Archive for the ‘広告関連法務’ Category
レビュー・比較サイトにおける広告表示と景表法対応
「おすすめランキングNo.1!」「口コミ評価4.9点」「ユーザー満足度98%」──
レビューや比較サイトは、消費者が商品・サービスを選ぶうえで重視する情報源です。その信頼性の高さゆえに、企業も広告施策として活用するケースが増えています。
しかし、企業が関与しているにもかかわらず、あたかも中立・第三者の意見であるかのように見せる表示は、景品表示法違反(ステルスマーケティング)に該当するリスクがあります。 また、ランキングやスコア表示に合理的な根拠がない場合も、「優良誤認表示」として問題視されます。
1 なぜレビュー・比較サイトが規制対象になるのか?
一見、企業が直接関与していないように見えるレビュー・比較サイトですが、以下のようなケースでは「広告表示」として扱われ、景品表示法の規制対象となります。
①実質的に企業が運営・制作を委託している比較サイト
②掲載順や点数を金銭の対価で操作している(=広告)
③第三者評価のように見せかけながら、PR目的の情報だけが並んでいる
このような「企業の表示であることが消費者にとって明瞭でない」ケースは、2023年に施行されたステマ規制強化(景表法改正)により、明確に違法表示と判断される可能性が高くなっています。
2 比較ランキングの「順位」「スコア」の根拠が必要
比較サイトでよく見かける「ランキング表示」「点数評価」「おすすめNo.1」などは、消費者にとって非常に影響力のある表現です。だからこそ、それに客観的な根拠や合理的な評価基準がなければ、優良誤認表示に該当するおそれがあります。
NG例としては、
①掲載企業からの広告料でランキング順位を決定
②評価スコアの算出方法が不明(基準や重みづけが非公開)
③実在しないユーザーのレビュー・口コミを掲載
ランキングや点数の表示には、評価項目・基準・集計方法・調査時期などを明記し、広告主がその妥当性を説明できる状態にあることが必要です。
3 第三者を装った「おとりサイト」「体験談サイト」に注意
以下のような形式は、過去に消費者庁から措置命令が出された事例もあります。
①「主婦が自腹で試してみた!」と題し、実際には企業が制作した記事
②「ユーザーの本音レビュー」として、報酬提供を受けたインフルエンサーの投稿を転載
③「比較した結果◯◯がベスト」とするが、選定根拠は企業からの提供資料のみ
このような表示を消費者が「中立・第三者の評価」と誤認する構成にすると、明確な不当表示とされる可能性があります。
消費者にとって、比較・レビュー情報は「信用できる第三者の声」であり、その信頼を裏切るような操作や隠れた広告表示は、ブランドの信頼そのものを損ねかねません。
だからこそ、“中立性”や“透明性”を前提にした表示と運用が、今後のマーケティングには不可欠です。 弊事務所では広告法務に関して総合的にサポートを提供しております。広告法務に関してお悩みの場合は、お気軽にご相談ください。

有森FA法律事務所は、「広告表現に不安があるけれど、何から始めていいか分からない」という方々の力になりたいと考えています。インターネット広告やSNSの普及で、広告に関する法律リスクも多様化してきました。広告チェックに関しては、全国からのご相談に対応しており、WEB会議や出張相談も可能です。地域を問わず、さまざまなエリアの事業者様からご相談をいただいています。身近な相談相手として、お気軽にご連絡ください。
AI・最先端技術を使った広告表現の法的留意点
「AI診断であなたに最適なプランを提案」「最新技術で業界初の効果!」「ChatGPT搭載で革新的UXを実現」
