ネット上の喧嘩や炎上でよく見かける、「死ね」「消えろ」「ブス」「キモい」といった単純な暴言。言われた方は深く傷つきますが、こうした短い言葉だけで法律上の責任を問うことはできるのでしょうか?
結論から言うと、「言葉単体」での判断は難しく、前後の文脈や回数、執拗さによって「アウト(違法)」かどうかが決まります。
このページの目次
1 「受忍限度」という考え方
裁判所が違法性を判断する際、「受忍限度」という基準を使います。
これは「社会生活を送る上で、我慢すべき限界」のことです。ネット上の多少の言い争いは「お互い様」とされることもありますが、この受忍限度を超えた攻撃は違法となり得ます。
2 「死ね」「殺す」などの生命に関わる言葉
「死ね」という言葉は、単発であれば侮辱罪にとどまるケースが多いですが、執拗に繰り返されたり、精神的に追い詰められたりした場合は違法性が認められやすくなります。
さらに進んで「殺すぞ」「家に行って火をつけるぞ」といった具体的な危害の告知が含まれる場合は、「脅迫罪」が成立する可能性があります。これは名誉毀損や侮辱よりも重い罪であり、警察が緊急で動くケースもあります。
3 「ブス」「デブ」などの容姿に関わる言葉
容姿に対する誹謗中傷は、具体的な事実の摘示ではないため、主に「侮辱(名誉感情の侵害)」の問題となります。 一回言われただけでは法的措置が難しい場合もありますが、以下のようなケースでは違法と判断される可能性が高まります。
①執拗な繰り返し:何度も粘着質に投稿されている。
②拡散性:多くの人が見る掲示板やSNSで、タグ付けをして拡散させている。
③職業への影響:アイドルやモデルなど、容姿が業務に直結する人の場合、営業妨害として捉えられることもあります。
4 実際の裁判例の傾向
近年、ネット上の誹謗中傷に対する司法の判断は厳しくなっています。かつては「ネットは便所の落書きだから仕方ない」と軽視される風潮もありましたが、現在は「匿名であっても人格攻撃は許されない」という判断が主流です。
「バカ」の一言でも、それが数百回書き込まれれば、平穏な生活を害するとして不法行為と認定されるケースは十分にあります。
5 一人で悩まず、証拠を持って相談を
「これくらいの悪口で相談していいのかな?」と迷う必要はありません。 「死ね」「キモい」といった言葉の羅列であっても、それがあなたに恐怖や苦痛を与えているなら、それは立派な権利侵害です。
発信者情報開示請求を行うかどうかは、費用の対効果も含めて慎重に検討する必要がありますが、まずは専門家の意見を聞くことが解決への第一歩です。相手の投稿が消される前に、URLとスクリーンショットを保存してご相談ください。

有森FA法律事務所では、インターネット上の誹謗中傷や名誉毀損、プライバシー・著作権に関するトラブルなど、ネットにまつわる様々なお悩みに対応しています。スマートフォンやSNSが日常に溶け込んだ今、ネット上の問題は誰にとっても身近なリスクとなっています。東京都をはじめ全国からのご相談に対応しており、WEB会議によるご相談も可能です。ひとりで抱え込まず、まずはお気軽にご相談ください。
