Archive for the ‘広告関連法務’ Category
ビフォーアフター写真(使用前後写真)は掲載可能か?化粧品・健康食品・美容機器における「効能保証」の境界線
「論より証拠」として、広告で最も強力な説得力を持つのがビフォーアフター(使用前・使用後の比較)写真です。しかし、薬機法(旧薬事法)の世界では、この手法は「効能効果の保証」にあたるとして、原則として厳しく規制されています。
「インスタで見かけるから大丈夫だろう」と安易に掲載すると、行政指導の対象になります。では、どこまでなら許されるのでしょうか?
1 化粧品:原則NG、例外あり
薬機法の適正広告基準では、化粧品の効能効果に関するビフォーアフター写真の掲載は「原則禁止」されています。
「シミが消えた」「シワが伸びた」「肌が白くなった」といった写真は、たとえ事実であっても、すべての人に同様の効果があるかのような誤解(効能の保証)を与えるためNGです。
ただし、以下の場合は認められています。
①メーキャップ効果:ファンデーションでシミを隠す、口紅で色を変える、二重のりで二重にするなど、物理的な変化を見せる場合。
②汚れ落ち(洗浄):洗顔料やシャンプーで、肌や髪の汚れが落ちた様子を見せる場合(ただし、肌質改善までは言えません)。
2 健康食品(ダイエット):条件付きOK
いわゆる「置き換えダイエット」などで、「-10kg達成!」といった写真を使うケースです。 健康食品自体に「痩せる効果」を謳うことは薬機法違反ですが、「適切な食事制限と運動を併用した結果」として事実を掲載することは、景品表示法の観点から一定の条件を満たせば可能です。
必須条件としては、
①客観的な実証データがあること:捏造ではないこと。
②「本品の効果ではありません」等の注釈では不十分:運動や食事制限が主因であることを明確に打ち出す必要があります。
③成功例だけでなく平均的な結果も示すこと:稀な成功例だけを載せることは優良誤認となります(打消し表示の問題)。
3 美容機器:医療機器との区別
家庭用の美顔器や脱毛器(雑品)において、「リフトアップした」「毛が生えてこなくなった」という写真を使うことは、医療機器的な効果の標榜となり、薬機法違反(未承認医療機器の広告)となるリスクが高いです。 あくまで「汚れが落ちた」「キメが整った」程度に留める必要があります。
ビフォーアフターは、消費者庁も監視を強化しているポイントです。掲載する際は、キャプション(説明文)の言葉選びも含めて、慎重なリーガルチェックが必要です。

有森FA法律事務所は、「広告表現に不安があるけれど、何から始めていいか分からない」という方々の力になりたいと考えています。インターネット広告やSNSの普及で、広告に関する法律リスクも多様化してきました。広告チェックに関しては、全国からのご相談に対応しており、WEB会議や出張相談も可能です。地域を問わず、さまざまなエリアの事業者様からご相談をいただいています。身近な相談相手として、お気軽にご連絡ください。
「※個人の感想です」と書けば何でも許される?打消し表示が無効になるケースと、体験談(UGC)活用の法的リスク
健康食品や美容商材のLPで必ず見かける「愛用者の声」。
劇的なビフォーアフター写真や「人生が変わった!」というコメントの横に、小さく「※個人の感想であり、効果を保証するものではありません」と書いてあるのを見たことがあるでしょう。実は、消費者庁はこの手法に対し、明確に「NO」を突きつけています。
1 打消し表示(注釈)の形骸化
消費者庁の調査報告書では、体験談などで強力な効果(痩せる、治るなど)をアピールしている場合、いくら近くに「個人の感想です」と書いても、消費者は「自分にも効果がある」と認識するため、打消し表示は無効(=景表法違反)であると結論づけることがあります。 「書いておけば免罪符になる」というのは、過去の迷信です。
2 体験談自体が「捏造」の場合
そもそも、その体験談が実在しない人物のものであったり、モニターにお金を払って良いことだけを書かせたものであったりする場合、それは「不実証広告」や「ステマ」に該当します。最近では、アフィリエイターが勝手に作った架空の体験談によって、広告主であるメーカーが責任を問われるケースもあります。
3 UGC(ユーザー生成コンテンツ)の活用リスク