近年、AIやIoTなどの最先端技術を用いた商品・サービスが急増し、それを前面に打ち出した広告も多く見られるようになりました。しかし、AIや“業界初”などの表現には、実態や根拠との乖離があると、景品表示法上の不当表示と判断されるおそれがあります。
また、AIが生成した内容をそのまま使う場合、著作権・肖像権・データの出所など別の法的リスクもはらんでいます。今回は、こうした「最先端技術を用いた広告表現」のリーガルチェックポイントを解説します。
1 「AI」「最新技術」表示のリスク:実態との乖離
「AI搭載」「AI診断」「AIが最適化」などの表現はインパクトが大きいですが、その“AI”が何を指すのか、明確な説明や根拠がない場合、優良誤認表示に該当する可能性があります。
例えば、
①単なるルールベースの処理や自動返信を「AI」と称している
②決まった結果しか出さないチャート診断を「AI診断」と呼ぶ
③実は他社提供の汎用AI(ChatGPT等)を利用しているだけ
これらを独自技術かのように表示することは、消費者の誤認を招く恐れがあります。
「AI」や「最先端」の表示には、実際の技術内容と一致した説明が広告内に必要です。
2 「業界初」「唯一の技術」などの表現は要証拠
「国内初」「業界初」「唯一の技術」といった“初モノ”訴求は、消費者にとって魅力的ですが、これらの表現は最も景表法違反のリスクが高い分類です。
①対象市場の定義(国内/グローバル、業界の範囲)
②比較対象(同様のサービスが本当に存在しないか)
③調査方法(どのように確認したのか)
を明示・証明できなければ、「業界初」や「唯一の」表示は使えません。行政処分事例でも、「業界初」をうたって措置命令を受けたケースが複数あります。
3 チェックリスト:AI・最先端技術の広告表現
①「AI」「最新技術」などの用語が誇張なく、実態を反映しているか?
②「業界初」「唯一」などの表示に根拠資料や調査記録があるか?
③AI生成コンテンツの使用にあたり、著作権・肖像権・誤情報リスクの確認を行っているか?
④消費者が“過度な期待”を持たないよう、適切な補足説明がなされているか?
最先端技術を活用することは、大きな強みであり魅力的な訴求ポイントです。だからこそ、その「強み」が過信・過剰表示に変わらないよう、透明で正確な情報提供が求められます。
弊事務所では広告法務に関して総合的にサポートを提供しております。広告法務に関してお悩みの場合は、お気軽にご相談ください。

有森FA法律事務所は、「広告表現に不安があるけれど、何から始めていいか分からない」という方々の力になりたいと考えています。インターネット広告やSNSの普及で、広告に関する法律リスクも多様化してきました。広告チェックに関しては、全国からのご相談に対応しており、WEB会議や出張相談も可能です。地域を問わず、さまざまなエリアの事業者様からご相談をいただいています。身近な相談相手として、お気軽にご連絡ください。
ステルスマーケティング規制とインフルエンサー起用の注意点
「#使ってみた」「大好きな商品です!」「これはガチでおすすめ!」
インフルエンサーや一般ユーザーが投稿する、自然体な“レビュー風”コンテンツは消費者に強く響きます。ですが、企業が報酬や商品提供をしていたにもかかわらず、それを明示しない場合、景品表示法上の「不当表示」(いわゆるステマ)に該当する可能性があります。
2023年10月からは、消費者庁によるステルスマーケティング規制が明文化され、罰則付きの法規制の対象となりました。本稿ではそのポイントをわかりやすく解説します。
1 そもそも「ステルスマーケティング」とは?
