Archive for the ‘発信者情報開示請求関連’ Category

匿名での投稿は、実は匿名ではありません

2025-02-25

近年、SNSや匿名掲示板の普及により、気軽に個人的な意見や感想を書き込める環境が整っています。

その一方で、他人を傷つける誹謗中傷や名誉を毀損する投稿も後を絶たないのが現状です。匿名だからといって「自分は特定されない」と考える方も依然として多数おりますが、それは大きな誤解です。実際には、インターネット上で行った投稿は、法的手続きを経ることで投稿者の「特定」が可能である場合が多いです

そこで本日は、投稿者を特定する仕組みとその注意点等についてご説明します。

1 投稿者を特定する仕組み

①発信者情報開示請求

インターネット上の投稿には、通信事業者が割り当てた「IPアドレス」が紐づいています。

非常に簡単に言うと、IPアドレスは、投稿を行った端末が利用しているネットワークを示す番号であり、プロバイダ(通信事業者)に対し「発信者情報開示請求」という法的手続きを行うことで、そのIPアドレスから、契約者情報等を特定していくことになります。

②ログの追跡

SNSや匿名掲示板の運営会社は、ユーザーの投稿履歴やアクセス情報(ログ)を一定期間保存しています。

裁判所の命令を通じて、運営会社に対して当該ログの開示を求めることができます。このログ情報には、アクセス日時や利用端末、IPアドレスが記録されているため、これらを手がかりに発信者情報開示請求等を利用して投稿者の特定を行っていきます。

2 匿名でも責任は免れません

「匿名だから安心」、「削除すれば大丈夫」と軽く考えて誹謗中傷を書き込むことは危険です。

名誉毀損や侮辱罪などの違法行為が認められた場合、投稿者は民事上の損害賠償責任を負うだけでなく、刑事罰として罰せられる可能性もあります。インターネット上の書き込みは半永久的に残るリスクがあり、誰がいつ見つけるかも分かりません。

また、投稿の削除依頼が通ったとしても、ログやIPアドレスの履歴が残っている限り、法的手続きを通じて遡って特定されることがあるため、「削除すれば問題ない」という考え方は通用しません。

3 匿名でのインターネット上の投稿は現実世界での投稿と同じです

インターネット上の発言も、現実社会と同様に「発言には責任が伴う」ことを忘れてはいけません。匿名掲示板やSNSであっても、自分の発言が他人を傷つけたり社会的評価を下げたりする可能性がある以上、法的責任が問われることは当然です。

インターネットは便利なツールですが、一度の投稿が重大なトラブルや法的責任につながることもあります。気軽に投稿する前に、今一度「その言葉は誰かを傷つけないか」「自分が言われたらどう感じるか」と冷静に考える習慣を持つことが大切です。

誹謗中傷や不適切な投稿によるトラブルは後を絶ちませんが、法的手続きによって投稿者を特定し、適切な対処を行うことは可能です。インターネットは匿名であっても「責任から逃れられない世界」であることを、ぜひ覚えておいてください。

インターネットトラブルの概要~その3~

2024-12-27

インターネット上のトラブルと聞いて、どのようなトラブルを想定されるでしょうか。

2024年に弊事務所にご相談いただいたインターネット上のトラブルの内容としては、個人の方からのプライベートでのトラブルに絞りますと、①名誉毀損関連、②商標権や著作権等の不正ダウンロード(アップロード)を含む知的財産権侵害関連、③いわゆるロマンス詐欺といった詐欺被害関連、④SNSやゲームアカウントの乗っ取り被害関連、⑤インターネット上の広告表示に関する景表法や薬機法等に関連するご相談、が代表的なところです。

法人からのご相談や個人の方からの事業関連のご相談まで含めると、ご相談内容としてはより多くなります。

1 ③に関して

いわゆるロマンス詐欺も、非常に多く発生しております。

海外の相手とインターネット上のやり取りを一定期間継続し、仲良くなった後に相手から結婚を申し込まれるとともに、結婚資金として必要である等と相談されて大金を送金してしまうという流れが一般的な事例です。

