Archive for the ‘広告関連法務’ Category

最新の裁判例その3

2023-11-06

本日は、デジタルコンテンツのプラットフォームの責任が問題となった事案をご紹介いたします(東京地判令和3年7月16日(LLI/DB判例秘書登載))。

1 事案の概要

Yが提供するデジタルコンテンツのプラットフォームに投稿された記事の有料部分の購入者であるXが、上記記事の無料部分には有料部分に重要な記載があるかのように誤信させる記載があるにもかかわらず、有料部分には価値のない4文字の情報しかなかった以上は当該記事の投稿者による投稿は欺罔行為として違法であるとし、プラットフォーマーであるYに関しても、各コンテンツの最低限の審査や調査をする義務等があることを理由として、Yに対して損害賠償請求を行った事案です。

2 裁判所の判断

①Yは、Aというデジタルコンテンツの配信プラットフォームを提供する事業者であるところ、そのようなプラットフォーマーの法的責任を定めた法令は見当たらない上、本件規約においても、デジタルコンテンツの有料販売をする場合には、クリエイターとユーザーとの間に直接の契約が成立すると明記されているとおり、Yは、配信記事の売買に関する契約の当事者ではないのであるから、Aを用いた配信記事の売買契約においてトラブルが生じたとしても、原則として、被告は責任を負わないというのが相当である。

②近年のデジタルコンテンツ等をめぐる実情に照らすと、プラットフォーマーが信義則上利用者に対し責任を負うことがあり得ることは一概には否定できないところであるが、本件においてYが本件記事の売買契約に実質的に関与していたとか本件記事が犯罪行為に利用されていることを知り得たなど、Yにおいて信義則上の責任を負うべき特別な事情があったと認めることはできない。

3 広告表示に関する規制についてはご注意ください

インターネットやSNSの発展に伴い、広告表示の方法は多種多様なものが登場しております。それに伴い、広告表示に関する規制も新たに様々な内容で設けられており、また、新たに検討もされております。

少し前までは問題なく行うことができた広告表示であっても、違法な広告表示となる場合もありますので、広告表示の方法が適切に行うことができるかどうかについては日常的に注意をすることが必要です。

消費者庁等のHPにおいて適宜情報は公開されておりますので、情報については常にアップデートしていただくことが重要ですが、自社においてそこまで手が回らない、公表されている内容が良く理解できない等必要に応じて、専門家までご相談いただくことをお勧めいたします。

最新の裁判例その2

2023-11-02

事業者にとって広告は消費者に対して自社の商品等の魅力を伝えるための重要な方法ですが、行き過ぎた広告表示を行う場合、景表法違反として措置命令等が下されることがあります。

本日は、措置命令が下されたことに対して事業者側が取消訴訟を提起した事案をご紹介いたします(東京地判令和4年4月28日(LLI/DB判例秘書登載))。

1 問題となった広告表示

商品に同封された広告冊子の記載が問題とされました。

問題とされた主要な部分は以下の通りです。

①表紙部分

「中年太り解決読本」という表題が記載され、その下、同じ服装を身に着けた太った体型の暗い表情をした女性のイラストと、痩せた体型の明るい表情をした女性のイラストが配置されていた。

「もう一度、あの頃のスリムな私に!」、「メーカーシェア日本一の中年太りサポート茶とは!?」等の文章が記載されていた

②冊子内の漫画部分

中年太りに悩むキャラクターが、該当の商品を日々の食事とともに毎日摂取すること等により、体重が減少して体型の変化を遂げ、これを見た家族も影響を受けて該当の商品の摂取を開始して体型の変化を遂げるというものである。

③裏表紙部分

各冊子の裏表紙部分には、中央部分に「Aで大違い」との文章が記載されており、その右側には「まだ、飲んでいない人。」との文言とともに比較的太った体型の女性の画像が掲載され、左側には「飲んでいる人。」との文言とともに比較的痩せた女性の画像が掲載されていた。

