他者のプライバシーに配慮した投稿を心がけましょう

本日は、SNSや匿名掲示板などにおいて行った投稿が、プライバシー権侵害に該当するリスクについて、具体的な事例を交えながらご説明します。

1 プライバシー権とは?

プライバシー権は、個人の私生活上の情報を他人から干渉されないことを指します。

現在の日本の法律では、明確な「プライバシー権」を規定する法律は存在しませんが、憲法13条に基づく幸福追求権や民法上の不法行為に基づいて保護されています。

プライバシー権の侵害は、第三者が本人の同意なく、私生活上の事実や個人情報を公表した場合に成立する可能性があります。特に、インターネット上の投稿は半永久的に残り、拡散されやすいため、その影響は重大です。

2 具体的な事例

以下は、過去に問題となった事例を元に、プライバシー権侵害が発生する状況を説明します。

①事例1 匿名掲示板での個人情報の暴露
ある匿名掲示板において、特定の個人に関する情報(本名、住所、職場、家族構成など)が投稿されました。この情報は、投稿者が被害者と個人的なトラブルを抱えていたために書き込まれたものですが、第三者によって拡散され、被害者は職場で嫌がらせを受ける事態に発展してしましました。
このような書き込みは、プライバシー権侵害に該当し、書き込み内容によっては、投稿者には名誉毀損罪や損害賠償責任が発生する場合もありますので、十分注意が必要です。

②事例2 SNSでの写真共有
SNS上で、友人同士の飲み会の写真を無断で投稿したところ、後になって写っていた一人が「この写真を公開してほしくなかった」と不快感を示しました。

写真には、会社の同僚が知られたくないプライベートな内容(例:交際関係)が含まれており、結果的にその同僚が職場で不利益を被ることになりました。

よくあるトラブルではありますが、本人の許可を得ずに写真を公開した場合、プライバシー権侵害として損害賠償請求の対象となる可能性がありますので、注意が必要です。

3 プライバシー権侵害がもたらすリスク

SNSや匿名掲示板における不用意な投稿は、以下のような深刻なリスクを招くことがあります。

①民事上の法的責任
被害者から損害賠償請求を受ける可能性があります。

特に名誉毀損や精神的苦痛による慰謝料は相当程度の金額になる場合があります。

②刑事上の法的責任
悪意ある投稿が侮辱罪や名誉毀損罪に該当する場合、刑事罰として罰金や懲役刑が科される可能性があります。

③社会的信用の失墜
投稿者自身が名誉毀損やプライバシー権を侵害する投稿が周囲に発覚することで、社会的信用を失い、就職や人間関係に悪影響を及ぼす可能性があります。

4 インターネット上の投稿にはご注意ください

SNSや匿名掲示板での投稿は手軽で便利な反面、プライバシー権侵害や名誉毀損といった法的責任が発生するリスクが伴います。

不用意な投稿が引き起こす問題は、投稿者本人にも重大な影響を及ぼす可能性があります。

インターネット上での行動には十分な注意を払い、他人の権利を侵害しないよう心がけましょう。何かお困りの際は、ぜひ弁護士にご相談ください。

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