被害者の方は皆さん相手方のことを信用しており、そのような心情に付け込んで大金を騙し取る犯罪ですので、非常に悪質といえます。

一度海外に送金してしまった場合には、取り戻すことはほぼ不可能であると考える必要がありますので、何よりもお金を振り込まないということに尽きます。

騙された方は皆さん、相手方とは動画通話を利用して何度も会っている、国連等の有名な期間に勤めている人だから信用できる、この前公的な証明書をみせてもらったから大丈夫、等といいますが、犯罪グループとして騙そうとしている以上、そのグループには老若男女問わず協力者がいますし、証明書等はいくらでも偽造した物をみせてきます。

相手を信じたい等の気持ちも分からなくはないですが、このような詐欺被害にあったことで、貯金をすべて失った人や、借金した結果人生を棒に振った方等を複数見てきておりますので、絶対に送金をせず、仮に送金をする場合には、事前に警察や銀行、弁護士等に相談をして、どこかで詐欺ではないかといわれた場合には絶対にお金を送金することがないようくれぐれもご注意ください。

2 インターネットトラブルが発生した場合には弁護士にご相談ください

自分としてはトラブルに巻き込まれている意識がない場合でも、上記のロマンス詐欺のように気付かないうちにトラブルに巻き込まれてしまっている場合はあります。

インターネット上のやり取りで少しでもおかしな部分が発生した場合には、自分だけでは考えず、弁護士にご相談いただくことをお勧めいたします。

インターネットトラブルの概要~その2~

2024-12-22

インターネット上のトラブルと聞いて、どのようなトラブルを想定されるでしょうか。

2024年に弊事務所にご相談いただいたインターネット上のトラブルの内容としては、個人の方からのプライベートでのトラブルに絞りますと、①名誉毀損関連、②商標権や著作権等の不正ダウンロード(アップロード)を含む知的財産権侵害関連、③いわゆるロマンス詐欺といった詐欺被害関連、④SNSやゲームアカウントの乗っ取り被害関連、⑤インターネット上の広告表示に関する景表法や薬機法等に関連するご相談、が代表的なところです。

法人からのご相談や個人の方からの事業関連のご相談まで含めると、ご相談内容としてはより多くなります。

1 ②に関して

商標権侵害や著作権侵害は、インターネット上で非常に問題となっており、海賊版被害等を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。

昨今は、特別なアプリや、bittorentをはじめとするファイル共有ソフト等を利用して非常に簡単に様々な著作物を(違法に)ダウンロードすることが可能となっておりますし、また、悪意等がなく、単に自分が読んで面白かった漫画を他の人にも教えてあげようという程度の気持ちで著作物をアップロードしてしまう場合もあります。

インターネット上には現状、様々な著作物がアップロードされていますが、不正にアップロードされているものも非常に多く存在します。そのようなデータをダウンロードしてしまうことも著作権法上問題となりえますので、データをダウンロード等する場合には注意が必要です。一つの目安としては、公式HP等以外のアプリやサイトを利用したデータのダウンロードは非常にリスクが高いものといわざるを得ません。中には適切に処理されたデータもあると思いますが、このようなアプリは違法なものが非常に多いということも一般的には当てはまりますので、公式HP等以外からデータをダウンロードする場合にはくれぐれもご注意ください。

2 インターネットトラブルが発生した場合には弁護士にご相談ください

インターネットトラブルは、いつ、どのような形で巻き込まれてしまうか分かりません。

本人が意図せずに加害者になってしまう場合もあり得ますし、何も悪いことはしていないにもかかわらず突然被害者となってしまうケースもあり得ます。 インターネットトラブルの対応は最初にどのように対応するかが重要である場合も多いですので、何かトラブルが発生した場合には、まずは弁護士にご相談いただき、どのように対応すべきを検討いただくことをお勧めいたします。

