IPアドレスが開示されても犯人が特定できないケースとは?公衆Wi-Fiや海外プロキシの課題

発信者情報開示請求を行えば、100%必ず犯人が見つかるわけではありません。

残念ながら、法的な手続きを尽くしても「技術的な壁」や「物理的な壁」によって、個人の特定に至らないケースが存在します。

依頼者の期待と費用のミスマッチを防ぐためにも、当事務所ではリスクについて事前に正直にご説明しております。今回は、特定が困難になる代表的なケースをご紹介します。

1 公衆Wi-Fi(フリーWi-Fi)からの投稿

カフェ、ホテル、コンビニ、駅などの「公衆無料Wi-Fi」を利用して書き込みが行われた場合です。この場合、IPアドレスから辿り着けるのは「そのカフェのルーター」や「その施設」までです。

「その日、その時間に、その店にいた誰か」までは絞り込めますが、そこから「誰が使ったか」を特定するには、利用登録情報や防犯カメラの映像などが必要になります。しかし、会員登録不要のWi-Fiであったり、防犯カメラの保存期間が過ぎていたりすると、個人の特定は極めて困難になります。

2 ネットカフェからの投稿

ネットカフェの場合、入店時に会員証の提示が必要な店舗であれば、利用した個室やパソコンの特定から、入店記録を照合して犯人を特定できる可能性があります。しかし、本人確認が不要な店舗や、PCを使わずに店舗のWi-Fiに自分のスマホを繋いで投稿した場合などは、特定の難易度が上がります。

3 海外プロキシ・VPN・Torの利用

「プロキシサーバー」や「VPN」といった技術を使い、接続元を偽装・経由して投稿された場合です。特に、ログを保存しない方針(ノーログポリシー)を掲げる海外のVPNサービスや、匿名化ツール「Tor(トーア)」を経由されると、追跡が事実上不可能になるケースが多いです。ただし、「VPNを使っているから絶対安全」と過信している加害者が設定ミスをしているケースもあるため、最初から諦める必要はありません。

4 海外プロバイダの壁

IPアドレスの割り当て元が海外のサーバー会社である場合、日本の裁判所の命令が届かない、あるいは無視されることがあります。現地の弁護士を雇って現地の裁判所で手続きをする必要が出てくると、費用対効果の面で現実的ではなくなることが多いです。

5 それでも弁護士に依頼する意味

「特定できないリスク」があることは事実です。しかし、多くの一般ユーザーによる誹謗中傷は、ご自宅のWi-Fiやスマートフォンのキャリア回線から行われており、これらは特定可能です。

「高度な隠蔽工作をしているかもしれないから」と躊躇するよりも、「もし特定できれば責任を追及したい」という意思があるならば、まずは調査(IPアドレスの開示)を試みてみる価値はあります。まずは初回の段階で「特定の見込み」について、専門家の見解を聞いてみてください。

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