かつて、医療機関のホームページ(HP)は「広告」規制の対象外とされていました。しかし、美容医療トラブルの急増を受け、2018年の医療法改正により、HPもチラシやCMと同様に「広告」として規制されることになりました。 これにより、多くのクリニックのサイトが法違反の状態(グレーゾーン)に陥っています。
このページの目次
1 禁止される表現(NG例)
以下の表現は、たとえ事実であってもHPに掲載することはできません。
①比較優良広告:「地域No.1」「県内最高の技術」「○○クリニックより安い」
②誇大広告:「絶対に治る」「100%安全」「パーフェクトな小顔」
③体験談:患者の主観に基づく体験談や口コミの掲載は、内容の真偽を問わず全面禁止です(Googleマップ等の外部サイトは除く)。
2 ビフォーアフター写真の「限定解除」要件
以前はHPでのビフォーアフター掲載も原則禁止でしたが、現在は「詳細な説明」を併記する場合に限り、掲載が認められています。具体的には、写真のすぐ近くに以下の情報を網羅する必要があります。
①治療内容
②費用等(標準的な金額)
③治療に伴う主なリスク、副作用
単に写真を並べて「こんなに綺麗になりました!」と書くだけでは違法です。「腫れ、内出血のリスク」「総額○○万円」といったネガティブ情報も隠さず書かなければなりません。
3 キャンペーン価格と二重価格
「今だけ半額」「モニター価格」といった表示も、不当な誘引(品位を損なう内容)として規制対象になる場合があります。 また、HPに安価な料金を表示しておきながら、来院すると高額な契約を迫るような行為は、特定商取引法や消費者契約法違反も問われる重大なコンプライアンス違反です。
医療広告ガイドラインの遵守は、医療機関の経営において避けては通れない最優先事項です。もし規制に抵触すれば、単なる行政指導に留まらず、是正命令や中止命令、さらには悪質なケースでは懲役や罰金といった厳しい刑事罰までもが明確に規定されています。 特にホームページのリニューアルや新規LPの制作時には、「限定解除」の要件を満たしているか、あるいは比較優良広告や誇大広告に該当していないかなど、極めて細部まで厳格な判断が求められます。意図せぬ違反によって医療機関の社会的信用を失わないためにも、制作の初期段階から医療法務に精通した弁護士によるリーガルチェックを組み込み、安全性を担保することが不可欠です。

有森FA法律事務所は、「広告表現に不安があるけれど、何から始めていいか分からない」という方々の力になりたいと考えています。インターネット広告やSNSの普及で、広告に関する法律リスクも多様化してきました。広告チェックに関しては、全国からのご相談に対応しており、WEB会議や出張相談も可能です。地域を問わず、さまざまなエリアの事業者様からご相談をいただいています。身近な相談相手として、お気軽にご連絡ください。