昨今のインターネットトラブルの概要~その1~

2024-12-17

インターネット上のトラブルと聞いて、どのようなトラブルを想定されるでしょうか。

2024年に弊事務所にご相談いただいたインターネット上のトラブルの内容としては、個人の方からのプライベートでのトラブルに絞りますと、①名誉毀損関連、②商標権や著作権等の不正ダウンロード(アップロード)を含む知的財産権侵害関連、③いわゆるロマンス詐欺といった詐欺被害関連、④SNSやゲームアカウントの乗っ取り被害関連、⑤インターネット上の広告表示に関する景表法や薬機法等に関連するご相談、が代表的なところです。

法人からのご相談や個人の方からの事業関連のご相談まで含めると、ご相談内容としてはより多くなります。

1 ①に関して

①に関しては、インターネット上で自分自身で問題のある投稿をしてしまったケースです。

特にインターネット上の名誉毀損、誹謗中傷といった問題は社会問題となっておりますので、ニュース等で聞いたことがある、又は実際に自分の体験としてそのようなトラブルに巻き込まれたことがあるといった方も多いのではないでしょうか。

自分自身で不用意な投稿等を行わなければ済む話ですので第三者からすれば、本人の不注意で片付けられてしまいそうな話ですが、実際にはニュースになるような非常に悪質なケースよりも、何気ない投稿で問題となってしまう場合の方が多いと言えます。

問題となると分かっていれば投稿しなかったような内容でも、投稿者からすれば問題とはならないと思っていたということですので不注意で済ませることができる問題ではありません。どのような投稿が法的に違法となるのか、ということについて、どこかで教わることはなく、それまでも人生経験などを踏まえて判断しますので、さらに事態は複雑といえます。では、どのようにすればよいのか、ということでは、やはりネガティブな話を投稿する場合には、十分に注意するということを徹底するほかないでしょう。

相手に対して否定的な内容の発言をすることは、それ自体が名誉毀損に該当する可能性が十分にあるということを前提に、そのような投稿については、細心の注意を払うことが肝要です。

2 インターネットトラブルが発生した場合には弁護士にご相談ください

個人の方も、法人の方も、昨今のインターネットの社会的な利用状況を踏まえますと、いつ、どのようなトラブルに巻き込まれてもおかしくない状況といえます。 トラブルが発生する前に予防しておくに越したことはありませんが、万一トラブルに巻き込まれてしまった場合には、速やかに弁護士にご相談いただき、どのような対応を取るのが最良であるかを検討いただくことをお勧めいたします。

フリーマーケットサービスにおける名誉毀損

2024-12-12

昨今インターネットの幅広い普及で、インターネットは老若男女問わず利用されております。

このような状況は、幅広い意見が提起されるという側面からは良いことですが、その一方で、安易な名誉毀損や誹謗中傷を含む様々な権利侵害が多数発生してしまっているという問題もあり、この問題は社会問題となっております。

本日は、この問題を考える際に参考となる裁判例(東京地判令和2年2月28日)をご紹介いたします(なお、ご紹介の都合上、概要の記載にとどめております。)。

1 事案の概要

インターネット上のフリーマーケットにおいて物品の販売を行っていた原告が、第三者が原告の姿勢や対応等に関して否定的な投稿等を繰り返し行ったことを踏まえて名誉権等を侵害されたものとして、アクセスプロバイダに対して発信者情報開示請求を行った事案です。

2 裁判所の判断

①本件書込みには原告の氏名等の記載はないこと、原告がAとして社会活動を行っていることが一般に周知されているとはいえないことからすると、本件書込みに接した一般読者が、Aのことを原告であると特定することは困難である。そうすると、本件書込みにより原告の社会的評価が低下したとはいえない。

②このような本件発信者が自己のプロフィール欄に、Aについての記載をしたとしても,これが原告の販売行為に影響を与えるとは考えにくく、現に、本件書込みによって原告の売上が減少したことを認めるに足りる証拠はない。よって、本件書込みにより、原告の業務が妨害されたことが明らかであるとはいえない。

上記裁判所の判断は妥当なものと考えられます。

裁判所としては、同定可能性の部分が認められないと判断をして名誉権侵害については認められないと判断をした上で、業務妨害についても否定しており、本件では権利侵害が認められないとして発信者情報開示請求を棄却しました。