2 裁判所の判断

該当の広告表示が優良誤認表示に該当し、かつ裏付けとなる合理的資料の提出もなされていないとして事業者側の請求を棄却しました。

3 広告表示に関する規制についてはご注意ください

インターネットやSNSの発展に伴い、広告表示の方法は多種多様なものが登場しております。それに伴い、広告表示に関する規制も新たに様々な内容で設けられており、また、新たに検討もされております。

少し前までは問題なく行うことができた広告表示であっても、違法な広告表示となる場合もありますので、広告表示の方法が適切に行うことができるかどうかについては日常的に注意をすることが必要です。

消費者庁等のHPにおいて適宜情報は公開されておりますので、情報については常にアップデートしていただくことが重要ですが、自社においてそこまで手が回らない、公表されている内容が良く理解できない等必要に応じて、専門家までご相談いただくことをお勧めいたします。

最新の裁判例その1

2023-10-28

事業者にとって広告は消費者に対して自社の商品等の魅力を伝えるための重要な方法ですが、行き過ぎた広告表示を行う場合、景表法違反として措置命令等が下されることがあります。

本日は、オンラインゲームにおいて事業者が行った表示が問題となったケースをご紹介いたします(東京地判令和4年2月3日(LLI/DB(判例秘書登載)))。

1 事案の概要

Yが運営管理していた、大規模多人数同時参加型オンラインロールプレイングゲームであるAに係るサービスの会員であったXが、

①Yは、本件サービスに係る利用規約に則った適切な運営管理を怠り、その杜撰な運営管理によって、Xが不当なストレスを受けて精神的外傷を負った、

②また、Xは、Yが当該利用規約に則った適切な運営管理を行うものと誤信して本件ゲームに課金したものであり、当該利用規約は景表法5条1号のいわゆる優良誤認表示又は詐欺に当たる、

などと主張して、Yに対して不法行為に基づく損害賠償を求めた事案である。

2 裁判所の判断

①規約及び「ルールとマナー」の規定に鑑みれば、会員のある行為がハラスメント行為等の禁止事項に該当するか否かの判断、及びその行為が禁止事項に該当すると判断した場合にいかなる措置を講ずるか否かの判断は、いずれもYの合理的な裁量に委ねられている

②本件各通報に対するYの本件各対応に係る判断は、いずれも合理的な裁量の範囲を逸脱するものとはいえないから、本件各対応は、規約及び「ルール及びマナー」に則った適切なものと認めるのが相当である。

3 広告表示に関する規制についてはご注意ください

インターネットやSNSの発展に伴い、広告表示の方法は多種多様なものが登場しております。それに伴い、広告表示に関する規制も新たに様々な内容で設けられており、また、新たに検討もされております。

少し前までは問題なく行うことができた広告表示であっても、違法な広告表示となる場合もありますので、広告表示の方法が適切に行うことができるかどうかについては日常的に注意をすることが必要です。

消費者庁等のHPにおいて適宜情報は公開されておりますので、情報については常にアップデートしていただくことが重要ですが、自社においてそこまで手が回らない、公表されている内容が良く理解できない等必要に応じて、専門家までご相談いただくことをお勧めいたします。

事業者による表示内容の決定

2023-10-24

ステルスマーケティングについては、令和5年10月1日から景表法において規制対象とりました。

要するに、事業者が、一般消費者が事業者の表示であることを分からないような形で自社の商品等の広告表示をすることが禁止されるようになったということですが、実際問題としてどのようなケースが問題となるかを線引きすることはなかなか難しいといえます。

本日は、消費者庁が公表する資料を踏まえてご説明いたします。

1 『事業者が表示内容の決定に関与した』といえるかどうか

事業者が自社のウェブサイトの一部において、第三者が行う表示を利用する場合であっても、以下の2点をクリアする場合には、『事業者が表示内容の決定に関与した』とは認められず、規制対象となるステルスマーケティングには該当しないと考えられています。