ステルスマーケティング(ステマ)とは、「広告・PRであるにもかかわらず、それを隠して宣伝する手法」のことです。
たとえば以下のようなケースが該当します。
①インフルエンサーに報酬を支払っているが、「広告」「PR」と明示せず投稿させる
②モニターや関係者の投稿を、一般ユーザーの感想のように見せる
③企業が自らアカウントを作成し、第三者のふりをして投稿を行う(自作自演)
こうした行為は、消費者にとって「第三者の公平な感想」だと誤認させるため、表示内容がたとえ事実であっても、不当表示として違法となるおそれがあります。
2 2023年景品表示法改正のポイント
ステマ規制が明文化されたことで、以下のような基準が明確になりました。
①事業者の表示であることが消費者にとって明瞭でない場合 → 不当表示とみなされる
②消費者に「事業者が関与している」と分かるように明示しなければならない
③違反すれば、措置命令・課徴金・指導の対象になる
つまり、「広告」「PR」「タイアップ」「提供」などの表示が投稿の目立つ位置に必要であり、単にハッシュタグで一つ添えるだけでは不十分な場合もあるということです。
3 インフルエンサー・PR投稿での実務対応ポイント
インフルエンサーを起用した広告活動では、以下のような対応が求められます。
①表示ルールの共有
投稿前に「#PR」「#広告」「提供:企業名」など、明確な表示ルールを契約・指示する
②表示位置に配慮
ハッシュタグの後半に埋もれていたり、画像や動画の本文内に埋もれている場合、表示が明瞭とは認められない可能性あり
③内容監修の透明性
企業が投稿内容に編集・監修を加えている場合は、広告主責任が発生するため、内容にも適法性を持たせる必要あり
④記録保存
報酬の提供内容・時期・投稿原稿などの記録を保存しておくことも、万一の行政対応や問い合わせ時の対応に役立ちます。
ステマは一度発覚すると、法的リスク以上に「企業への信頼喪失」という大きな代償を招きます。
広告であることを“隠さない”どころか、誠実に明示することで、むしろ消費者の共感を得られる時代です。
インフルエンサー起用においても、正しい表示と責任ある情報発信を徹底することが、長期的なブランド価値につながります。 弊事務所では広告法務に関して総合的にサポートを提供しております。広告法務に関してお悩みの場合は、お気軽にご相談ください。

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「ビフォーアフター写真」の使い方とリスク
「たった1週間でこの変化!」「劇的変化をご覧ください」「ビフォー → アフター」
視覚的インパクトの強い“ビフォーアフター”写真は、特に美容、ダイエット、医療、リフォーム業界などでよく用いられる広告手法です。しかし、表現の仕方や演出によっては、景品表示法の優良誤認表示に該当する可能性があるため、非常に慎重な運用が必要です。
1 なぜビフォーアフター写真がリスクになるのか?
ビフォーアフター写真は、実際に商品やサービスを使用した結果として提示されるものですが、消費者はこれを「誰にでも、同じような変化が起きる」と受け取ってしまう可能性があります。
以下のような場合、法的リスクが生じます。
①個別の事例を、あたかも“一般的な効果”のように見せる
②撮影条件の違い(ライティング、姿勢、衣装、表情など)により変化を誇張して見せる
③加工アプリや画像編集ツールで実態以上に“盛って”いる
これらは、消費者の判断に影響を与える不当な表示として、景品表示法の「優良誤認表示」に該当する可能性があります。
2 行政処分事例にも多数
実際に、次のようなビフォーアフター広告が措置命令や行政指導の対象となったことがあります。
①エステサロンの広告で「1回でウエストマイナス8cm」と表示 → 効果に再現性なし
②健康食品のビフォーアフターで劇的な痩身画像を使用 → 科学的根拠なし
③リフォーム会社の施工事例に、実際の顧客とは無関係な画像を「当社施工例」として使用
たとえ実際の利用者の写真であっても、使い方や印象操作によって“誤認表示”になるリスクがあることに注意が必要です。
3 表示上の工夫と注意点
ビフォーアフター写真を安全に使用するためには、以下のポイントを押さえましょう。
①個人差があることの明示
「※個人の感想です。効果には個人差があります。」という注意書きは必須です。
②再現性があると受け取られないよう配慮する
広告の中で「すべての人に同様の効果を保証するものではありません」と明記する。
③加工・演出を行わない/その旨を表示する
光の当て方や表情だけで印象が大きく変わることもあるため、誠実な演出にとどめる。
④実際の使用者のものであることの確認と同意
本人の同意がないまま写真を使うと、肖像権・パブリシティ権侵害のリスクもあります。
“目で見てわかる”変化は、広告において非常に効果的ですが、その反面、誇張や誤認の温床にもなりやすい表現です。
信頼を得るビジュアル広告とは、「魅せる」だけでなく、「事実を誠実に伝える」こと。その視覚の裏にある真実が、消費者の心を動かします。
弊事務所では広告法務に関して総合的にサポートを提供しております。広告法務に関してお悩みの場合は、お気軽にご相談ください。

