名誉毀損の参考事例その2

SNSや匿名掲示板は、私たちが自由に意見を発信し、情報を共有できる便利なツールです。しかし、不用意な投稿が名誉毀損や誹謗中傷とみなされ、法的責任を問われるケースが後を絶ちません。

今回は、別の具体的な事例(実際の事例からは変更を加えております)をもとに、その危険性について考えてみましょう。

1 事例①個人の職業や経歴に対する誹謗中傷

ある医療関係者のDさんは、匿名掲示板に「資格を偽っている」「患者を騙している」といった投稿をされました。この投稿が拡散され、Dさんのクリニックには患者からの問い合わせや予約キャンセルが相次ぎ、経営に大きな打撃を受けました。

調査の結果、投稿者はかつてDさんとトラブルがあったEさんであることが判明。裁判所は、投稿内容が事実無根であり、Dさんの社会的評価を著しく低下させたと認定しました。最終的に、Eさんには300万円の損害賠償と投稿の削除命令が下されました。

2 事例②教育機関への根拠のない批判

ある小学校の教師Fさんは、SNSで「授業中に暴言を吐いている」「児童を叱責しすぎる」といった内容の投稿をされました。これらの投稿を見た保護者たちが学校に抗議を寄せ、Fさんの職務が妨げられる事態に発展しました。

学校側の調査で、これらの投稿は元職員Gさんによるものだと判明。GさんはFさんを個人的に嫌っていたため、このような投稿を繰り返していました。

裁判では、Gさんが事実と異なる内容を投稿してFさんを貶めたとして、50万円の損害賠償と謝罪文の公開が命じられました。

3 トラブルを招く不用意な投稿を避けるためのポイント

SNSや掲示板でのトラブルを避けるために、以下の点に注意しましょう。

①投稿前に冷静になる
感情的になっているときの投稿は誤解を招きやすいです。一度落ち着いてから内容を見直しましょう。

②匿名性を過信しない
匿名掲示板であっても、投稿者は特定される可能性があります。匿名性に頼りすぎないことが重要です。

③他者への配慮を忘れない
公開する投稿が他者を不快にさせたり、誤解を与えたりする内容でないか、第三者の視点で確認しましょう。

4 インターネット上の投稿にはくれぐれもご注意ください

SNSや匿名掲示板での不用意な投稿が、名誉毀損や誹謗中傷のトラブルを引き起こす可能性は決して低くありません。特に匿名性を盾にしても、法的な追及から逃れることは難しいのが現状です。

もし、投稿に関する問題でお困りの方や、名誉毀損の被害に遭った方は、早めに専門家にご相談ください。法的知識に基づく適切なアドバイスを受けることで、事態を解決する糸口が見つかるはずです。

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