責任が伴うことを自覚しましょう。

③法律知識を身につける:日本の厳しい法律について正確に理解しておくことで、違法行為を未然に防ぐことができます。

 

5 専門家に相談することもご検討ください

禁制品の密輸は決して「簡単な副業」ではなく、人生を台無しにするほどのリスクを伴う犯罪です。

もしも自分自身やご家族が誘いを受けたり、不安に思うことがあれば、弁護士や警察に相談してください。自分自身を守るためにも、軽率な行動を避け、慎重な判断を心がけましょう。

 

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