昨今、機能性表示食品に関する問題が発生する等、保健機能食品に関する疑義が生じるケースが出ております。
一般の消費者にとっては、保健機能食品といってもその違いはよくわからないことも多く、どの程度の広告表示が認められているのかということについてはあまり知らないという方の方が圧倒的に多いのではないでしょうか。
本日は、保健機能食品のうち、特定保健用食品に関する広告表示に関してご紹介いたします。
1 特定保健用食品の広告表示
特定保健用食品においては、表示を許可された保健の用途を超えて広告表示を行うことは、虚偽誇大広告に該当する可能性がありますので、原則として行うことはできません。
例えば、消費者庁の公表資料では、試験結果やグラフの使用方法が不適切な表示である場合には、違法な虚偽誇大広告に該当する可能性があると説明されております。
例えば、以下のようなケースでは広告表示が認められません。
①『試験結果を示すグラフの見え方を極端に調整等することにより、実際の試験結果よりも過大な効果があるかのように表示すること』
例えば、1から100までの効果の強さの違いがある成分が存在するとして、商品Aは効果が10、商品Bが効果が11であったとすると、実際には効果が1しか違わないことになります。ところが、グラフを拡大し見え方を調整することによって、効果がほぼ変わらないにも関わらずグラフ上は大きな違いがあるかのように表示されてしまいます。
②『実際には、複数の試験結果があるにもかかわらず、有意差の大きい試験結果のみを広告等において使用することにより、全ての試験結果において有意差のある結果が得られたかのように表示すること』
このような表示をしてしまうと、一般消費者は試験結果の内容を誤解してしまいます。
2 健康食品の広告表示にはご注意ください
自社が販売する商品に関しては、少しでもその商品の素晴らしさを一般消費者に知ってもらおうと考えて、大げさな表現を用いてしまう事はよくあることです。
しかしながら、度を越した表現をしてしまうと、それはもはやセールストークという範疇にはとどまらずに、悪質な虚偽誇大広告となってしまいます。
一概にこのような表現は避けた方が良いという線引きができるものではなく、あくまでも個別具体的な表現を検討していく必要がありますので、少しでも気になる表現がある場合には、実際に広告を行う前に専門家などにご相談いただくことをお勧めいたします。