昨今、機能性表示食品に関する問題が発生する等、保健機能食品に関する疑義が生じるケースが出ております。
一般の消費者にとっては、保健機能食品といってもその違いはよくわからないことも多く、どの程度の広告表示が認められているのかということについてはあまり知らないという方の方が圧倒的に多いのではないでしょうか。
本日は、保健機能食品のうち、特定保健用食品に関する広告表示に関してご紹介いたします。
1 特定保健用食品の広告表示
特定保健用食品においては、表示を許可された保健の用途を超えて広告表示を行うことは、虚偽誇大広告に該当する可能性がありますので、原則として行うことはできません。
例えば、消費者庁の公表資料では、以下のようなケースでは広告表示が認められません。
①『許可を受けた表示内容が「本品は、脂肪の吸収を抑えるのを助ける」にとどまるにもかかわらず、単に「脂肪の吸収を抑える」と表示すること』
どこが問題となるのかわからない方もいると思いますが、「助ける」という表現は脂肪の吸収を抑えることの一助となるだけであり、そのまま脂肪の吸収を抑えるわけではありません。にもかかわらず「脂肪の吸収を抑える」と断定的に記載してしまうと、効果の表示としては過大なものとなってしまっているということです。
②『許可を受けた表示内容が「食後の中性脂肪の上昇を抑える」であるにもかかわらず、「食後の」という文言を省略して、単に「中性脂肪の上昇を抑える」と表示すること』
このような表現をしてしまうと、「食後」だけではなく、継続的に中性脂肪の上昇を抑える効果があるかのように一般消費者には理解されてしまいますので、表示としては過大なものとなってしまっております。
2 健康食品の広告表示にはご注意ください
自社が販売する商品に関しては、少しでもその商品の素晴らしさを一般消費者に知ってもらおうと考えて、大げさな表現を用いてしまう事はよくあることです。
しかしながら、度を越した表現をしてしまうと、それはもはやセールストークという範疇にはとどまらずに、悪質な虚偽誇大広告となってしまいます。 一概にこのような表現は避けた方が良いという線引きができるものではなく、あくまでも個別具体的な表現を検討していく必要がありますので、少しでも気になる表現がある場合には、実際に広告を行う前に専門家などにご相談いただくことをお勧めいたします。