イラストの無断転載にはご注意ください

1 他者が製作したイラストを無断転載した場合

まず、通常、イラストについては、製作者に著作権法上の著作権が認められることは特に異論はないものと思います。

しかしながら、イラストの内容が、他のイラストと類似している等を理由として、イラスト自体がオリジナルのものではない以上、著作権が認められることはないとの主張が行われる場合があります。

もちろん、イラスト自体が他者のイラストを完全に模倣したものと立証できる場合には当該主張も一考の余地はあるのですが、単に似ているというだけでこのような主張がなされることが多いのが実情です。

単に似ているというだけでは、当該主張は認められず、製作者に著作権が認められますので、無断で転載した場合には、製作者の著作権(複製権及び公衆送信権)が侵害されたものと判断される可能性が非常に高いので注意が必要です。

したがって、例えば、他者が製作し、SNS等で公開しているイラストを無断で転載した場合には、仮に、自分自身としてはそのイラストが他のイラストの模倣であり著作権侵害には該当しないと判断をしたとしても、実際には当該転載は著作権侵害に該当し、発信者情報開示請求が認められるほか、不法行為に基づく損害賠償請求の対象にもなります。

なお、SNS等で公開されているイラストについては、既に公開されている以上は転載しても問題ない等の考えをお持ちの方もおりますが、以上のとおり、違法なものとなりますので、仮に転載する場合には、適切に引用するように十分ご注意ください。

この点が問題となった裁判例としては、例えば、東京地判令和3年12月21日(LLI/DB 判例秘書登載)などがあり、実際に無断転載者に関する情報の開示がプロバイダに対して命じられております。

2 インターネット上の著作権侵害には十分ご注意ください

インターネットの利用においては、著作権侵害という意識がなく他者の著作権を侵害している場合が非常に多くあるというのが実情です。

インターネットの特性ともいえますが、簡単に複製や転載することが可能である一方で、著作権侵害をしてしまった場合には、非常に高額な損害賠償が課されることにつながりかねません。

また、そもそも著作権侵害は著作権法上刑事罰も規定されているものであり、犯罪に該当する可能性も非常に高い行為です。

仮に著作権侵害に該当する行為をしてしまった場合には、素直に権利者側に謝罪をし、適切な慰謝料や損害賠償をすることで、刑事事件等の大事にすることなく解決することが出来る場合も非常に多いのが実情です。

「侵害者を特定することなんて不可能」、「少し転載しただけなので大事になんてなるわけない」、「そもそもオリジナルのイラストを模倣したものである以上、著作権なんて認められるわけがない」等軽い気持ちで対応をすることは非常に危険です。

その一方で、権利者側が法外な金額を賠償金として請求してくることもありますので、慎重に対応することが重要であるということにも留意が必要です。

弊事務所は、著作権侵害を含めインターネットトラブルを幅広く取り扱っておりますので、まずはお気軽にご相談ください。

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