開示請求の結果、届いた契約者情報を見て驚愕するケースがあります。
「書き込んでいたのが、未成年の学生(中学生・高校生)だった」
実は、ネットトラブルにおいて加害者が未成年であるケースは決して珍しくありません。
相手が未成年の場合、責任を誰に、どのように問えばよいのでしょうか?
このページの目次
1 未成年者本人の責任能力
日本の民法では、未成年者であっても「自分の行為の責任を弁識する能力(責任能力)」があれば、損害賠償責任を負うとされています。この能力が認められる年齢の目安は、概ね「12歳〜13歳(中学生)以上」です。
つまり、中学生以上の加害者であれば、法律上は「未成年者本人」を訴えることになります。 しかし現実問題として、中高生には数百万の賠償金を支払う経済力(資力)がありません。本人を訴えて勝訴しても、お金を回収できない可能性が高いのです。
2 親(親権者)に請求できるか?
「子供がやったことなのだから、親が払うべきだ」と考えるのが通常ですが、法律は必ずしもそうではありません。子供に責任能力がある場合(中学生以上)、原則として親は法的責任を負いません。
ただし、例外があります。「親の監督義務違反」が認められる場合です。
例えば、「子供が日常的にネットで違法行為をしているのを知っていたのに放置した」「危険な使い方を容認していた」といった事情があれば、民法714条に基づき、親に対して損害賠償請求ができる可能性があります。
3 実務上の解決:親が出てくることがほとんど
法律論では上記の通りですが、実際の示談交渉の現場では異なります。
弁護士から未成年者宛に内容証明郵便が届けば、通常は親がそれを見ます。通常であれば、「子供が迷惑をかけて申し訳ない」「子供に前科をつけたくない」「学校に知られたくない」と考え、親が子供の代わりに示談金を支払って解決するケースが大半です。
4 学校への通報はできる?
「学校に通報して反省させたい」という要望もよく頂きます。
しかし、弁護士が代理人として学校に通報することは、原則として行いません。名誉毀損事件はあくまで私人間のトラブルであり、学校は捜査機関ではないからです。また、学校へ知らせることで加害者がいじめに遭ったり退学になったりした場合、逆に「過剰な制裁だ」としてこちらが名誉毀損等で訴えられるリスクもゼロではありません。
ただし、いじめ事案などで「学校内での指導」が必要なケースでは、教育委員会や学校と連携をとることもあります。

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