1 問題となる投稿の基準について
「自分がSNSに投稿してしまった表現が、誹謗中傷に該当するかどうか、また、開示請求をされてしまうかどうか」といったご質問をいただくことが最近非常に多くなっております。
インターネット、ひいてはSNSの利用が非常に身近なものとなり生活の一部となっていることから、ちょっとしたことでもSNSに投稿することが日常となっており、自分としては何気ない発言が問題となることが非常に増えている印象です。
そもそも何が「誹謗中傷」に該当するかという定義は存在せず、また、法律上も誹謗中傷という表現はありません。
誹謗中傷と指摘される表現は、法律上は名誉棄損又は侮辱のいずれかに該当する可能性があることになります。
より具体的には、具体的な事実をあげている場合には名誉棄損、具体的な事実をあげない表現にとどまる場合には侮辱と考えることになります。
名誉棄損に該当するかどうかは、当該事実によって被害者とされる人物の社会的評価が低下するかどうかが判断基準となりますし、侮辱に該当するかどうかは社会通念上著しく相当性を欠く表現かどうかが判断基準となります。
実際の表現を踏まえて判断するしかありませんが、いずれにしても、ネガティブな表現を用いる場合には、名誉棄損や侮辱に該当する可能性は十分あると考え、SNS等の投稿には十分ご注意いただく必要があるでしょう。
2 インターネット上の投稿には十分ご注意ください
インターネットの利用においては、何気ない感覚でネガティブな内容の投稿をSNSや匿名掲示板上にしてしまうことが非常に多くあるというのが、残念ながら現在の利用の実情です。
インターネットの特性ともいえますが、簡単に自分の気持ち等を投稿することが可能である一方で、当該投稿が名誉棄損や侮辱等の違法行為に該当する場合には、損害賠償が課されることにつながりかねません。
また、そもそも名誉棄損や侮辱は刑事罰も規定されているものであり、犯罪に該当する可能性も非常に高い行為です。
「投稿者を特定することなんて不可能」、「少し発言しただけなので大事になんてなるわけない」等軽い気持ちで対応をすることは非常に危険です。
その一方で、権利者側が慰謝料等の名目で法外な金額を賠償金として請求してくることもありますので、慎重に対応することが重要であるということにも留意が必要です。 弊事務所は、インターネットトラブルを幅広く取り扱っておりますので、まずはお気軽にご相談ください。