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「返金保証・成果保証」表示のトラブル対策
「全額返金保証付き!」「結果に満足できなければ返金します」「絶対に成果が出るまでサポート」
こうした“保証系”の表現は、顧客に安心感を与え、購入の心理的ハードルを下げる効果があります。しかし、実際には返金が難しい条件だったり、成果の定義が曖昧であったりすると、景品表示法違反や特定商取引法違反に該当する可能性があります。
実際に消費者庁から措置命令が出された例もあり、表現内容と契約実態との乖離には特に厳しい目が向けられています。
1 「返金保証」と表示するなら、その条件は広告に明示すべき
返金保証は、あくまで「条件を満たした場合に返金する制度」であるため、保証の内容・条件・期間・返金方法などを明確に表示しないまま“保証付き”と謳うのは有利誤認表示に該当する可能性があります。
典型的なNGパターンとしては、
①「返金保証あり」と大きく表示しているが、実際は厳しい条件(例:使用済み不可、一定期間内に書面申請、返送料顧客負担)
②保証の適用には顧客が予想しない義務がある(例:写真提出、アンケート記入)
③広告に一切条件が記載されておらず、購入後にしか詳細がわからない
こうしたケースは、「実質的に返金されないのに返金されるかのように見せる」ことになり、不当表示や不実告知と判断されかねません。
2 「成果保証」はさらに慎重に扱うべき
「成果保証」は、“結果が出ることを約束する”という意味合いを持ちます。したがって、達成基準や成果の定義が曖昧なまま「保証」を謳うと、法的リスクはさらに高まります。
よくあるNG例としては、
①「英語力アップを保証」と表示しているが、何をもって“アップ”とするのか不明
②「必ず痩せます」→ 体重何kg減?期間は?どんな人でも?
③「売上2倍保証」→ 達成できなかったときの対応が明示されていない
「成果」を保証する以上、その成果が誰にでも、どんな状況でも再現可能であるという合理的根拠資料(エビデンス)が必要です。再現性の乏しい成果を約束することは、不当な表示とされるリスクが極めて高いといえます。
3 表示上の注意点と対応策
返金保証・成果保証に関する広告表現を行う際は、以下の点に注意しましょう。
①保証内容の範囲(返金の対象となる商品・サービス、部分・全部)
②保証の条件・期限(例:30日以内に申請、未使用に限る 等)
③顧客側に発生する手間・コスト(返送料・手数料など)
④申請方法の明確化(フォーム・書類・連絡先の明示)
⑤成果の定義と達成基準(成果保証の場合)
これらの情報は、広告中にしっかり表示するか、リンク先ですぐ確認できるようにすることが求められます。
「保証」は、顧客との信頼関係を築くうえで重要な制度ですが、それを“広告”として活用する以上、誤認のない透明な説明責任が不可欠です。
“条件付きの安心”を誠実に伝えることで、むしろ顧客の信頼を高めることができます。
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「無料・0円」表示の落とし穴と注意点
「初回無料!」「0円スタート!」「完全無料で体験できます」
こうした“無料・0円”という表現は、顧客の心理的ハードルを大きく下げる強力な広告手法です。しかし、実際には費用がかかる、または条件があるにもかかわらず“無料”と表示していると、景品表示法や特定商取引法違反に該当するリスクがあります。
とりわけ、定期購入・サブスクリプション・体験サービスで多発している表示トラブルについて、本稿ではそのポイントを整理します。
1 「無料」表示における法的ルールの基本
景品表示法では、「実際の取引条件より著しく有利であると誤認させる表示」(=有利誤認表示)を禁止しています。
つまり、「無料」と表示する以上、消費者が本当に一切の負担なく利用できることが前提です。
NG表示の典型例としては、
①「0円」と表示しながら、送料や手数料が発生する
②初回無料としつつ、2回目以降の自動継続を前提とした契約である
③「無料相談」と表示しているが、実際には30分を超えると課金される
④「無料トライアル」中に解約しないと自動的に有料契約へ移行するが、その事実が目立たない
このようなケースでは、「無料」という表示が消費者の誤認を誘う不当表示と判断される可能性があります。
2 特に問題になりやすい「定期購入」「サブスク」
「初回無料」「初月0円」などの表示が最も多く使われるのが、定期購入型の商品やサブスクリプション型サービスです。しかし、実際には“1回だけでやめられない”契約条件であるにもかかわらず、「無料」を前面に出している場合、景表法・特商法の両方に抵触するリスクがあります。
たとえば以下のような条件付き契約は要注意です。
①「初回無料だが、最低3回の継続購入が必須」
②「無料期間が終わると、自動的に有料会員に移行」
③「無料体験はクレジットカード登録が必要、登録と同時に有料プランへ自動移行」
これらの条件は、広告上で明確に表示しなければ、「0円」という訴求が誤認表示となりうるため、慎重な対応が必要です。
3 リーガルチェックのポイント
①「0円」「無料」と表示しているが、別途費用が発生していないか?
