最新の裁判例その6

インターネット上のトラブルには様々なものがあります。

誹謗中傷、名誉毀損に関係するトラブルや、著作権などの知的財産権侵害に関するトラブル、プライバシー侵害に関係するトラブル等、トラブルの種類や量は増加傾向にあります。

弊事務所では、様々なインターネットトラブルに関するご相談をお受けしておりますが、日々様々な裁判例が出ておりますので、最新の裁判例を確認することがトラブルに対応するに当たっては非常に重要となります。

本日は、名古屋地判令和5年3月30日(LLI/DB 判例秘書登載)をご紹介いたします。

1 事案の概要

Yが、Xが無罪判決を受けた事件に関するニュースサイトのコメント欄において、「バカボン」等、Xを揶揄する表現を含む投稿を行ったところ、当該投稿に対してXが慰謝料請求等を行った事案です。

2 裁判所の判断

裁判所は、以下の通り判断しました。

『本件投稿は、その内容等に照らして、社会生活上許容される限度を超えてXの名誉感情を侵害するものとして違法であり、Yが本件投稿をした行為が、Xに対する不法行為を構成することについては当事者間に争いがないところ、本件投稿は、知能が劣り、愚かなことを示唆する「バカ」を含む「バカボン」という表現を用いてXを揶揄した上で、本件刑事事件で無罪判決が言い渡された事実について、真実は、Xが金銭を得る目的で当該犯罪事実に及んだことを前提とし、かつ、Xが不当な手段でAにおける地位を獲得したことを示唆する表現を用いてXを侮辱する内容であるため、原告の権利を侵害する内容として違法である。』

3 インターネットトラブルは誰もが巻き込まれる可能性があります

現在の社会において、インターネットに一切関係することなく人生を送ることはほぼ不可能です。それは、老若男女問わずいえることです。

トラブルへの巻き込まれ方としては、自身の利用方法に注意をすることで加害者側になることを回避することは可能ですが、被害者となる可能性は誰もがあるといえます。

インターネットトラブルに巻き込まれた際は、誰しも驚いて冷静な対応を取ることが難しい状況であることは間違いありません。ただ、冷静に対応をすることで大事にすることなく解決までつながる場合も多くありますので、まずは軽率な対応をすることは避け、慎重に対応をすることが重要です。

弊事務所では、インターネットトラブルに関して、加害者側からのご相談も含めて幅広く対応しておりますので、お気軽にご相談ください。

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