「申し訳ありませんが、お金がなくて払えません」
示談交渉や裁判の場において、加害者がこう言ってくることはよくあります。
「無い袖は振れない(資産がない人からは回収できない)」というのは法律の世界でも厳しい現実ですが、すぐに諦める必要はありません。
相手の「お金がない」が本当なのか、そしてどうやって回収するかについてみていきます。
このページの目次
1 本当に「無一文」なのか?資産調査
単に「払いたくない」から「金がない」と嘘をついている可能性があります。
相手の生活状況を見極める必要があります。
①職業・勤務先: 正社員で働いているなら、給与があります。
②自宅: 持ち家か賃貸か。持ち家なら不動産という資産があります。
③生活ぶり: SNSなどで豪遊している様子はないか。
弁護士会照会などの制度を使って、相手の口座情報などを調査できる場合もありますが、限界もあります。
2 強制執行(差し押さえ)
裁判で勝訴判決を得るか、公正証書で合意していれば、裁判所に申し立てて「強制執行(差し押さえ)」を行うことができます。
①給与の差し押さえ
相手の勤務先がわかれば、給料の一部(手取りの4分の1など)を毎月天引きして、直接被害者に支払わせることができます。これは相手が会社を辞めない限り続くため、非常に強力な回収手段です。また、会社にトラブルがバレるため、相手への社会的制裁にもなります。
②預金口座の差し押さえ
銀行口座を特定して、残高を没収します。タイミングによっては残高が少ないこともあります。
③動産・不動産の差し押さえ
自宅や車などを競売にかける手続きですが、費用と手間がかかるため、少額の慰謝料回収ではあまり行われません。
3 分割払いの交渉
相手が本当に資産を持っていない場合、無理に一括払いを求めても「自己破産」されてしまえば元も子もありません。
その場合、現実的な落とし所として「分割払い」での和解を検討します。
例えば、「毎月3万円ずつ、2年かけて支払う」といった合意をし、「もし支払いが2回遅れたら、残額を一括で支払う(期限の利益喪失条項)」という条件をつけることが一般的な対応です。これにより、相手に「毎月働き続けて払い続ける」という反省と責任を負わせ続けることができます。
「相手が無職の無敵の人(失うものがない人)だった」という最悪のケースもゼロではありません。しかし、開示請求を進める段階で、相手がどのような人物か(プロバイダが大手キャリアなら支払い能力がある可能性が高い、など)ある程度推測できることもあります。 回収リスクも含めて、費用対効果を弁護士とシビアに検討することが重要です。

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