婦人靴の原材料の虚偽記載について

1 婦人靴の原材料の虚偽記載について

婦人靴の原材料に虚偽記載があったケースについて、措置命令の対応がとられた事案をご紹介いたします(平成22年6月24日付措置命令)。

事案の概要としては、婦人靴を販売していた事業者が、自社の商品販売用のウェブサイト上で、原材料について「ムートン」、「素材羊革」等との記載を掲載していました。

しかしながら、実際には、原材料としては、革には牛革が、靴の内側の毛状のものにはアクリル繊維が用いられているが判明しました。

このような広告表示について、景品表示法が禁止する優良誤認表示に該当するとして措置命令が取られました。

商品をより魅力的なものとして消費者に訴求するために試行錯誤をすることはよくありますが、その工夫が行き過ぎると、一般消費者に意図的に誤解を生じさせるものとして違法なものとなります。

ムートンや羊皮といった高級素材を使用していることを標榜すれば、一般消費者には強く訴求することが出来ますが、実際には素材としてはより大衆的な牛革やアクリル繊維が使用されているにとどまっていたとのことで、このような事実を知っていれば、一般消費者の消費者行動は大きく異なるものと考えられますので、本ケースが優良誤認表示として違法な広告表示であることに異論はないでしょう。

なお、仮に業界の慣行としてこのような表示がなされていたとしても、そのような観光は一般消費者には関係ありませんし、そもそも一般消費者に誤解を生じさせることが問題の本質ですので、いわゆる「業界の慣行」は、優良誤認表示に該当するかどうかの判断においては考慮されない点には十分注意する必要があります。

2 商品の広告表示の正確かどうか、リーガルチェックをすることをお勧めいたします

最近のインターネットやSNSの利用状況を踏まえますと、商品やサービスに関する広告表示が景品表示法等の法令違反であった等と指摘された場合、その情報は瞬く間にSNS等で拡散してしまいます。

また婦人靴など身に着けるものである場合には、その傾向は強く、当然のことではありますが、仮に悪い評判が立った場合には、当該商品やサービスの販売などに直接的な影響が発生することはもちろん、その他の食品関連の商品や、ひいては会社全体の資質などに関しても悪い評判が広まってしまうと考える必要があります。

このようなリスクを避け、円滑なビジネスの運営を維持することが重要であり、広告表示については正確な表示を心がけるとともに、第三者の視点を踏まえるという意味でも、日常的な業務の一つとしてリーガルチェックを実施していただくことをお勧めいたします。

弊事務所は、広告法務やインターネットトラブル等を含む企業法務を幅広く取り扱っておりますので、お力になれること等ございましたら、お気軽にお問合せいただけますと幸いです。

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