名誉毀損罪の運用状況について

侮辱罪が厳罰化された、というニュースを聞いたことがある方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

以前は、侮辱罪の刑罰は「拘留または科料」であり、刑法の中で最も軽い刑罰と取り扱われておりましたが、現在の刑罰は、「1年以下の懲役若しくは禁錮若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料」となり、厳罰化されました。

これに対して名誉棄損罪は、「3年以下の懲役/禁錮/50万円以下の罰金」という法定刑が規定されております。

名誉毀損罪と侮辱罪とは一般の方の感覚ではあまり違いがないものと思いますが、事実を摘示するかどうかというところに根本的な違いがございます。

本日は、名誉毀損罪の運用状況についてご紹介いたします。

1 名誉毀損罪の運用状況について

法務省が公表する、名誉毀損罪の科刑状況(過去5年)は以下のとおりです。

①平成28年度 懲役刑20名、罰金刑122名

②平成29年度 懲役刑22名、罰金刑130名

③平成30年度 懲役刑12名、罰金刑128名

④令和元年度  懲役刑24名、罰金刑153名

⑤令和2年度  懲役刑9名、罰金刑170名

罰金刑が科されるにとどまるケースが圧倒的に多いものの、懲役刑が科されるケースも一定程度は存在するということには注意する必要があります。

なお、刑罰の内容について補足いたしますと、「懲役刑」とは、実刑の場合と執行猶予付きの場合とを含めた数字となっております。

2 インターネットトラブルが発生した場合には早期に弁護士を含む専門家にご相談ください

インターネットトラブルに関しては、インターネット上で様々な解説がなされている所ではありますが、正直なところ玉石混交の情報といわざるを得ず、そのような情報に触れるとますます混乱してしまうと思います。

また、名誉毀損に関しては、問題となっている部分が、民事事件であるのか、それとも刑事事件であるのかによって対応すべき内容は異なり、まさにケースバイケースの対応が求められるほか、時間的な余裕もあまりなく、早期に対応を迫られる場合も少なくありません。

そのため、自分がインターネットトラブルに巻き込まれてしまったと思われた場合には、まずは弁護士を含む専門家にご相談いただき、迅速かつ慎重に対応方針を検討いただくことを強くお勧めいたします。

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