3 インターネット上での表現行為には十分ご注意ください

投稿した人物にとっては、公益目的での批判やそこまでにはいかずに単なる意趣返し、あるいは大したことない内容であり単なる感想に過ぎないという自覚のもとに行われたものであっても、客観的に見ると当人の社会的評価を下げるものである場合には名誉毀損に該当する表現となってしまいます。 インターネット上に何らかの投稿を行う場合には、まずはその投稿を行って問題となるかどうかを冷静に考えることが何よりも重要である点には再度ご注意ください。

コンシェルジュサービスへの不満と名誉毀損

2024-12-07

昨今インターネットの幅広い普及で、インターネットは老若男女問わず利用されております。

このような状況は、幅広い意見が提起されるという側面からは良いことですが、その一方で、安易な名誉毀損や誹謗中傷を含む様々な権利侵害が多数発生してしまっているという問題もあり、この問題は社会問題となっております。

本日は、この問題を考える際に参考となる裁判例(東京地判令和2年2月28日)をご紹介いたします(なお、ご紹介の都合上、概要の記載にとどめております。)。

1 事案の概要

コンシェルジュサービス等を行うことを目的とする原告が、第三者が原告の姿勢や対応等に関して否定的な投稿等を繰り返し行ったことを踏まえて名誉権等を侵害されたものとして、アクセスプロバイダに対して発信者情報開示請求を行った事案です。

2 裁判所の判断

①本件記載は、一般読者の普通の注意と読み方を基準とすれば、原告が、会員に対し、毎年定期的かつ継続的に給付される金銭である年金が将来受給される見込みがないのにこれがあるように誤信させて原告との会員契約を募った事実を摘示するものと理解できる。したがって、本件記事は、原告が詐欺等の犯罪行為を行っているとの印象を与えるものであり、原告の信用を毀損し、社会的評価を低下させる内容であると認められる。

②本件各記事が匿名で行われていることや、具体的な根拠が示されていないことなどの事情を併せ考慮すれば、本件各記事に公益目的があるとは考え難く,違法性阻却事由の存在をうかがわせる事情は存在しない。

上記裁判所の判断は妥当なものと考えられます。

会社の対応等を非難する場合でも、「詐欺会社」等と記載することは、度を越した表現であると言わざるを得ず、会社の対応の問題点などを指摘する場合でも使用する表現面には十分注意が必要です。

3 インターネット上での表現行為には十分ご注意ください

投稿した人物にとっては、公益目的での批判やそこまでにはいかずに単なる意趣返し、あるいは大したことない内容であり単なる感想に過ぎないという自覚のもとに行われたものであっても、客観的に見ると当人の社会的評価を下げるものである場合には名誉毀損に該当する表現となってしまいます。 インターネット上に何らかの投稿を行う場合には、まずはその投稿を行って問題となるかどうかを冷静に考えることが何よりも重要である点には再度ご注意ください。

会社の対応への不満と名誉毀損

2024-12-02

昨今インターネットの幅広い普及で、インターネットは老若男女問わず利用されております。

このような状況は、幅広い意見が提起されるという側面からは良いことですが、その一方で、安易な名誉毀損や誹謗中傷を含む様々な権利侵害が多数発生してしまっているという問題もあり、この問題は社会問題となっております。

本日は、この問題を考える際に参考となる裁判例(東京地判令和2年1月29日)をご紹介いたします(なお、ご紹介の都合上、概要の記載にとどめております。)。

1 事案の概要

個人及び団体に対しての身辺警備請負等を目的とする会社を営む原告が、第三者が原告の姿勢や言動等に関して否定的な投稿等を繰り返し行ったことを踏まえて名誉権等を侵害されたものとして、アクセスプロバイダに対して発信者情報開示請求を行った事案です。

2 裁判所の判断

①本件各投稿は、一般の閲覧者に対し、原告が労務管理を行う立場にあることを利用してパワーハラスメントを行っているとの印象及び原告会社がそのような人物に労務管理を担わせているとの印象を与えるものであるから、原告らの社会的評価を低下させるものである。

