適格消費者団体による合理的根拠資料の開示要請について

2024年10月1日に景品表示法の改正が施行されました。

本日はその中でも『適格消費者団体による合理的根拠資料の開示要請』についてご紹介いたします。

1 改正の背景と目的

従来、事業者が提供する商品やサービスについて「優良誤認表示」や「有利誤認表示」といった不当表示が疑われた場合、消費者庁や地方自治体が主導して調査して、違反の事実が認められれば指導、措置命令や課徴金納付命令といった行政処分を課す方式がとられてきました。

しかしながら、行政機関だけではリソースが限られており、多くの不当表示を取り締まることは現実的には難しく、見過ごされているケースも少なくありませんでした。

そこで、適格消費者団体に対して、事業者に対する広告表示の根拠資料の開示を求める権限を新たに認めたのが今回の改正です。

2 開示要請の内容

改正法では、適格消費者団体が事業者に対して「合理的な根拠資料」の開示を求めることができるようになりました。

「合理的な根拠資料」とは、広告や表示の内容が事実であることを裏付ける証拠となる資料を指します。

例えば、健康食品の広告で「◯◯を飲むと1週間で体重が10kg減る」等と表示されている場合、その効果を示す臨床試験データや科学的なエビデンスがこれに該当します。

ただし、注意点としては、事業者はあくまでも「努力義務」として、開示要請に応じることが求められているにとどまります。そのため、強制的に開示を命じる権限が適格消費者団体に与えられたわけではなく、事業者側としてはあくまで任意の対応となる点には注意が必要です。

3 開示要請を受けた場合の事業者の対応

事業者が開示要請を受けた場合、大まかには以下のような対応が考えられます。

①合理的根拠資料を提出する

広告表示の内容の根拠が明確であれば、その資料を提出することで不当表示の疑念を払拭できます。本来は、故の対応が求められております。

②資料が不十分または存在しない場合

この場合には、広告表示内容を直ちに見直し、誤認を招く広告や表示を速やかに取り下げる必要があります。

③対応を拒否する

任意の要請であるため対応を拒否することも可能ですが、消費者団体が不当表示を消費者庁に報告し、結果的に行政機関による調査等が行われるリスクが高まります。

4 今後の対応が重要です

今回の改正で導入された「適格消費者団体による開示要請」は、消費者側の権利を保護し、不当表示の早期是正を促進する制度です。

事業者にとっては、広告や表示に対する厳格な管理が求められることになりますが、ある意味では当然の対応を求められているに過ぎないともいえます。

強制力こそありませんが、適格消費者団体の要請を軽視することは、企業の信頼低下や行政調査のリスクにつながりかねません。

万一広告表示に関してご不明な点等ございましたら、専門家にご相談いただくことをお勧めいたします。

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