②定期購入や有料移行の条件を、広告上で明確に示しているか?
③解除・解約の方法は、簡便かつわかりやすく表示されているか?
④「無料相談」や「無料診断」の範囲や時間制限が明示されているか?
⑤表示に対する社内でのチェック体制・表示根拠の保管は整っているか?
「無料」という言葉は、消費者にとって魅力的であるがゆえに、一歩間違えば“騙された”と強く反発を招く表現でもあります。
だからこそ、“無料”は誠実さをもって扱うべきキーワード。透明性をもって説明責任を果たすことが、結果的にブランド信頼と継続利用につながります。
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「期間限定・数量限定」の信頼性と表示責任
「今だけ!」「期間限定セール実施中」「先着100名様限定」「在庫わずか!」
こうした“限定”の表現は、購買の背中を押す非常に強力な広告手法です。しかし、実際には期間や数量の限定がなされていない、あるいは事実と異なる場合には、景品表示法の「有利誤認表示」に該当するリスクがあります。
消費者庁も過去に複数の措置命令を出しており、「煽り系広告」の代表的な規制対象といえる表現です。
1 限定表示は「実態」が伴っていなければNG
景品表示法では、「取引条件が実際より著しく有利であると誤認させる表示」を禁止しています。「限定感」は“有利さ”の演出そのものであり、根拠のないまま使用することは違法とされる可能性が高いのです。
よく見られるNG例としては、
①「期間限定」と表示しながら、終了後も同じ価格や内容で継続販売している
②「残りわずか」としていた商品が、実際には在庫多数存在していた
③「先着100名限定」としていたが、数に達してもキャンペーンを続けていた
こうした表示は、消費者に“今買わなきゃ損”という誤った判断を促すものとして、有利誤認に該当する可能性があります。
2 「期間限定」表示で求められる3つの条件
①具体的な期間を明示していること
例:「2025年4月1日〜4月30日まで」「今週末限定」など
→「今だけ!」「期間限定中」だけでは不十分です。
②その期間を過ぎたら特典が終了すること
終了後も内容が続く場合は、「限定」と呼べません。
③実際に終了・切り替えを行っていること
常に“セール状態”となっている場合、「期間限定」は虚偽表示とされます。
3 「数量限定」表示は特に証拠の保管が重要
「限定100個」「残り5点」「先着50名」などの数量系表示では、“表示通りの数だけ販売した”ことを証明する責任(証明責任)は広告主側にあります。
①表示時点での在庫管理データ
②販売開始・終了日時、対象数量の記録
③在庫表示を自動更新していない場合の手動更新履歴
これらを広告の掲出とあわせて保管しておくことが、万一指摘された場合の“自己防衛策”となります。
「限定」という言葉は、消費者にとって“買う理由”になる強い表現です。だからこそ、そこに根拠と誠実さがなければ、一気に信頼を失う表現にもなり得ます。
“今だけ”をうたうなら、本当に「今だけ」であることを証明できるか?この意識が、企業のブランド価値と法的安全性の両立につながります。 弊事務所では広告法務に関して総合的にサポートを提供しております。広告法務に関してお悩みの場合は、お気軽にご相談ください。

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「割引・セール表示」の有利誤認を回避する方法
「通常価格9,800円 → 今だけ3,980円!」「定価から50%OFF」「期間限定セール実施中」
こうした割引表示は、購買意欲を刺激する広告表現として非常に有効です。しかし、実態に即していない“割引の演出”は、景品表示法上の「有利誤認表示」として違法とされるリスクがあるため、十分な注意が必要です。
1 景品表示法における「有利誤認表示」とは?
