健康・美容関連広告の法的境界線

「飲むだけで脂肪が減る!」「塗るだけでシワ改善!」「たった1週間で−5kg!」

こうした健康・美容に関する広告は、消費者の関心が非常に高いジャンルであり、広告効果も大きいため、企業としても積極的に活用したくなる分野です。

しかし、医薬品的な効能をうたった表現や、効果の保証・誇張は、景品表示法だけでなく薬機法(旧・薬事法)にも違反するおそれがあるため、非常に注意が必要です。今回は「ヘルスクレーム広告」における適法表現とNG表現の境界線を整理します。

1 薬機法の対象になる商品とは?

まず前提として、薬機法が規制するのは、医薬品・医薬部外品・化粧品・医療機器等の表示に関する広告です。

一方で、サプリメントや健康食品・美容雑貨は「食品」に分類されるため、基本的には薬機法の対象外です。

ただし、たとえ「食品」であっても、広告上で医薬品的な効能効果(疾病の治療・予防・改善)を標榜した場合は、薬機法違反とみなされることがあります。

2 NG表現の典型例(健康食品・サプリ編)

以下のような表現は、薬機法・景表法ともにNGです。

①「これを飲むだけで脂肪が燃える」

②「血圧が下がる/血糖値が改善される」

③「飲めば糖尿病予防になる」

④「薬と併用しなくても大丈夫」

これらは、疾病の治療・予防を暗示しているため、“無承認医薬品の広告”に該当するリスクがあります。また、「飲むだけ」「確実に」などの文言も、再現性を強調しすぎて優良誤認表示とされる可能性があります。

3 NG表現の典型例(化粧品・美容雑貨編)

化粧品や美容アイテムは「医薬部外品」や「雑貨」に分類されることが多く、表現には一定の自由がありますが、“治療効果”を示唆する表現は禁止されています。

①「シミが消える」「ほうれい線が治る」→ 医薬品的効能

②「アトピーが改善される」→ 治療を暗示

③「細胞を修復する」「血流を促進して若返る」→ 科学的根拠の有無が問われる表現

これらも、薬機法違反や景表法による措置命令の対象となった実例が多数あります。

健康や美容に関わる情報は、消費者にとって“切実な期待”を伴うジャンルです。だからこそ、信頼を損なう誇張表現や不当表示は、法的リスクだけでなく、企業のブランドにも深刻なダメージを与えかねません。

“きれいになる”“健康になる”という希望を、事実と根拠をもって、誠実に伝える広告表現こそが、真に選ばれる存在になるのです。

弊事務所では広告法務に関して総合的にサポートを提供しております。広告法務に関してお悩みの場合は、お気軽にご相談ください。

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