健康増進法に基づく勧告事例

健康食品には様々な種類があり、また全国各地で様々な形で販売されておりますので、健康食品を摂取したことがある方は非常に多いのではないでしょうか。

健康食品と言っても法的な定義が存在するわけではなく、保健機能食品に該当しない場合には、単なる食品と同等の扱いとなりますので、その広告表示には大幅な制限が存在します。

景品表示法や健康増進法等の広告規制が代表的なものですが、本日は平成28年に健康増進法に基づく勧告がなされた事案をご紹介いたします。

1 事案の概要

A社は、特定保健用食品を販売するに際して、以下のような広告表示を行いました。

①本件商品についてのヒト試験結果のグラフとともに、「臨床試験で実証済み!これだけ違う、驚きの『血圧低下作用』。」

②「50・60・70・80代の方に朗報!」、「毎日、おいしく血圧対策。」、「“薬に頼らずに、食生活で血圧の対策をしたい”そんな方々をサポートしようとAが開発した●。」

しかしながら、実際にA社が許可を取得した内容は、「本品は食酢の主成分である酢酸を含んでおり、血圧が高めの方に適した食品です。」という内容にとどまり、血圧低下作用という表現を使用することまでの許可を得ていなかったほか、血圧低下作用についても当該食品を摂取しただけで当該効果が認められるようなものではありませんでした。

特定保健用食品として許可を受けた内容とは異なる内容を広告表示するとともに、その効果についても客観的な裏付けがあるようなものではないということで、典型的な虚偽誇大表示に該当するようなケースといえます。

事業者としては、何らからの裏付けがあると考えていた可能性はありますが、明確に法規制に違反しておりますので、このような形での広告表示は許容されません。

2 健康食品の広告表示にはご注意ください

様々な栄養要素を便利に摂取することができるということで、健康食品を利用する消費者は年々に増加しております。

消費者に対して商品に魅力をアピールしたいという気持ちは分かりますが、法規制に違反する広告表示を行うことはできません。

昨今インターネットの発展で、仮に広告規制に違反する商品であると判断されてしまった場合には、消費者から悪徳業者等とネガティブな評価を下されることは避けられませんし、インターネット上で長期間にわたりそのような評判が残ってしまいます。

このような事態を避けるためにも、広告規制に関して不明な点や不安な部分がある場合には事前に弁護士等にご相談いただくことをお勧めいたします。

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