価格表示方法と景表法違反

景品表示法に違反する広告表示を行ってしまった場合には、行政から措置命令や課徴金納付命令が下されるリスクがあります。景品表示法の改正も定期的に行われており、その結果事業者に対する規制も強くなる傾向にあることも注意が必要です。

また、万一これらの命令を行政から下されてしまった場合には、当該企業の評判に大きな悪影響を生じさせるリスクがあり、企業が商品やサービスに関して広告を行う場合には景品表示法に違反する広告には十分注意する必要があります。

本日は令和6年に資格の通信講座を運営する事業者に対して措置命令が下された事例をご紹介いたします(ご紹介の関係で一部概要となります。)。

1 違反内容の詳細

当該事業者は、ウェブサイト上等において、以下のような表示を行っておりました。

①二重価格表示

「7/14 13:59まで 最大41%OFF! 夏得キャンペーン 通常価格59,500円 → 41,000円(税込) (月々1,980円×24回) 31%OFF」と表示し、あたかも「通常価格」と称する価格から割り引いた提供価格が、通常提供している価格に比して安いかのように示していました。

②期間限定表示

「1/24 23:59まで お正月キャンペーン \35%OFF/ ハガキ申込価格59,500円 → 38,600円(税込) (月々1,860円×24回)」と表示し、あたかも表示期限内に申し込んだ場合に限り、割引価格で提供を受けられるかのように示していました。

以上の広告表示に対して、消費者庁等の調査の結果、上記①については、「通常価格」と称する価格は、自社ウェブサイトを通じて受講を申し込んだ場合において、本件講座について提供された実績がないものでした。また、上記②については、表示期限後に申し込んだ場合であっても、「ハガキ申込価格」と称する価格から割り引いた提供価格で受講することが可能な状況となっておりました。

2 消費者庁の判断

以上を踏まえて、消費者庁は、景表法第5条第2号(有利誤認表示)に該当することを理由に同法第7条第1項に基づき当該事業者に対して措置命令を下しました。

具体的には、①一般消費者への周知徹底、②再発防止策の実施、③合理的根拠のない表示の禁止、といった命令が下されました。

3 景品表示法に違反する広告にはご注意ください

本件は、製品やサービスの効果を過大に表示し、消費者に誤解を与えた典型的な事例です。

景品表示法は、消費者が正確な情報に基づいて商品やサービスを選択できるよう、事業者の表示行為を規制しています。企業は、自社の広告や表示が法令に適合しているかを常に確認し、適切な情報提供を行うことが求められます。

具体的には、①表示内容の正確性、②根拠資料の整理・保持、③社内教育の徹底を行うことが事業者には求められております。

当事務所では、景品表示法に関するご相談や広告表示の適法性チェックなどのサービスを提供しております。お気軽にお問い合わせください。

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