糖質カット商品に関する広告表示①

景品表示法に違反する広告等を行ってしまった場合には、措置命令や課徴金納付命令が下されるリスクがあり、これらの命令を下されてしまった場合には、企業の評判に大きな悪影響を生じさせますので、景品表示法に違反する広告には十分注意する必要があります。

本日は令和5年に糖質カットを謳う商品に対して措置命令が下された事例をご紹介いたします。

1 事案の概要

広告においては、以下のような表現が使用されました。

①「減らす 控える 落とす 美味しさそのまま 糖質45%カット」との記載

②「一般的な炊飯器では、お米を炊いた際にお米から発生する糖質が水と一緒にお米に付着しています。そこで」本商品は「お米から発生した糖質がお米に付着しないように、蒸し器のような構造にしています。これによって。炊飯時に発生した糖質を落とすことが可能になりました。」との記載

③①や②等の記載を広告表示することで、事業者は、あたかも本件商品の糖質カット炊飯機能で炊飯することにより、通常の炊飯機能で炊飯した米飯と同様の炊きあがりで、米飯に含まれる糖質が大幅にカットすることができるかのように示す表示をしていた。

2 消費者庁の判断

消費者庁は、景品表示法第7条第2項の規定に基づいて、期間を定めて、当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めたところ、同社から資料が提出されたが、当該資料は、当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示すものであるとは認められないものであったと判断された

以上を踏まえて、消費者庁は、当該広告表示が優良誤認表示に該当するとの判断に基づいて事業者に対して措置命令(一般消費者への周知徹底及び再発防止等)を下した。

3 景品表示法に違反する広告にはご注意ください

景品表示法に違反する広告を行ってしまった場合には、消費者庁等から、措置命令や課徴金納付命令が下されるリスクがあり、これ自体が事業者にとっては大きな問題となり得ることは言うまでもありません。しかしながら、昨今のインターネットやSNSの発展を踏まえると、一度これらの行政処分が課されてしまった場合には、いわゆる『炎上』のような状態となってしまい、事業者の評判に大きな悪影響を及ぼすことが考えられ、この点を最大限注意すべきであるといえます。一般消費者からの信用が一度なくなってしまうとこれを回復することは非常に難しいといえます。

このような状況を避けるためにも、広告表現に関してご不安な点等がありましたら、お気軽にご相談ください。

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