  • 当該第三者の表示を事業者が恣意的に抽出すること(例えば、実際には第三者のSNSの投稿から事業者に対してポジティブな意見のみを抽出しているにもかかわらず、そのような作為について一般消費者に判別困難な方法で表示すること。)をしないこと
  • 当該第三者の表示内容に事業者が変更を加えること(例えば、実際には当該第三者のSNSでは事業者の商品等に対してプラスの点、マイナスの点の両方を混ぜて記載してあるにもかかわらず、プラスの点のみを取り上げ、マイナスの点がないかのように表示すること)をせず、そのまま引用すること

もっとも上記のようなケースは実際には判断が難しい場合も多く、また、仮に法的には規制対象ではなかったとしても、企業に対するネガティブな評判を招いてしまうリスクもありますので、慎重に対応することが必要です。

2 ステルスマーケティングにはご注意ください

ステルスマーケティングが景表法上の規制対象となったことは間違いありませんが、従前ステルスマーケティングと呼ばれていた広告表示の方法が全て規制対象となったわけではありませんので十分注意が必要です。

例えば、事業者が、インフルエンサー等の第三者に対して無償で商品等を提供してSNS等に投稿することを依頼するものの、インフルエンサー等の第三者が自主的な意思に基づき表示する場合については、従前からステルスマーケティングといわれている方法ではありますが、第三者が自主的な意思に基づき表示を行っていることから、景表法上は規制対象とはなりません。

難しい判断ではありますが、今後事業者としては、景表法上の規制対象となっているステルスマーケティングではない方法だから大丈夫と高を括ることなく、従前SNS等で炎上の対象となっていたステルスマーケティングについても十分に注意して実施することが重要と考えられます。

ステルスマーケティングには十分ご注意ください

2023-10-20

ステルスマーケティングについては、令和5年10月1日から景表法において規制対象とりました。

要するに、事業者が、一般消費者が事業者の表示であることを分からないような形で自社の商品等の広告表示をすることが禁止されるようになったということですが、実際問題としてどのようなケースが問題となるかを線引きすることはなかなか難しいといえます。

本日は、消費者庁が公表する資料を踏まえてご説明いたします。

1 『一般消費者が事業者の表示であることが不明瞭で分からないもの』の具体例

具体的には、以下のようなケースではステルスマーケティングとして問題となる可能性がありますので注意が必要です。

  • 事業者の表示であることが広告等において全く記載されていない場合
  • いわゆるアフィリエイト広告において、事業者の表示であることが全く記載されていない場合
  • 事業者による表示である旨について、広告内において部分的な表示にとどめている場合
  • 広告表示の冒頭において『広告』と記載する一方で、広告表示の文中に『第三者の感想』等と記載するなど、事業者が表示をおこなっていることが分かりにくい表示となっている場合
  • 動画において、視聴者である一般消費者が通常認識できないほど短い時間で、事業者の表示である旨を表示する場合
  • 一般消費者が事業者の表示であることを認識しにくい文言・場所・大きさ・色等の形式的な要素を踏まえた表示を行う場合
  • SNS等において、事業者の表示であることを大量のハッシュタグの中に表示する場合

2 ステルスマーケティングにはご注意ください

ステルスマーケティングが景表法上の規制対象となったことは間違いありませんが、従前ステルスマーケティングと呼ばれていた広告表示の方法が全て規制対象となったわけではありませんので十分注意が必要です。

例えば、事業者が、インフルエンサー等の第三者に対して無償で商品等を提供してSNS等に投稿することを依頼するものの、インフルエンサー等の第三者が自主的な意思に基づき表示する場合については、従前からステルスマーケティングといわれている方法ではありますが、第三者が自主的な意思に基づき表示を行っていることから、景表法上は規制対象とはなりません。

難しい判断ではありますが、今後事業者としては、景表法上の規制対象となっているステルスマーケティングではない方法だから大丈夫と高を括ることなく、従前SNS等で炎上の対象となっていたステルスマーケティングについても十分に注意して実施することが重要と考えられます。