②証拠上、本件各記事に摘示された上記各事実は真実ではないことが認められるから、違法性阻却事由の存在をうかがわせる事情はないといわざるを得ない。

上記の裁判所の判断に関しては、妥当なものと考えられます。

会社の対応等に不満がある場合において、当該会社を非難することは自由ではありますが、度を超すと違法行為となってしまいます。少なくとも、客観的な事実に基づく批判をすべきであり、客観的な事実に基づかない投稿ということは、基本的には適法になる余地はありません。何かを批判する場合には、度を超した表現を使ってはならないことは当然ですが、そもそも客観的な事実に基づくものかどうか、という点にも注意する必要があります。

3 インターネット上での表現行為には十分ご注意ください

投稿した人物にとっては、公益目的での批判やそこまでにはいかずに単なる意趣返し、あるいは大したことない内容であり単なる感想に過ぎないという自覚のもとに行われたものであっても、客観的に見ると当人の社会的評価を下げるものである場合には名誉毀損に該当する表現となってしまいます。 インターネット上に何らかの投稿を行う場合には、まずはその投稿を行って問題となるかどうかを冷静に考えることが何よりも重要である点には再度ご注意ください。

学校法人経営者に対する名誉毀損

2024-11-27

昨今インターネットの幅広い普及で、インターネットは老若男女問わず利用されております。

このような状況は、幅広い意見が提起されるという側面からは良いことですが、その一方で、安易な名誉毀損や誹謗中傷を含む様々な権利侵害が多数発生してしまっているという問題もあり、この問題は社会問題となっております。

本日は、この問題を考える際に参考となる裁判例(東京地判令和2年1月17日)をご紹介いたします(なお、ご紹介の都合上、概要の記載にとどめております。)。

1 事案の概要

学校法人を営む原告が、第三者が当該学校内でのトラブルに対する原告の姿勢等に関して否定的な投稿等を繰り返し行ったことを踏まえて名誉権等を侵害されたものとして、アクセスプロバイダに対して発信者情報開示請求を行った事案です。

2 裁判所の判断

①一般の読者の通常の注意と読み方を基準に判断すれば、本件投稿は、読み手に対し、学校長、学年主任及び担任教師が、反省や謝罪をしない加害者に適切な処分をしていないのであって、この学校では、校内で起きた問題行動について適切な対応がなされないという印象を与えるものである。

②本件回答では、診断書等、本件投稿にかかる事実に関して、これに沿う内容の一定の客観的資料が添付されていることに加え、本件投稿にかかる事実が真実であるか否かについて明確な主張をしない原告の訴訟態度も踏まえれば、本件投稿において摘示された事実は真実であると認めるのが相当である。

上記の裁判所の判断に関しては、学校側としては納得のいくものではなかったものと思われます。

学校内部で発生した生徒間のトラブル等についてどのように対応したのか、その対応はどのように評価されるのかといったことは、当該学校の社会的評価に直結するものですので、学校側として注意して取り扱いを行っている所でしょうが、学校側の対応を批判する投稿がなされたとしても、必ずしも名誉権を侵害するものとはなりません。学校の社会的役割等を踏まえてケースバイケースで判断されるということです。

3 インターネット上での表現行為には十分ご注意ください

投稿した人物にとっては、公益目的での批判やそこまでにはいかずに単なる意趣返し、あるいは大したことない内容であり単なる感想に過ぎないという自覚のもとに行われたものであっても、客観的に見ると当人の社会的評価を下げるものである場合には名誉毀損に該当する表現となってしまいます。 インターネット上に何らかの投稿を行う場合には、まずはその投稿を行って問題となるかどうかを冷静に考えることが何よりも重要である点には再度ご注意ください。

会社の会長に対する名誉毀損

2024-11-22

昨今インターネットの幅広い普及で、インターネットは老若男女問わず利用されております。

このような状況は、幅広い意見が提起されるという側面からは良いことですが、その一方で、安易な名誉毀損や誹謗中傷を含む様々な権利侵害が多数発生してしまっているという問題もあり、この問題は社会問題となっております。

