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医療機関・クリニックにおける広告と法的規制
1 医療広告ガイドラインについて
美容外科、歯科、皮膚科、AGAクリニック、自由診療クリニックなど、医療機関による広告はここ数年で非常に多様化しています。しかし、医療に関する広告には特有の厳格な法規制が存在し、一般的な業種とは異なる広告ルールが適用されます。中でも中心となるのが、医療法および医療広告ガイドラインです。
まず大前提として、医療機関の広告には、原則として掲載できる事項が限定されているという特徴があります。たとえば、広告できるのは以下のような情報に限られています。
①診療科目、診療時間、所在地、医師の氏名
②診療内容の具体的な説明(ただし公正で客観的なものに限る)
③治療実績や設備、費用(一定の条件下で表示可能)
このように、「医療広告は原則禁止、例外的に許可された内容のみ可」というスタンスであることを理解しておくことが重要です。
2 問題となる広告表現
問題となる広告表現には、以下のようなものがあります。
①「絶対に治ります」「100%成功」などの断定的表現
②「痛くない」「1日で治療完了」などの主観的・誇張的表現
③芸能人や有名人の写真を用いた治療結果の例示(体験談含む)
④ビフォーアフター写真の掲載(特定条件下を除き原則不可)
これらの表現は、医療法によって禁止されているか、あるいは「医療広告ガイドライン」により厳しく制限されています。特にビフォーアフター写真や体験談の掲載については、2023年現在でも違反広告の代表例として繰り返し指摘されています。
さらに、自由診療クリニックや美容医療の分野では、景品表示法の「優良誤認表示」に該当する可能性もあります。たとえば、「二重術で理想の目元に!」「10歳若返る美肌治療」など、実際より著しく優れていると誤認させる表現は、医療法と景表法の双方に違反するリスクがあります。
3 リーガルチェックのポイント
医療機関の広告における主なリーガルチェック項目は以下のとおりです。
①医療広告ガイドラインに定められた事項以外の表示をしていないか
②治療の安全性・効果について断定的な表現をしていないか
③ビフォーアフター写真や体験談を無条件に掲載していないか
④根拠のない「安さ」「安心」「人気」などの表示を行っていないか
⑤自由診療の価格は税込・自費であることを明確に表示しているか
なお、医療広告の監視は年々強化されており、都道府県の衛生主管部局や厚労省が指導・勧告を行うケースも増加しています。違反広告が問題視されれば、改善命令、公表、最悪の場合は行政処分に発展する可能性もあります。
医療広告は、患者の健康や命に直接関わる情報であるからこそ、「安心・信頼」の根拠は法令遵守に裏打ちされる必要があるのです。
弊事務所では広告法務に関して総合的にサポートを提供しております。広告法務に関してお悩みの場合は、お気軽にご相談ください。

有森FA法律事務所は、「広告表現に不安があるけれど、何から始めていいか分からない」という方々の力になりたいと考えています。インターネット広告やSNSの普及で、広告に関する法律リスクも多様化してきました。広告チェックに関しては、全国からのご相談に対応しており、WEB会議や出張相談も可能です。地域を問わず、さまざまなエリアの事業者様からご相談をいただいています。身近な相談相手として、お気軽にご連絡ください。
金融業界の広告における規制とチェックポイント
金融業界では、ローン・クレジットカード・保険・証券・投資信託・仮想通貨など、幅広い金融商品が広告対象となります。
しかし、これらの広告は法律による規制が非常に多岐にわたり、景品表示法に加え、金融商品取引法、貸金業法、保険業法など複数の法令の適用を受けるため、特に慎重なリーガルチェックが求められます。
1 金商法にはご注意ください
たとえば、投資関連の広告においては、金融商品取引法(いわゆる「金商法」)により、虚偽記載や誤認を招く表示が禁止されています。代表的な問題表現は以下の通りです。
①「元本保証」「絶対儲かる」などの断定的な利益保証
②実際にはリスクの高い商品に「安全・確実」などの表現を用いる
③高騰した実績だけを強調し、過去の暴落やリスクを伏せる表現
④リターン情報だけ記載し、手数料や元本割れリスクを目立たせていない広告
これらはいずれも誤認を生じさせる表示に該当し、金融庁や消費者庁から行政処分・業務改善命令を受ける可能性があります。
2 その他の法規制
また、ローンやクレジットカードの広告では、貸金業法および割賦販売法の規制対象となります。金利・返済期間・手数料などについて正確な表示が義務付けられており、たとえば以下のような表現は問題となります。
①実質年率や遅延損害金などの開示がない
②「無審査」「誰でも借りられる」といった誤解を招く誘引
③初回のみの金利を大きく強調し、2回目以降の条件を小さく表示する
これらは「誇大広告」「不当な誘引」として、違法性が問われる場合があります。特に、資金に困っている消費者に誤解を与える広告は、社会的非難も大きくなります。
さらに、保険商品を取り扱う場合には保険業法が関わってきます。保険に関する広告では、保障内容・免責事項・支払い条件などの重要な情報を適切に表示しなければならず、誤解を招くような表現や比較広告には厳しい制限があります。
近年では、金融系YouTuberやSNSでの投資情報の発信も増えていますが、それらが広告である場合には、「広告であることの明示」および誤認防止の配慮が不可欠です。景表法のステマ規制や金商法による誇大表示の禁止は、個人や企業を問わず適用されます。
3 リーガルチェックの際のチェックポイント
金融業界の広告におけるチェックポイントは以下の通りです。
①利益保証・断定的表現を避ける(例:「確実に儲かる」など)
②リスク・手数料・条件なども平等なバランスで表示する
③金融商品ごとの関連法令(貸金業法・金商法・保険業法など)を確認する
④動画・SNS等の媒体を使う場合でも表示責任は変わらないことを意識する