InstagramなどのSNS上の一般ユーザーの投稿(UGC)を、自社のLPに転載して広告として利用する場合も注意が必要です。ユーザーが勝手に「ニキビが治った!」と書く分には個人の表現の自由ですが、企業がそれを「選別して広告として掲載」した瞬間に、それは企業の広告(薬機法・景表法の規制対象)になります。
「お客様が勝手に書いたことだから」という言い訳は通用しません。
4 正しい体験談の載せ方
体験談を掲載すること自体は禁止されていませんが、以下の配慮が必要です。
①過度な効能効果(薬機法違反)を含むコメントは採用しない、または修正する。
②「個人の感想」という注釈に頼らず、統計的なデータや客観的な事実(成分の配合量など)をメインに訴求する。
広告LPにおいて、消費者の声である「体験談」は強力な武器になりますが、安易な掲載は行政による措置命令の格好のターゲットになり得ます。特に、個人の感想を装いつつも、あたかも全員に同様の効果があるかのように誤認させる表現は、景品表示法の「優良誤認」とみなされるリスクが非常に高いのです。
こうした事態を防ぐためには、制作現場において一つ一つのコメントに対し、専門的なリーガルチェックを徹底する体制構築が不可欠です。たとえ実在するユーザーの声であっても、注釈の入れ方や表現の範囲が法的に適切かどうか、多角的な視点から精査しなければなりません。ブランドの信頼を一夜にして失わないよう、徹底したリスク管理こそが、結果として長く愛されるLPへと繋がります。

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化粧品広告で「アンチエイジング」「浸透」「美白」はどこまで言える?
化粧品の広告制作は、言葉選びのパズルでもありなす。
どんなに素晴らしい成分を配合していても、医薬品や医薬部外品(薬用化粧品)でない限り、言えることは「化粧品の効能効果の範囲(全56項目)」に限られます。
これを知らずにコピーを書くと、即座に薬機法違反となります。
1 「アンチエイジング」はNG、「エイジングケア」はOK
「若返る」「老化防止」「アンチエイジング」といった言葉は、肌の機能変化(医薬品的な効果)を暗示するため、化粧品では使えません。
使えるのは「エイジングケア(年齢に応じたお手入れ)」という表現のみです。同様に、「シミを消す」もNGですが、「日焼けによるシミ・ソバカスを防ぐ(※日焼け止め等の場合)」や「メーキャップ効果でシミを目立たなくする」であればOKです。
2 「浸透」は「角質層」まで
「美容成分が肌の奥深くまで浸透!」と書きたくなりますが、法律上、肌(皮膚)と言えるのは「角質層」までです。真皮や皮下組織まで浸透すると書くと、それは医療行為や医薬品の領域となり違反です。必ず「※浸透は角質層まで」という注釈を入れるか、「肌の表面を整える」といった表現に留める必要があります。
3 「美白」は医薬部外品だけ
「美白」という言葉は、厚生労働省から承認を受けた「医薬部外品(薬用化粧品)」でしか使えません。一般の化粧品(単なる保湿クリームなど)で「美白」「ホワイトニング」と書くと虚偽・誇大広告になります。
ただし、「物理的に肌を白く見せる(メイクアップ効果)」や「洗顔で汚れを落として明るく見せる」という文脈であれば許容されるケースもあります。
4 攻めの表現と守りのリーガルチェック
D2Cブランドにとって、広告の訴求力(CVR)はまさにビジネスの生命線です。競合がひしめく市場で、法律を過剰に意識しすぎて誰の心にも響かない凡庸な表現になってしまっては、事業として成立しません。しかし、独りよがりな解釈で「アウト」の境界線を越えれば、一瞬でブランドは崩壊します。
そこで重要となるのが、「法的に完全にNGなライン」と「リスクをコントロールしながら最大限に攻められるライン」を精緻に見極めることです。
これこそが、広告法務に精通した弁護士を味方につける真の価値といえます。表現の是非に迷った際は、決して自己判断で突き進まず、攻めの姿勢を理解するプロの意見を仰いでください。それが、持続可能な成長への最短ルートです。

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景表法違反で「措置命令」が出るとどうなる?社名公表、課徴金…企業が背負うペナルティの全貌と対応策
「広告表現が少し大げさだったくらいで、警察に捕まるわけではないし、指摘されたらその時に直せばいいだろう」 もし経営者やマーケティング担当者がこのような安易な考えを持っているとしたら、それは企業の存続を揺るがしかねない極めて危険な認識です。
