昨今、いわゆる健康食品に関して話題になることは多くあります。
ポジティブな内容からネガティブな話題まで、その内容は多岐にわたりますが、健康食品との関係性が深い法律に健康増進法があります。
最近は受動喫煙防止との関係で取り上げられることも多いですが、食品の広告表示に関する規制が当該法第65条第1項において規定されておりますので、食品を事業として取り扱う業者にとってはその正確な理解は必須となります(景品表示法や薬機法等の他法令が問題となる場合も多くあります。)。
本日は健康増進法の内容についてご紹介いたします。
1 新聞、雑誌等の記事、医師、学者等の談話やアンケート結果、学説、体験談などを引用又は掲載することにより表示するもの
健康増進法第65条第1項において表現の規制対象となる「健康の保持増進の効果」とは、健康状態の改善又は健康状態の維持の効果であり、『健康保持増進効果等』を暗示的又は間接的に表現するものについても含まれます(消費者庁が公表している『健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について』を参照。)。
そしてここには、新聞、雑誌等の記事、医師、学者等の談話やアンケート結果、学説、体験談などを引用又は掲載することにより表示するものも含まれることになります。
例えば、
A県在住のBさん(●歳)の体験談
「商品Cを3か月間毎朝続けて食べたら、3ヶ月間で10㎏痩せました。」
D医科大学E教授のコメント
「発がん性物質を与えたマウスに成分Fの抽出成分を食べさせたところ、何もしなかったマウスよりもかなり低い発ガン率だったことが学会で発表されました」
といった表現には注意が必要です。
2 健康増進法をはじめとする広告規制に違反する広告にはご注意ください
健康増進法や景品表示法等に違反する広告を行ってしまった場合には、消費者庁等から、法令に応じて、措置命令や課徴金納付命令が下されるリスクがあります。このような事態となってしまった場合には、一般消費者の当該企業に対する評判に大きな悪影響を及ぼしますので、事業者にとってはその後の事業を継続する上では極めて大きな問題となり得ることは言うまでもありません。
健康増進法や景品表示法等の具体的な運用に関して正確な理解をしていない場合には、意図せず思わぬ表示上の間違いを犯してしまうリスクがあります。特に自社の商品や役務の良さを強調しようとする結果、違法な広告表示をしてしまうこともあり得ます。
このような状況を避けるためにも、広告表現に関してご不安な点等がありましたら、お気軽にご相談ください。