インターネットトラブルで代表的なものは、インターネット上の匿名掲示板やSNS上における誹謗中傷や名誉棄損に類する投稿がなされるというものです。
この場合には、名誉権侵害の有無を検討することになります。
以下では、名誉権侵害を検討する上で重要な論点をご紹介いたします。
このページの目次
1 名誉権侵害を検討する上で重要な論点
(1)問題の投稿が事実摘示か意見論評か
問題の投稿でお悩みの被害者側の立場では、事実摘示として投稿を整理して主張することの方が圧倒的に多いのが実情です。なぜなら、事実摘示側として整理主張した方が、立証の観点からは圧倒的に有利となるからです(反対に、意見論評型としてしか構成できない場合には、名誉権侵害を立証することは非常に難しいといえます。)。
問題の投稿が事実摘示か意見論評かどちらに該当するかの判断基準は、「証拠等をもってその存否を決することが可能か否か」です。実際のところ、なかなか判断が難しい(どちらとも解釈できる)場合が多いといえます。
(2)違法性阻却事由の要件
問題の投稿が事実適示型である場合、①公共の利害、②公益目的、③摘示事実の重要部分が真実であること、3つが判断要素となります。
他方で、問題の投稿が意見論評型の場合、上記①②に加え、③前提事実の重要部分が真実であること、④人身攻撃に及ぶ等意見ないし論評としての域を逸脱したものではない、の4つが判断要素となります。
実際のところでは、問題の投稿が事実摘示型の場合は、③の要素が主たる争点となり、他方で、意見論評型の場合は、③または④の要素が主たる争点となります。
2 名誉権侵害を主張する場合には、弁護士へのご相談をご検討ください
以上のとおり、名誉権侵害の判断基準は一見すると明確ではありますが、実際にはなかなか判断が難しい場合が多いというのが実情です。
被害者の方のみでの対応では困難といえますので、最終的にどのような対応を取るにせよ、まずは弁護士にご相談いただき慎重に対応を検討いただくことをお勧めいたします。
当事務所では、インターネットトラブルを幅広く取り扱っております。
インターネットトラブルの被害者の方、加害者の方を問わず、ご相談をお受けしておりますので、インターネットトラブルでお悩み方は、ご遠慮なく当事務所までご相談いただけますと幸いです。