有利誤認表示とは、「実際よりも取引条件(価格・サービス内容など)が著しく有利であると誤認させる表示」のことです。割引・セール表示はまさにその代表例であり、“元の価格”が存在しない、または形式的なものであった場合、違法となる可能性が高くなります。
2 NG例:こんな割引表示はリスク大
①「通常価格」として表示している価格が、過去に実際に販売されていなかった
②常に「タイムセール」「期間限定割引」を表示しており、“限定感”が実態と異なる
③ほとんどの顧客が特典を受けられない条件付き価格を、目立つ場所に表示している
④「半額!」と表示しているが、元値が自社で自由に設定された価格(定価ではない)
こうした表示は、実際には消費者に有利でないにもかかわらず、有利に見せることで購買意欲を煽っており、不当表示として措置命令や課徴金納付命令の対象となる可能性があります。
3 「通常価格」には客観的根拠が必要
割引表示の適法性の鍵となるのは、「通常価格」に相当する金額が実際に販売された価格であるかどうかです。具体的には、
①一定期間(目安:過去2週間以上)
②相当な数量・件数(特定の1~2件ではNG)
③継続的に販売されていた価格
これらを満たしていなければ、「通常価格」と表示することはできません。たとえば、一度も9,800円で販売されていない商品に「通常価格9,800円→特価3,980円」と表示するのは違法です。
4 「セール期間」「割引条件」の表示は明確に
割引表示が適法であっても、その適用期間や条件を小さく、あるいは曖昧に表示することで消費者に誤認を与える表現もNGです。
たとえば、
①「期間限定」としながら、実際には常時割引状態
②「会員限定割引」を全体広告で大きく表示し、会員条件を目立たない場所に記載
③「残り〇個!」と表示して在庫を少なく見せる演出が常態化している
これらは、景表法の“実態に即した表示義務”に反する可能性があります。
割引やセール表示は、誠実に運用すれば売上向上に大きく寄与する表現です。しかし、一時的な集客効果を狙って“誇張された価格訴求”を行うと、企業全体の信頼性が損なわれ、法的リスクも大きくなるおそれがあります。
“本当の値引き”こそが、消費者の信頼とリピートにつながることを意識して、表現を設計することが重要です。
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比較広告の合法ラインとNG事例
「他社より安い」「他社製品より高性能」「従来品と比較して◯%向上
こうした“比較広告”は、商品・サービスの優位性をわかりやすく伝える手段として有効です。しかし、比較の方法や表現の仕方を誤ると、景品表示法違反や不正競争防止法違反に該当する可能性があります。
本記事では、比較広告に関する法的ルールと、実務上の注意点をわかりやすく整理します。
1 比較広告に関する基本ルール
比較広告は、消費者の合理的な選択に資するものであれば許容されるとされています。ただし、次の3つの条件をすべて満たす必要があります(消費者庁「景品表示法に基づく表示に関する公正競争規約等」より)。
①比較内容が客観的事実に基づいていること
②比較方法が公正であること
③他社・他製品を誹謗中傷する内容でないこと
この原則に基づき、広告表現が適切であるかどうかを判断していく必要があります。
2 適法な比較広告の例
①「A社製品と比較して消費電力が30%少ない(当社調べ・2024年3月)」
②「当社のスマホは、同価格帯の他社製品よりも処理速度が平均15%速い(ベンチマーク試験による)」
③「従来品より、吸引力が20%向上(JIS試験方法に準拠)」
これらは、具体的な比較対象・基準・出典・時期が明記されており、かつ客観的な数値に基づいているため、法的にも比較的安全といえます。
3 NG比較広告の典型例
以下のような表現は、景表法違反(優良誤認表示・有利誤認表示)や不正競争防止法(信用毀損)に抵触するリスクがあります。
①「他社製品は古くて時代遅れ。当社だけが最新技術」
②「他社は価格が高すぎる。当社なら激安」
③「B社製品より絶対に効果あり!(根拠不明)」
④「従来品より改善」→ 何がどう改善されたか明記されていない
これらは、事実に基づかない、誤認を招く、または他社を貶める内容であるため、適法性に欠ける可能性が高いです。
4 「従来品との比較」も要注意
比較広告の中でも、「自社の旧モデルと新製品の比較」は比較的使いやすい表現ですが、以下の点に注意が必要です。
①旧製品のスペックやデータを明確に記載しているか?
