景表法違反の具体例その4

本日は、電子機器販売会社Xに対する景表法に基づく措置命令に関してご紹介いたします。

1 有利誤認表示

有利誤認表示は、景表法5条2号において規制対象となっております。

「商品又は役務の価格その他の取引条件について、実際のもの又は当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認される表示であつて、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの」

また、措置命令に関しては、景表法7条1項において、以下のとおり規定されています。

「内閣総理大臣は、第四条の規定による制限若しくは禁止又は第五条の規定に違反する行為があるときは、当該事業者に対し、その行為の差止め若しくはその行為が再び行われることを防止するために必要な事項又はこれらの実施に関連する公示その他必要な事項を命ずることができる。」

2 問題とされた表示

電子機器販売会社Xは自社ウェブサイトで販売する商品に関して、以下のような広告表示を行っていた。

『WEB価格(税込) 187,880円 キャンペーン価格(税込) 148,425円 21%OFF(10/5 14時まで)』

このような価格表示はいわゆる二重価格表示として、それ自体が直ちに景表法上問題となるわけではない。

しかしながら、実際には、WEB価格は、自社ウェブサイトにおいて、本件商品について販売された実績のないものであった。

そこで、消費者庁は、電子機器販売会社Xに対して有利誤認表示を理由として措置命令を下した。

3 広告表示に関する規制についてはご注意ください

インターネットやSNSの発展に伴い、広告表示の方法は多種多様なものが登場しております。それに伴い、広告表示に関する規制も新たに様々な内容で設けられており、また、新たに検討もされております。

少し前までは問題なく行うことができた広告表示であっても、違法な広告表示となる場合もありますので、広告表示の方法が適切に行うことができるかどうかについては日常的に注意をすることが必要です。

消費者庁等のHPにおいて適宜情報は公開されておりますので、情報については常にアップデートしていただくことが重要ですが、自社においてそこまで手が回らない、公表されている内容が良く理解できない等必要に応じて、専門家までご相談いただくことをお勧めいたします。

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