本日は、この問題を考える際に参考となる裁判例(東京地判令和2年1月17日)をご紹介いたします(なお、ご紹介の都合上、概要の記載にとどめております。)。

1 事案の概要

医薬品や化粧品等の製造販売をする株式会社を営む原告が、第三者がインターネット上の匿名掲示板において原告が違法行為を行っているかのような投稿等を繰り返し行ったことを踏まえて名誉権等を侵害されたものとして、アクセスプロバイダに対して発信者情報開示請求を行った事案です。

2 裁判所の判断

①当該会社を就職先の1つと考える閲覧者等にとっても、その会長である原告がどのような人物であるかは独自の関心事であると考えられ、当該投稿部分は、その原告の所業に関する内容からして、原告個人について独自にその社会的評価を低下させるものというべきである。

②公共の利害に関する事実に係る行為は、特段の事情のない限り、公益目的で行われたものと推認されるところ、本件投稿に係る記事の内容からすれば、投稿姿勢に著しく真摯性を欠くとか私怨を晴らしたり私利私欲を追求したりする意図があることを窺わせるような特段の事情は見当たらない。

上記の裁判所の判断に関しては、被害者側としては納得のいくものではなかったものと思われます。

会社の代表者に関する投稿については、会社への社会的評価とも相まって、どこまでが公共性がある投稿といえるのか、といった問題があり、ケースバイケースの判断とならざるを得ません。

3 インターネット上での表現行為には十分ご注意ください

投稿した人物にとっては、公益目的での批判やそこまでにはいかずに単なる意趣返し、あるいは大したことない内容であり単なる感想に過ぎないという自覚のもとに行われたものであっても、客観的に見ると当人の社会的評価を下げるものである場合には名誉毀損に該当する表現となってしまいます。 インターネット上に何らかの投稿を行う場合には、まずはその投稿を行って問題となるかどうかを冷静に考えることが何よりも重要である点には再度ご注意ください。

セレクトショップ兼飲食店に対する名誉毀損

2024-11-17

昨今インターネットの幅広い普及で、インターネットは老若男女問わず利用されております。

このような状況は、幅広い意見が提起されるという側面からは良いことですが、その一方で、安易な名誉毀損や誹謗中傷を含む様々な権利侵害が多数発生してしまっているという問題もあり、この問題は社会問題となっております。

本日は、この問題を考える際に参考となる裁判例(東京地判令和元年5月16日)をご紹介いたします(なお、ご紹介の都合上、概要の記載にとどめております。)。

1 事案の概要

セレクトショップ兼飲食店を営む原告が、第三者がインターネット上の匿名掲示板において原告が違法行為を行っているかのような投稿等を繰り返し行ったことを踏まえて名誉権等を侵害されたものとして、アクセスプロバイダに対して発信者情報開示請求を行った事案です。

2 裁判所の判断

①一般の閲読者の理解と読み方からすれば、本件記事は、原告の経営する店舗において性的サービスを提供しているか、アダルトソフトを販売しているものとの事実を摘示するものであり、一般の閲読者をして、上記店舗が性風俗関連の店舗であるとの印象を与え、その社会的評価を低下させるものであるといえ、もってその経営者である原告の名誉権を侵害するものというべきである。

②一般の閲読者の理解と読み方からすれば、本件記事は、原告が上記のように多数の異性との性的関係をもっており、貞操観念に問題があるか、性的にみだらである人物であるとの印象を与え、その社会的評価を低下させるものであるというべきである。

上記の裁判所の判断に関しては、妥当なものといえます。

事業内容について、具体的な事実を指摘するものである以上、単なる勘違いだったでは済まされず、投稿内容によっては名誉権を侵害する違法な誹謗中傷行為に該当してしまいます。

基本的なことですが、改めて留意する必要があります。

3 インターネット上での表現行為には十分ご注意ください

投稿した人物にとっては、公益目的での批判やそこまでにはいかずに単なる意趣返し、あるいは大したことない内容であり単なる感想に過ぎないという自覚のもとに行われたものであっても、客観的に見ると当人の社会的評価を下げるものである場合には名誉毀損に該当する表現となってしまいます。 インターネット上に何らかの投稿を行う場合には、まずはその投稿を行って問題となるかどうかを冷静に考えることが何よりも重要である点には再度ご注意ください。

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