昨今、景品表示法違反に対するペナルティは年々厳格化されており、ひとたび行政処分(措置命令)を受ければ、社名が公表されブランドイメージは失墜します。さらに、多額の課徴金の納付という直接的な金銭的損失に加え、SNSでの炎上や社会的信用の中断など、回復困難なダメージを負うことになります。「知らなかった」では済まされない、コンプライアンス遵守の徹底が今まさに求められています。
1 措置命令とは(社会的制裁)
違反が認定されると、消費者庁や都道府県から「措置命令」が出されます。内容は以下の通りです。
①違反事実の認定と公表:「当社の広告は嘘でした」というお詫び広告を、日刊新聞紙上などに掲載しなければなりません。
②再発防止策の構築:社内体制の整備を命じられます。
③違反行為の差止め:問題の広告を即座に停止しなければなりません。
これらは消費者庁のHPでも公表され、ネットニュースとして拡散されます。ブランドイメージは失墜し、取引先(卸先や銀行)からの信用も失います。
2 課徴金納付命令(金銭的制裁)
さらに恐ろしいのが「課徴金」です。 不当表示を行っていた期間(最長3年)の対象商品の売上額の3%を国に納めなければなりません。
売上が10億円あれば、3,000万円の支払いです。これは罰金のようなもので、経費にもなりません。利益ではなく「売上」にかかるため、利益率の低いビジネスでは赤字転落、最悪の場合は倒産に直結します。
3 弁護士による危機管理
消費者庁から「調査開始」の通知が届いた時点で、勝負は始まっています。
この段階ですぐに弁護士に相談すれば、「根拠資料(不実証広告規制への反証)」を提出して疑いを晴らしたり、処分が出る前に自主的に広告を修正・報告することで課徴金の減額を目指したりといった対応が可能です。
放置すればするほど、傷口は広がります。調査通知が来たら、回答書を出す前に必ず専門家へご相談ください。

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「今だけお得」を繰り返していませんか?カウントダウンタイマーや「閉店セール」商法の法的リスク
「キャンペーン終了まであと30分!」 Webサイトを訪れるとカウントダウンタイマーが作動し、焦って購入ボタンを押す。しかし、翌日同じサイトを見たら、またタイマーがリセットされて「あと30分」になっていた…。
このような手法は、消費者の射幸心や焦燥感を煽るマーケティングテクニックとして一部で流行しましたが、法的には「有利誤認表示」にあたる極めてグレー(というよりブラック)な行為です。
1 「期間限定」の嘘
「○月○日まで」、「あと○時間」という限定表示を行う場合、その期間を過ぎれば、実際に価格を上げる(または販売を終了する)必要があります。
もし、期間終了後も同じ価格で販売を続けていたり、すぐに同条件のキャンペーンを再開したりしていれば、「期間限定」という表示は嘘であったことになります。
消費者は「今買わないと損をする」と誤認して購入しているため、景品表示法違反となります。
2 「打消し表示」があれば許される?
「※キャンペーンは予告なく延長する場合があります」「※好評につき期間延長」といった注釈(打消し表示)を小さく書いておけば大丈夫だと思っていませんか?
消費者庁は、こうした打消し表示について「一般消費者が容易に認識できない場合」や「強調表示(メインの宣伝文句)と矛盾する場合」は無効であると判断しています。
メインで「本日終了!」と煽っておきながら、小さく「延長するかも」と書くのは矛盾しており、免罪符にはなりません。
3 過去の処分事例
実際に、紳士服チェーンの「閉店セール」や、オンライン英会話スクールの「期間限定キャンペーン」などで、実際には長期間にわたり継続して行われていたとして、消費者庁から措置命令が出された事例があります。
一度措置命令が出ると、記者会見で社名が公表され、「嘘つき企業」というレッテルを貼られてしまいます。昨今の社会情勢を踏まえますと、いったんこのようなレッテルが貼られてしまうと引用をよく変えることは至難の業でしょう。
マーケティングにおいて「限定性」は強力な武器ですが、嘘をついてはいけません。
「本当に期間を区切る」か、あるいは「期間を区切らずに常時特典とするか」の二択です。誤解を招くLPになっていないか、弁護士によるチェックを受けることをお勧めします。

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その「半額セール」は違法かも?二重価格表示の落とし穴