②新旧製品の条件(使用環境、試験条件等)が揃っているか?
③消費者が誤認しないよう、どの程度の改善かを定量的に記載しているか?
例:「従来品より30%静音化(当社試験による)」はOKですが、「音が気にならなくなった!」のような主観的・あいまいな表現はNGリスクがあります。
比較広告は使い方次第で非常に効果的ですが、「優位性のアピール」と「誤認表示」の間に細い境界線がある表現です。
法的な視点から「比較のしかた」「根拠の出し方」「表現のバランス」を見直すことで、競合と差別化しつつ、信頼される広告を作ることができます。 弊事務所では広告法務に関して総合的にサポートを提供しております。広告法務に関してお悩みの場合は、お気軽にご相談ください。

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「医師監修・専門家推薦」表示の法的ハードル
「医師監修」「専門家推奨」「〇〇士が推薦!」
こうした表現は、商品・サービスの信頼性を高める強力な広告手法です。特に健康・美容・教育・金融など、専門性が重視される分野で多用されますが、実態に伴わない表示を行うと、景品表示法違反や業法違反に該当するリスクがあるため、慎重な運用が求められます。
1 「医師監修」は何を意味するのか?
「監修」とは一般的に、「内容の正確性や専門性について確認・指導すること」を指します。よって、「医師監修」と表示する場合には、実際に医師が内容確認・指導を行っている事実がなければ、虚偽表示や優良誤認表示とみなされる可能性があります。
たとえば以下のような表示には注意が必要です。
①一度だけ意見を聞いただけで「監修」と表示
②医師の関与が古く、現行の内容に影響していない
③名義貸し的に名前だけを使っている
これらは、「監修」と呼ぶには不十分な関与である場合、誤認を与える表示(景表法違反)とされるおそれがあります。
2 「専門家推奨」の場合も根拠が問われる
「〇〇士が推奨」「管理栄養士も推薦」「金融のプロが勧める」といった表現もよく見られますが、これも“誰がどのような根拠で推薦しているのか”が明示されていない場合には、優良誤認表示のリスクがあります。
注意すべきポイントとしては、
①実在の専門家が明確な根拠を持って推薦しているか?
②実際に使用した上での推薦か、それとも金銭的契約によるものか?
③複数の専門家の声を使っている場合、全員の同意・監修実績はあるか?
特に、報酬を受け取って推薦している場合には、ステマ規制の対象にもなるため、「広告表示の明示」が必要になるケースもあります。
「医師も推薦!」「専門家も納得!」など、抽象的な表現は具体的な関与が不明確であり、誤認の原因となります。消費者が、「あたかもその専門家全員が製品の品質を保証している」かのような印象を持つような表示は、避けなければなりません。
3 広告表示の文脈も重要です
また、表示に医師や専門家の顔写真・氏名・肩書きを使用する場合には、本人の許諾を得るとともに、表示する内容の正確性や現在性(最新性)を担保することも必要です。
4 リーガルチェックのポイント
①実在の医師・専門家か? 表示内容について本人の監修・同意があるか?
②推薦の根拠・内容が明確かつ客観的に説明できるか?
③使用している顔写真・肩書き等が事実と相違ないか?
④製品が薬機法対象かどうかを確認済みか?
⑤報酬提供がある場合、「広告表示」がなされているか?(ステマ対策)
「医師監修」「専門家推薦」は、適切に使えば大きな広告効果がありますが、その“信頼性”こそが、最も厳しく問われる表現でもあります。
一時的な訴求力ではなく、長期的に信頼されるブランドを築くためにも、法令遵守に基づいた慎重な運用が必要です。 弊事務所では広告法務に関して総合的にサポートを提供しております。広告法務に関してお悩みの場合は、お気軽にご相談ください。

有森FA法律事務所は、「広告表現に不安があるけれど、何から始めていいか分からない」という方々の力になりたいと考えています。インターネット広告やSNSの普及で、広告に関する法律リスクも多様化してきました。広告チェックに関しては、全国からのご相談に対応しており、WEB会議や出張相談も可能です。地域を問わず、さまざまなエリアの事業者様からご相談をいただいています。身近な相談相手として、お気軽にご連絡ください。
