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1 健康食品、サプリメントの広告表現でよくある問題点及びポイント
まず、大前提として、健康食品については、法律上の定義はありません。
健康食品と呼ばれるものについては、通常の食品又は医薬品等に分類されることになります(食品衛生法4条)。
そして、一般的には、通常の食品の内、健康の保持増進に役立つとされている食品が健康食品と呼ばれることになります。
そのため、健康食品の広告においては医薬品的な効果効能を標榜することはできず、標榜した場合には、未承認医薬品の広告(薬機法68条)等となり、2年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金又は併科となるので注意が必要です(薬機法85条5号)。
なお、一部の食品については国が認めた範囲で機能などを表示することが可能であり、このような制度は「保健機能食品制度」といわれ、①特別用途食品の他に、②特定保健用食品、③栄養機能食品、④機能性表示食品に分類されます(通常は、②から④を総称して保険木野食品といいます。)。
2 よくあるご相談事例
上記1のとおり、健康食品については、医薬品的な効果効能を標榜することが禁止されることは当然として、保健機能食品としての許可・届出等の手続を経ることなく食品の機能を表示、特定の保健用途に適する旨の表示をすることは禁止されています。
また、他の健康保持増進に関する効果効能を表示することはできますが、誇大表示や優良誤認表示は当然に禁止されます。
例えば、
- 「ガンが治る」、「生活習慣病予防」、「花粉症が治る」等の疾病の治療や予防を目的とする効果効能は当然に禁止されます。
- また、「薬に頼らず、糖尿病や生活習慣病が改善される」、「医者に行かずに動脈硬化を改善」等の表示は虚偽誇大表示に該当するとして禁止されます。
3 弁護士にご依頼いただくメリット
広告法務は、いわゆる予防法務となり、なかなか弁護士に依頼することまではせず、何かトラブルが発生してから依頼すれば十分だろうと考えている方が多くいらっしゃいます。
しかしながら、広告に関するトラブルは、事前に詳細に検討しておくことで避けられるものが相当程度ありますし、現在では、一度トラブルが発生し、インターネット等で炎上してしまうと、ビジネスに大きな悪影響を及ぼしかねませんので、軽視することは危険と言わざるを得ません。
特に健康食品は、消費者の体内に摂取するという特性がありますので、インターネット等で炎上することも多い類型の商材といえますので特に注意する必要があります。
広告のリーガルチェックについてこれまで意識されていた方はもちろん、特段意識されていなかった方も、適切な広告を掲載することはビジネスを円滑に進める上では非常に重要ですので、まずはお気軽にご相談いただけますと幸いです。