ステルスマーケティングの具体例

2023-10-16

令和5年10月1日から、いわゆるステルスマーケティングが景表法に違反することとなります。

これまで、SNSの投稿やレビューサイトの口コミ等において、ステルスマーケティングが利用されることも多くありましたが、今後はこのようなマーケティング方法は違法となりますので、くれぐれもご注意ください。

1 規制対象外となる具体例

景表法5条3号に基づく告示としてステルスマーケティングが不当表示として指定されましたが、具体的には、

「事業者が自己の供給する商品又は役務の取引について行う表示であって、一般消費者が当該表示であることを判別することが困難であると認められるもの」

がステルスマーケティングとして規制対象となります。

しかしながら、広告である旨が一般消費者から見て分かりやすい表示になっているもの等、一般消費者にとって事業者の表示であることが社会通念上明らかなものは、告示の規制対象外です。

例えば、以下のような場合には告示の規制対象外となると考えられております。

①「広告」、「宣伝」、「PR」といったSNS等で広く一般に利用されている文言による表示を明瞭に行う場合

②「X社から提供を受けて投稿している。」等のように文章による表示を明瞭に行う場合

③テレビCMのように、広告と番組が切り離されている表示を行う場合

④商品等の紹介自体が目的である雑誌やその他の出版物における表示を行う場合

⑤社会的な立場や職業等から、事業者の依頼を受けて広告宣伝していることが社会通念上明らかな者を通じて、事業者が表示を行う場合

⑥事業者自身のSNSアカウントを通じて表示を行う場合

2 広告表示に関する規制についてはご注意ください

インターネットやSNSの発展に伴い、広告表示の方法は多種多様なものが登場しております。それに伴い、広告表示に関する規制も新たに様々な内容で設けられており、また、新たに検討もされております。

少し前までは問題なく行うことができた広告表示であっても、違法な広告表示となる場合もありますので、広告表示の方法が適切に行うことができるかどうかについては日常的に注意をすることが必要です。

消費者庁等のHPにおいて適宜情報は公開されておりますので、情報については常にアップデートしていただくことが重要ですが、自社においてそこまで手が回らない、公表されている内容が良く理解できない等必要に応じて、専門家までご相談いただくことをお勧めいたします。

『事業者の表示』の該当性

2023-10-11

令和5年10月1日から、いわゆるステルスマーケティングが景表法に違反することとなります。

これまで、SNSの投稿やレビューサイトの口コミ等において、ステルスマーケティングが利用されることも多くありましたが、今後はこのようなマーケティング方法は違法となりますので、くれぐれもご注意ください。

1 規制対象となるステルスマーケティングの具体例

景表法5条3号に基づく告示としてステルスマーケティングが不当表示として指定されましたが、具体的には、

「事業者が自己の供給する商品又は役務の取引について行う表示であって、一般消費者が当該表示であることを判別することが困難であると認められるもの」

がステルスマーケティングとして規制対象となります。

ただし、『事業者の表示』には該当しない場合には、規制対象とはなりません。

(1)『事業者の表示』の該当性の判断要素

規制対象となる『事業者の表示』に該当するかどうかの判断要素としては以下の要素を踏まえて総合的に判断するものとされております。

①事業者と第三者の間において、表示内容に関してどのような情報のやり取りがあったか

②第三者が表示する表示内容に関する依頼や指示の有無

③事業者から第三者への対価の提供の有無

④事業者と第三者の関係性、具体的には表示内容の決定に関与できる程度の関係があるのかどうか

(2)『事業者の表示』には該当しないケース

①事業者が、第三者に対して無償で商品又は役務を提供してSNS等への投稿を依頼するが、

当該第三者が自主的な意思に基づき表示する場合

②事業者が自社の商品のレビューを書いた購入者に対して、レビューの謝礼として割引クーポン等を配布する場合、購入者が自主的な意思に基づき表示内容を決定した場合

2 広告表示に関する規制についてはご注意ください

インターネットやSNSの発展に伴い、広告表示の方法は多種多様なものが登場しております。それに伴い、広告表示に関する規制も新たに様々な内容で設けられており、また、新たに検討もされております。

