名誉棄損の判断基準

インターネットトラブルの代表的なものとして名誉毀損に関するトラブルがあります。

では、名誉毀損とはどのように判断されるものなのでしょうか。

その判断方法を示した判例である、最判昭和31年7月20日(民集10・8・1059)について、本日はご紹介いたします。

1 最判昭和31年7月20日の判示内容

名誉毀損に該当するかどうかの判断基準として、最高裁は、「名誉を毀損するとは、人の社会的評価を傷つけることに外ならない。それ故、所論新聞記事がたとえ精読すれば別個の意味に解されないことはないとしても、いやしくも一般読者の普通の注意と読み方を基準として解釈した意味内容に従う場合、その記事が事実に反し名誉を毀損するものと認められる以上、これをもつて名誉毀損の記事と目すべきことは当然である。」と判示しました。

名誉毀損に関するトラブルにおいては、投稿者側の反論として、自分としてはそのような意味で投稿したわけではない、良く読めば自分の真意が分かるはずであり、名誉毀損には該当しない等と主張される場合があります。

しかしながら、人の名誉が客観的に毀損されたかどうかの判断においては、上記のとおり、あくまでも一般読者の普通の注意と読み方を基準として判断されることとなります。

投稿者がどのような意図であったかや、良く読めばどのように理解することができるといったことは関係ありません。

投稿者側の主張もあながちわからなくはないのですが、現在の判例を踏まえますと、裁判においては容れられることのない主張となりますので十分注意する必要があります。

2 名誉毀損に関するトラブルに巻き込まれてしまった場合

上記のとおり、名誉毀損とは、あくまでも当該表現内容について、一般読者の普通の注意と読み方を基準に判断されることとなりますので、自身では名誉毀損をしている意図がない場合でも名誉毀損に該当してしまう場合が相当程度ございます。

名誉棄損は刑事事件化する可能性もある問題となりますので、安易に大事にはならないだろうと考えてしまうことは非常に危険であると言わざるを得ません。

特に上記のとおり、自分では名誉毀損を行ったという意識がない方は、実際には非常にリスクのある状況にあると言えます。

被害者の立場、加害者の立場を問わず、名誉棄損に関するトラブルに巻き込まれてしまった場合には、速やかにインターネットトラブルに詳しい弁護士にご相談いただくことをお勧めいたします。

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