ECサイトやチラシでよく見る「通常価格10,000円のところ、今だけ5,000円(50%OFF)!」という表示。 これを「二重価格表示」といいます。消費者の購買意欲を刺激する強力な手法ですが、比較対象となる「通常価格(または当店通常価格)」の実態がない場合、景品表示法違反(有利誤認表示)となります。
いわゆる「定価の架空設定(上げ底表示)」ですが、ルールを知らずに設定してしまっている事業者が後を絶ちません。
1 「通常価格」と認められるための「実績」
ただ単にシステム上の定価欄に数字を入れただけでは、「通常価格」とは認められません。 消費者庁の「二重価格表示に関するガイドライン」では、比較対照価格(元値)として表示するためには、「最近相当期間にわたって販売された実績」が必要とされています。
具体的には、以下のいずれかの条件(「2週間ルール」などと呼ばれます)を満たす必要があります。
①過去8週間のうち、過半(4週間以上)の期間、その価格で販売されていたこと。
②直近2週間、その価格で販売されていたこと(ただし、販売期間が短い場合)。
つまり、「販売開始初日から『通常1万円→今だけ5千円』」と表示することは、1万円での販売実績がないため違法です(メーカー希望小売価格がある場合を除く)。
2 セール終了後の価格戻し忘れ
よくあるトラブルが、「期間限定セール」が終わったのに、システムの設定ミスや担当者の失念で、二重価格表示が残ってしまっているケースです。 あるいは、常に「50%OFF」と表示し続けている場合、「50%OFFの価格」が実質的な「通常価格」となり、もはや割引とは言えなくなります。これも有利誤認表示として処罰対象です。
3 ECモールでの注意点
Amazonや楽天などのモールでは、二重価格を表示するための入力欄(参考価格など)がありますが、プラットフォーム側もコンプライアンスを強化しており、販売実績のない価格を入力すると自動的に非表示になったり、アカウント健全性が低下したりする仕組みになっています。 また、行政処分を受けると、アカウント停止(垢バン)に直結し、売上がゼロになるリスクもあります。
「他社もやっているから」は通用しません。価格表示は、消費者が最も敏感な部分であり、競合他社からの通報も多い分野です。セールの計画を立てる際は、必ず「元値の根拠」を確認する習慣をつけてください。

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「No.1表示」は危険?リサーチ会社のお墨付きがあれば大丈夫?
自社の商品を「業界No.1」「顧客満足度第1位」と宣伝することは、強力なマーケティング手法です。
しかし、近年、この「No.1表示」に対する消費者庁の監視が極めて厳しくなっています。リサーチ会社に依頼して取得したNo.1称号であっても、その調査方法が杜撰であれば、景品表示法違反(優良誤認表示)として措置命令や課徴金の対象となります。
1 狙われる「No.1」のカラクリ
最近問題視されているのは、実態を伴わないNo.1です。 例えば、「サイトのイメージ調査」と称して、商品を実際に使っていないモニターに対し、「この商品のサイトを見て、満足度が高そうだと思いますか?」とアンケートを取り、その結果をもって「顧客満足度No.1」と謳うケースです。
これは「使用者の満足度」ではなく「Webサイトの印象」に過ぎません。それにもかかわらず、あたかも「多くのユーザーが使って満足している」かのように宣伝することは、消費者を騙す行為(優良誤認)にあたります。
2 適法なNo.1表示の3要件
適法にNo.1を謳うためには、以下の3つの条件を満たす「合理的な根拠」が必要です。
①客観的な調査であること
恣意的な調査(自社に都合の良い回答者だけを選ぶなど)ではないこと。第三者機関による調査が望ましいですが、その機関が公正である必要があります。
②調査結果と表示内容が正確に対応していること
「売上No.1」なのか「満足度No.1」なのかを正確に書くこと。「イメージ調査」なのに単に「No.1」と書くのはNGです。
③比較対象が明確であること
「競合他社○社と比較して」など、どの範囲でのNo.1なのかを明記すること。
3 課徴金のリスク
No.1表示が嘘(不当表示)であると認定された場合、その広告を行っていた期間の売上額の3%にあたる「課徴金」が課される可能性があります。
