昨今、いわゆる健康食品に関して話題になることは多くあります。
ポジティブな内容からネガティブな話題まで、その内容は多岐にわたりますが、健康食品との関係性が深い法律に健康増進法があります。
最近は受動喫煙防止との関係で取り上げられることも多いですが、食品の広告表示に関する規制が当該法第65条第1項において規定されておりますので、食品を事業として取り扱う業者にとってはその正確な理解は必須となります(景品表示法や薬機法等の他法令が問題となる場合も多くあります。)。
本日は健康増進法の内容についてご紹介いたします。
1 身体の組織機能等に係る不安や悩みなどの問題事項を例示して表示するもの
健康増進法第65条第1項において表現の規制対象となる「健康の保持増進の効果」とは、健康状態の改善又は健康状態の維持の効果であり、『健康保持増進効果等』を暗示的又は間接的に表現するものについても含まれます(消費者庁が公表している『健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について』を参照。)。
そしてここには、身体の組織機能等に係る不安や悩みなどの問題事項を例示して表示するものも含まれることになります。
例えば、「こんなお悩みありませんか?疲れが取れない。健康診断でウエストや体重、高血圧の値の指摘を受けた。でも普通の人にとって毎日運動を行うことは難しいし、食事制限もせずに好きなものを食べたい!だから、最初の内はダイエットに成功してもいつも結局リバウンドしてしまう。何とかしないといけないと思う毎日。」、「最近、少し歩いただけで息切れしてしまう。体力の衰えを感じるのは、成分Aが不足しているせいかも。」、「年齢とともに、低下する成分Bを摂取できるのはこれだけ。」
2 健康増進法をはじめとする広告規制に違反する広告にはご注意ください
健康増進法や景品表示法等に違反する広告を行ってしまった場合には、消費者庁等から、法令に応じて、措置命令や課徴金納付命令が下されるリスクがあります。このような事態となってしまった場合には、一般消費者の当該企業に対する評判に大きな悪影響を及ぼしますので、事業者にとってはその後の事業を継続する上では極めて大きな問題となり得ることは言うまでもありません。
健康増進法や景品表示法等の具体的な運用に関して正確な理解をしていない場合には、意図せず思わぬ表示上の間違いを犯してしまうリスクがあります。特に自社の商品や役務の良さを強調しようとする結果、違法な広告表示をしてしまうこともあり得ます。
このような状況を避けるためにも、広告表現に関してご不安な点等がありましたら、お気軽にご相談ください。