カニの産地と景表法違反

景品表示法に違反する広告表示を行ってしまった場合には、行政から措置命令や課徴金納付命令が下されるリスクがあります。景品表示法の改正も定期的に行われており、その結果事業者に対する規制も強くなる傾向にあることも注意が必要です。

また、万一これらの命令を行政から下されてしまった場合には、当該企業の評判に大きな悪影響を生じさせるリスクがあり、企業が商品やサービスに関して広告を行う場合には景品表示法に違反する広告には十分注意する必要があります。

本日は令和6年に水産物の販売事業者に対して措置命令が下された事例をご紹介いたします(ご紹介の関係で一部概要となります。)。

1 違反内容の詳細

当該事業者は、他県産のズワイガニに「間人ガニ」のブランドを証明するプラスチックタグ(地域登録商標)を取り付け、あたかも「間人ガニ」であるかのように表示して一般消費者に販売していました。この行為は、消費者に対し、実際の産地と異なる情報を提供し、誤認を招くものでした。

食品表示法第4条第1項に基づき定められた食品表示基準では、食品の名称や原産地の正確な表示が義務付けられており、また、同基準第23条第1項第1号では、実際のものより著しく優良または有利であると誤認させる用語の表示が禁止されています。

さらに、景品表示法第5条第1号は、優良誤認表示を禁止しており、まるなか水産の行為は、まさにこれらの規定に違反するものでした。

2 京都府の判断

以上を踏まえて、京都府は、景表法第5条第1号(優良誤認表示)に該当することを理由に同法第7条第1項に基づき当該事業者に対して措置命令を下しました。

具体的には、①一般消費者への周知徹底、②再発防止策の実施、③対応措置に関する報告、といった命令が下されました。

3 景品表示法に違反する広告にはご注意ください

本件は、製品やサービスの効果を過大に表示し、消費者に誤解を与えた典型的な事例です。

景品表示法は、消費者が正確な情報に基づいて商品やサービスを選択できるよう、事業者の表示行為を規制しています。企業は、自社の広告や表示が法令に適合しているかを常に確認し、適切な情報提供を行うことが求められます。

具体的には、①表示内容の正確性、②根拠資料の整理・保持、③社内教育の徹底を行うことが事業者には求められております。

当事務所では、景品表示法に関するご相談や広告表示の適法性チェックなどのサービスを提供しております。お気軽にお問い合わせください。

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