売上が1億円あれば、300万円の罰金です。さらに、社名公表によるブランド毀損は計り知れません。
「リサーチ会社が大丈夫だと言ったから」という言い訳は、行政には通用しません。
最終責任は広告主にあります。 No.1表示を行う際は、その調査設計が景表法のガイドライン(不実証広告規制)に耐えうるものか、事前に弁護士によるチェックを受けることが、企業防衛の要となります。
少しでもご不安な点がある場合には、すみやかに弁護士にご相談いただくことをお勧めします。

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健康食品の広告で「痩せる」「治る」は絶対NG。薬機法の壁と問題とならないための表現テクニック
「飲むだけで-10kg」「血液サラサラ」「免疫力アップ」
健康食品やサプリメントのLP(ランディングページ)で、このような表現を使っていませんか? もし使っているなら、あなたの会社はいつ薬機法違反で逮捕されてもおかしくない状態です。
健康食品は、法律上はあくまで「食品」です。
「薬」ではありません。そのため、医薬品のような「効能効果(病気が治る、身体機能が変化する)」を標榜することは、「未承認医薬品の広告」として厳しく禁止されています。
1 NG表現の具体例(薬機法違反)
以下の表現は、たとえ事実(体験談やデータ)があったとしても、広告で使用することはできません。
①疾病の治療・予防:「癌が治る」「花粉症対策」「高血圧の方に」
②身体の機能・構造への影響:「脂肪燃焼」「デトックス」「疲労回復」「バストアップ」「アンチエイジング」
③医薬品的な用法用量:「食前に3粒」「寝る前に」
これらを書くと、「医薬品としての承認を受けていないのに、医薬品のような効果を謳っている」として、警察による捜査や、行政からの措置命令の対象となります。
2 「個人の感想です」は無意味
よくある「個人の感想であり、効果を保証するものではありません」という打ち消し表示。 これさえ書けば許されると思っている方が多いですが、消費者庁や行政の判断は「打ち消し表示は無効」です。
メインのキャッチコピーで効能効果を謳っている以上、小さな注釈で否定しても、消費者の誤認は防げないと判断されます。体験談(UGC)であっても、事業者が広告として選別・掲載している以上、責任は事業者にあります。
3 どのように表現すればいいのか?
薬機法を遵守しつつ、商品の魅力を伝えるには「言い換え」の技術と法的知識が必要です。
①「痩せる」→「健康的な体づくりをサポート」「運動と併用して理想のスタイルへ」
②「若返る」→「年相応の美しさを」「ハリのある毎日を」
③「疲労回復」→「元気をチャージ」「朝の目覚めをスッキリ」
ただし、これらの言い換えも、前後の文脈や写真(ビフォーアフター等)との組み合わせによっては違法となります。「暗示」や「ほのめかし」も規制対象だからです。 当事務所では、広告の訴求力を維持しながら、薬機法・景表法のリスクを回避する「広告リーガルチェック」を行っています。「この表現は攻めすぎか?」「代替案はないか?」と迷った際は、公開前に必ず弁護士へご相談ください。

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インフルエンサー施策で広告主が処分される!「PR」表記の基準と契約書で見直すべきポイント
2023年10月1日から、景品表示法の指定告示として「一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示」、いわゆる「ステマ(ステルスマーケティング)規制」が施行されました。
これまで、日本の法律では「嘘を書くこと(優良誤認・有利誤認)」は規制されていましたが、「広告であることを隠すこと」自体を直接罰する法律はありませんでした。
しかし、この改正により、広告であることを隠して口コミや感想を装う行為は、明確な違法行為となります。
1 処罰されるのは「広告主」だけ
今回の規制の最大の特徴は、規制対象が「広告主(事業者)」に限られるという点です。
ステマを行ったインフルエンサーやアフィリエイター自身は処罰されません。あくまで「広告主が書かせた」とみなされ、依頼元の企業が措置命令(社名公表など)の対象となります。 「インフルエンサーが勝手にPR表記を忘れた」という言い訳は通用しません。広告主には、投稿内容を管理・監督する責任があるからです。
2 どこからが「ステマ」になるのか?