少し前までは問題なく行うことができた広告表示であっても、違法な広告表示となる場合もありますので、広告表示の方法が適切に行うことができるかどうかについては日常的に注意をすることが必要です。

消費者庁等のHPにおいて適宜情報は公開されておりますので、情報については常にアップデートしていただくことが重要ですが、自社においてそこまで手が回らない、公表されている内容が良く理解できない等必要に応じて、専門家までご相談いただくことをお勧めいたします。

規制されるステルスマーケティングの例

2023-10-06

令和5年10月1日から、いわゆるステルスマーケティングが景表法に違反することとなります。

これまで、SNSの投稿やレビューサイトの口コミ等において、ステルスマーケティングが利用されることも多くありましたが、今後はこのようなマーケティング方法は違法となりますので、くれぐれもご注意ください。

1 規制対象となるステルスマーケティングの具体例

景表法5条3号に基づく告示としてステルスマーケティングが不当表示として指定されましたが、具体的には、

「事業者が自己の供給する商品又は役務の取引について行う表示であって、一般消費者が当該表示であることを判別することが困難であると認められるもの」

がステルスマーケティングとして規制対象となります。

具体例としてガイドライン上公表されているものをご紹介いたします。

(1)事業者が第三者になりすまして行う表示

例えば、以下の内容が対象となります。

①商品の販売担当者が販売を促進するため、または、自社商品の認知度をあげるために商品の画像や文章をSNSに投稿する場合

②商品の販売担当者が販売を促進する目的で自社商品の品質や性能の優良さについて投稿する場合

③商品の販売担当者が他者の競合商品を自社の商品と比較して性能が劣っているなどコメントをSNS等に投稿する場合

(2)事業者が明示的に依頼・指示をして第三者に表示させた場合

例えば、以下の内容が対象となります。

①時事業者がインフルエンサーに商品の特徴などを伝えた上で、インフルエンサーがそれに沿った内容をSNS等に投稿する場合

②ECサイトに出店する事業者が、不正レビューを集めるブローカーや自社商品の購入者に依頼し、自社商品について、評価を上げるようなレビューを投稿させる場合

③事業者がアフィリエイト広告を使う際に、アフィリエイターに委託して自らの商品を表示させる場合

④事業者が他の事業者に依頼して、競合事業者の商品等について、自社の商品等と比較して低い評価を投稿をさせる場合

2 広告表示に関する規制についてはご注意ください

インターネットやSNSの発展に伴い、広告表示の方法は多種多様なものが登場しております。それに伴い、広告表示に関する規制も新たに様々な内容で設けられており、また、新たに検討もされております。

少し前までは問題なく行うことができた広告表示であっても、違法な広告表示となる場合もありますので、広告表示の方法が適切に行うことができるかどうかについては日常的に注意をすることが必要です。

消費者庁等のHPにおいて適宜情報は公開されておりますので、情報については常にアップデートしていただくことが重要ですが、自社においてそこまで手が回らない、公表されている内容が良く理解できない等必要に応じて、専門家までご相談いただくことをお勧めいたします。

ステルスマーケティングは規制対象となります

2023-10-02

令和5年10月1日から、いわゆるステルスマーケティングが景表法に違反することとなります。

これまで、SNSの投稿やレビューサイトの口コミ等において、ステルスマーケティングが利用されることも多くありましたが、今後はこのようなマーケティング方法は違法となりますので、くれぐれもご注意ください。

