ビフォーアフター写真(使用前後写真)は掲載可能か?化粧品・健康食品・美容機器における「効能保証」の境界線

「論より証拠」として、広告で最も強力な説得力を持つのがビフォーアフター(使用前・使用後の比較)写真です。しかし、薬機法(旧薬事法)の世界では、この手法は「効能効果の保証」にあたるとして、原則として厳しく規制されています。

「インスタで見かけるから大丈夫だろう」と安易に掲載すると、行政指導の対象になります。では、どこまでなら許されるのでしょうか?

1 化粧品:原則NG、例外あり

薬機法の適正広告基準では、化粧品の効能効果に関するビフォーアフター写真の掲載は「原則禁止」されています。

「シミが消えた」「シワが伸びた」「肌が白くなった」といった写真は、たとえ事実であっても、すべての人に同様の効果があるかのような誤解(効能の保証)を与えるためNGです。

ただし、以下の場合は認められています。

①メーキャップ効果:ファンデーションでシミを隠す、口紅で色を変える、二重のりで二重にするなど、物理的な変化を見せる場合。

②汚れ落ち(洗浄):洗顔料やシャンプーで、肌や髪の汚れが落ちた様子を見せる場合(ただし、肌質改善までは言えません)。

2 健康食品(ダイエット):条件付きOK

いわゆる「置き換えダイエット」などで、「-10kg達成!」といった写真を使うケースです。 健康食品自体に「痩せる効果」を謳うことは薬機法違反ですが、「適切な食事制限と運動を併用した結果」として事実を掲載することは、景品表示法の観点から一定の条件を満たせば可能です。

必須条件としては、

①客観的な実証データがあること:捏造ではないこと。

②「本品の効果ではありません」等の注釈では不十分:運動や食事制限が主因であることを明確に打ち出す必要があります。

③成功例だけでなく平均的な結果も示すこと:稀な成功例だけを載せることは優良誤認となります(打消し表示の問題)。

3 美容機器:医療機器との区別

家庭用の美顔器や脱毛器(雑品)において、「リフトアップした」「毛が生えてこなくなった」という写真を使うことは、医療機器的な効果の標榜となり、薬機法違反(未承認医療機器の広告)となるリスクが高いです。 あくまで「汚れが落ちた」「キメが整った」程度に留める必要があります。

ビフォーアフターは、消費者庁も監視を強化しているポイントです。掲載する際は、キャプション(説明文)の言葉選びも含めて、慎重なリーガルチェックが必要です。

keyboard_arrow_up

0358774099 問い合わせバナー 無料法律相談について