消費者庁の運用基準では、「事業者が表示内容の決定に関与した」と認められる場合、それは広告(事業者の表示)とみなされます。
①金銭の授受がある場合:もちろん広告です。「PR」「広告」「プロモーション」等の表記が必須です。
②商品無償提供(ギフティング)の場合:ここが重要です。「商品をあげるから、良かったら投稿してね」というケースでも、過去のやり取りや関係性から、実質的に投稿を依頼しているとみなされれば規制対象になります。
③社員の投稿:自社の社員が、身分を隠して自社商品を絶賛する投稿もステマに該当します。
3 企業が今すぐやるべき3つの対策
行政処分を受けないために、以下の対策を講じてください。
①過去の投稿の洗い出し
規制は施行日(2023年10月1日)以降に「掲載されている」もの全てに適用されます。数年前の投稿であっても、現在閲覧可能であれば削除または修正(PR表記の追記)が必要です。
②契約書の改訂
インフルエンサーや代理店との契約書に、「景表法およびステマ規制の遵守」を明記し、PR表記の義務付けと、違反時の損害賠償条項(または投稿削除権限)を盛り込む必要があります。
③レギュレーションの配布
「#PR を1行目に入れる」「動画の中で広告であることを口頭で伝える」など、具体的な投稿ルール(レギュレーション)を作成し、インフルエンサーに周知徹底してください。
ステマ規制は「知らなかった」では済まされません。SNSマーケティングを行う企業様は、一度弁護士によるリーガルチェックを受けることを強くお勧めします。

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健康食品・サプリメント広告の分水嶺:効能効果表現のNG例
健康食品やサプリメントは、人々の健康意識の高まりとともに市場が拡大していますが、これらの商品の広告は、薬機法(医薬品医療機器等法)の規制との境界線上で、慎重な判断が必要です。
健康食品は「食品」であり、本来は薬機法の直接的な規制対象外です。
しかし、その広告表現が「医薬品的な効能効果」を謳ってしまうと、国から未承認の医薬品とみなされ、行政処分や刑事罰の対象となります。
企業の法務担当者や経営者は、この「医薬品と誤認させるか否か」という線引きを正確に理解しておく必要があります。
1 薬機法における「医薬品的な効能効果」とは?
薬機法が禁止する「医薬品的な効能効果」とは、主に以下の二つの目的を持つ表現です。
(1)疾病の治療・予防を目的とする表現
病気の診断、治療、予防を目的とする表現は、医薬品にのみ許されています。
健康食品の広告でこれらの表現を使うと、消費者はその商品が「薬のように病気を治してくれる」と誤認します。
NG例::「ガンを予防するサプリ」「高血圧を改善する」「アトピーの治療に」「胃潰瘍を治す」
(2)身体の構造や機能に作用する表現
人の身体の特定の構造や機能に対して、明確な改善、増進、変化を与えるといった表現も、医薬品的な効能効果とみなされます。
NG例: 「ホルモン分泌を促進し、若返る」「肝機能を回復させる」「細胞を活性化する」
2 広告表現の「グレーゾーン」を乗り越える鉄則
健康食品の広告においては、上記のような「直接的な表現」だけでなく、消費者に医薬品的な効能効果を「暗示させる表現」も規制の対象となります。この「暗示」こそが、最も難しい「グレーゾーン」です。
(1)鉄則1:標榜可能な効能効果のリストを厳守する
食品として許容される表現の目安として、例えば、健康の維持及び増進に資する目的や、栄養補給、美容に関する一般的な表現に留めることが基本です。
特に、「症状名」や「器官・部位名」を直接的に結びつける表現は避けるべきです。
(2)鉄則2:体験談・ビフォーアフター写真の制限
口コミや体験談は、個人の感想であっても、事業者がそれを広告に利用する以上、広告表現の一部として薬機法の規制対象となります。
NG例::「このサプリで重い更年期障害が治った」といった医薬品的な効能を主張する体験談。
NG例::使用前後の病状の変化を写真で比較する「ビフォーアフター」画像。
体験談は、食品の範疇を超えた効果(例:治療効果)を消費者に強く暗示するため、たとえ「個人の感想」と明記しても、薬機法違反となるリスクが極めて高いです。
(3)鉄則3:名称・形態・記号による暗示の排除
広告文言だけでなく、商品名やパッケージデザイン、さらには使用する記号やイラストにも注意が必要です。
NG例:商品名に「○○治療薬」「飲む注射」といった医薬品を連想させる名称を用いる。
NG例:白衣を着た医師や、注射器、医療機器のイラストなど、医療行為を連想させる画像を使用する。
3 まとめ:生命・健康に関する表現は「最も厳格に」
健康食品やサプリメントは、景品表示法だけでなく、国民の生命・健康の保護を目的とする薬機法による最も厳格な規制を受けます。
企業の法務担当者や経営者は、広告を作成する際に、「誰が読んでも、この商品が『薬』ではないと理解できるか」という視点に立ち、安易な効果の誇張や暗示を排除し、「正確な情報提供」に徹することが、刑事罰を含む致命的なリスクを避けるための唯一の方法です。

有森FA法律事務所は、「広告表現に不安があるけれど、何から始めていいか分からない」という方々の力になりたいと考えています。インターネット広告やSNSの普及で、広告に関する法律リスクも多様化してきました。広告チェックに関しては、全国からのご相談に対応しており、WEB会議や出張相談も可能です。地域を問わず、さまざまなエリアの事業者様からご相談をいただいています。身近な相談相手として、お気軽にご連絡ください。