1 規制対象となるステルスマーケティング

景表法5条3号に基づく告示としてステルスマーケティングが不当表示として指定されましたが、具体的には、

「事業者が自己の供給する商品又は役務の取引について行う表示であって、一般消費者が当該表示であることを判別することが困難であると認められるもの」

がステルスマーケティングとして規制対象となります。

ここでのポイントの1つが、『事業者の表示であること』となりますが、いくつか注意点があります。

①まず、客観的な状況に基づき、第三者の自主的な意思による表示内容と認められる場合は、事業者の表示とは認められず告示の規制対象外となります。 

②次に、事業者の表示とは、自らが作成して表示する場合に加えて、事業者自身が表示を直接作成せずに、第三者に表示の作成を依頼・指示する場合であっても事業者の表示となる場合があります。

また、一般消費者が表示を見て、『事業者の表示であること』が明瞭となっているかどうかについては、表示内容全体から判断されることになりますが、具体的な判断においては、表示上の『特定の』文章、図表、写真などから一般消費者が受ける印象・認識ではなく、表示『内容全体』から一般消費者が受ける印象・認識が基準となるとされております。

2 広告表示に関する規制についてはご注意ください

インターネットやSNSの発展に伴い、広告表示の方法は多種多様なものが登場しております。それに伴い、広告表示に関する規制も新たに様々な内容で設けられており、また、新たに検討もされております。

少し前までは問題なく行うことができた広告表示であっても、違法な広告表示となる場合もありますので、広告表示の方法が適切に行うことができるかどうかについては日常的に注意をすることが必要です。

消費者庁等のHPにおいて適宜情報は公開されておりますので、情報については常にアップデートしていただくことが重要ですが、自社においてそこまで手が回らない、公表されている内容が良く理解できない等必要に応じて、専門家までご相談いただくことをお勧めいたします。

健康食品の広告表示にはご注意ください

2023-09-27

健康志向の方も非常に多くなり、健康食品は巷にあふれている状況です。

健康食品の販売事業者は、自社の商品に自信をもって消費者に対して訴求しようと考えることが通常ですが、競争が厳しくなればなるほど、その広告表示が行き過ぎたもの、法令に違反したものとなりがちですので注意が必要です。

本日は健康食品の広告表示に関してご紹介いたします。

1 健康食品では医薬品的な効能効果を標榜してはいけません

医薬品の効能効果を謳う場合には、薬機法上の医薬品とみなされることになります。

そのため、外観や形状等から明らかに食品と認識されるものを除き(明らか食品などと呼称されます。例えば、生の野菜などです。)、医薬品等の承認を受けずにその名称や製造方法、効能効果に関する広告をすることは禁止されております(薬機法68条)。

たまに、実際の効能効果を謳っている以上問題ないはずだというように勘違いされている事業者の方もおりますが、記載する効能効果が真実であるか虚偽であるかは関係なく、医薬品の効能効果を謳うこと自体が禁止されているということですので十分注意する必要があります。

2 広告表示について懸念点がある場合には一度弁護士にご相談ください

昨今はインターネットの普及によって、違法な行為が発覚した場合には瞬く間に拡散してしまうため、安易な広告表示にはリスクがあると言わざるを得ません。

特に健康食品等、非常に敏感な消費者が多い分野に関しては、規制対象となる広告表示を行うことは消費者心理という意味でも絶対に避けなければなりません。

また、法的な側面としても、違法な広告表示に関しては措置命令や課徴金納付命令といった行政処分も含めた厳しい対応がなされてしまいます。

また、顧客に商品やサービスを訴求するために行う広告表示によって、逆に顧客に悪い印象をもたれてしまうと本末転倒となります(健康食品のような分野においては、一度消費者が離れてしまうと、再び興味を持ってもらうことは基本的には不可能であると考えた方が良いとすらいえるところです。)。

このようなリスクを避けるためにも、懸賞等に関する規制に関して少しでもご心配な点等ございましたら、予防法務の一環としてまずは弁護士にご相談いただくことをお勧めいたします。

弊事務所は、景表法や薬機法等広告表示に関するトラブルを幅広く取り扱っておりますので、お気軽にご相談いただけますと幸いです。

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