景品表示法に違反する広告等を行ってしまった場合には、措置命令や課徴金納付命令が下されるリスクがあり、これらの命令を下されてしまった場合には、企業の評判に大きな悪影響を生じさせますので、景品表示法に違反する広告には十分注意する必要があります。
本日は令和5年に通信販売事業者に対して措置命令が下された事例をご紹介いたします(ご紹介の関係で一部概要となります。)。
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1 事案の概要
広告においては、以下のような表現が使用されました。
①「『目元の肉垂れ下がってる人は絶対して』 更年期9割が知らない毎晩の習慣」と記載し、2枚の顔写真を掲載した上で、「加工によるもの」「どちらが若く見えますか?」との表現、
②「40 代の悲劇… ブルドックシワ」と記載し、目の下部のシワを強調した顔写真を掲載、
③ 漫画において、アンリンクルについて、美容家とされる人物が「塗るだけで肌がピーンよ!」「自宅で美容医療級のケアができるのよ!」との表現、
④漫画において主人公と思われる人物が、「早速調べてみると」「え?目元のシワって自宅でもケアできるの?」との描写に続けて、3名分の体験談及び比較写真各2枚を掲載、
⑤「『色々クリーム試してもだめで、衝撃を覚えたのがコレ(絵文字2点)まさか使ってシワがこんなにもすぐに伸びるなんて…』」との表現、
⑥その他、①から⑤に類する広告表現
2 消費者庁の判断
消費者庁は、景品表示法の規定に基づいて、期間を定めて、当該事業者に対して当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めた。その結果同社から資料が提出されたが、当該資料は当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示すものであるとは認められないものであったと判断された。
以上を踏まえて、消費者庁は、当該事業者に対して措置命令を下した。
3 景品表示法に違反する広告にはご注意ください
景品表示法に違反する広告を行ってしまった場合には、消費者庁等から、措置命令や課徴金納付命令が下されるリスクがあり、また、消費者の評判に大きな悪影響を及ぼしますので、これ自体が事業者にとってはその後の事業を継続する上では極めて大きな問題となり得ることは言うまでもありません。
景品表示法及び具体的な運用に関して正確な理解をしていない場合には、思わぬ表示上の間違いを犯してしまうリスクがあります。
このような状況を避けるためにも、広告表現に関してご不安な点等がありましたら、お気軽にご相談ください。