⑤広告表示と実際の商品説明に齟齬がないよう整合性を保つ
金融広告は、誤認や過剰な誘引があると法的リスクだけでなく、企業の社会的信頼も大きく損なう結果になります。だからこそ、高い透明性と誠実な表現が求められるのです。
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教育・スクール業界の広告に潜むリスクと景表法のチェックポイント
学習塾、予備校、通信講座、資格スクール、英会話教室など、教育・スクール業界では、受講者の成績向上や合格実績を訴求する広告が日常的に展開されています。
しかし、こうした広告は、消費者(受講希望者や保護者)の期待値が高い分、表示内容に根拠がなかったり誤認を招く表現を用いると、法的リスクが非常に高くなる分野です。
1 景表法にはご注意ください
教育業界の広告が規制される主な法律は、景品表示法です。特に、「優良誤認表示」に該当するかどうかが焦点になります。
たとえば以下のような表現は、注意が必要です。
①「合格率95%!※当社比」など、算出根拠があいまいな成功実績
②「偏差値30から東大合格」など、実例の誇張や再現性の説明がない表示
③「受講生の8割が年収アップ」などのデータ表示に、出典や調査方法が明記されていないケース
④「日本最大級」「No.1」「絶対合格」など、定義や比較根拠が不明確なスローガン
このような表示は、合理的な根拠資料がない限り、違法とされる可能性が高く、過去にも大手スクール事業者が行政処分を受けた事例があります。
特に「合格率」「成績アップ率」などは、数字で訴求することで説得力が増す一方、その裏付けとなる調査対象・期間・対象者数・条件などが明示されていなければ、景表法違反と判断されるリスクがあるため、非常に慎重な運用が求められます。
2 口コミの利用にもご注意ください
また、「保護者の声」「生徒の体験談」などもよく使われる手法ですが、実在の人物の発言であることを示す根拠が必要です。
架空の感想、あるいは事実と異なる脚色がされている場合は、消費者を誤認させる表示となる可能性があります。
教育業界では、広告内容が未成年者やその保護者に与える影響も大きく、企業としての説明責任と誠実さがより強く求められます。そのため、広告制作の際には、以下のようなチェック体制を整えることが推奨されます。
①合格実績や成績向上に関する表示には、必ずエビデンス(資料)を準備する
②表現の「再現性」や「条件」を明確に記載する(例:「当社模試を複数回受講した生徒に限る」など)
③インタビュー形式や体験談には、実在性と事実性を担保する証拠を保持する
④比較表現やナンバーワン表示は、出典・調査主体・調査時期・方法を明記する
特に競争が激しい都市部では、少しでも差別化を図ろうとするあまり、誇張や不適切な表示に踏み込んでしまうケースも見受けられますが、それは短期的な効果にとどまり、法的リスクやブランド毀損につながる恐れがあります。
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人材紹介・派遣業界における広告のルールとリーガルチェック
人材紹介・派遣業界では、求職者を惹きつけるために、求人情報や就業先の魅力をアピールする広告が数多く展開されています。ですが、表現の仕方を誤ると、職業安定法・景品表示法・労働者派遣法などの法令に抵触するおそれがあり、他の業種とは異なる慎重さが求められる領域です。
1 求人広告と法規制
まず、求人広告で最も基本となるのが、職業安定法およびその下位法令である「職業紹介事業者指針」、「募集情報等提供事業に関する指針」などの規制です。これらでは、求職者が就業先を選ぶにあたって誤解を招かないよう、正確かつ最新の情報を掲載することが義務付けられています。
たとえば、以下のような広告表現は法的リスクを伴います。
①実際には埋まっている求人を「募集中」と表示し続ける
②月収例に「残業代込み」「インセンティブ込み」の金額のみを掲載し、内訳を明示しない
③「正社員登用率90%」と表示しながら、根拠となるデータがない
④「未経験歓迎」と書かれていても、実際には実務経験が必須
このような表示は、職業安定法違反や景表法の優良誤認表示に該当する可能性があります。特に、給与・雇用条件・勤務地といった『生活に直結する情報』については、誇張やあいまいな表現は避けなければなりません。
また、派遣業界では労働者派遣法にも留意する必要があります。派遣スタッフを募集する際には、派遣先企業名、業務内容、派遣期間、労働条件等の詳細を明示することが求められています。特定の派遣先との関係性や待遇面について、実態と異なる内容を記載した場合、行政指導や許可取消のリスクもあり得ます。
2 リーガルチェックのポイント
さらに、最近では、求人情報をSNS広告で拡散したり、動画・漫画形式のコンテンツを活用するケースも増えています。こうした表現方法においても、消費者(求職者)が事実と異なる内容を信じる可能性がある場合は、不当表示とされる可能性があります。
リーガルチェックのポイントとしては、以下のような視点が重要です。
①募集情報は事実に即しているか(虚偽表示の排除)
②給与・休日・福利厚生などの条件が明確かつ具体的に示されているか
③表現の裏付けとなるエビデンスやデータが存在するか
④法律に基づく表示義務(例:派遣契約に関する明示事項)が守られているか
人材業界における信頼性は、求人広告の正確さに大きく左右されます。 過剰な演出や『釣り広告』のような手法は、短期的な反応を得られたとしても、長期的には企業の評判やコンプライアンスに悪影響を及ぼしますので十分な注意が必要でしょう。

有森FA法律事務所は、「広告表現に不安があるけれど、何から始めていいか分からない」という方々の力になりたいと考えています。インターネット広告やSNSの普及で、広告に関する法律リスクも多様化してきました。広告チェックに関しては、全国からのご相談に対応しており、WEB会議や出張相談も可能です。地域を問わず、さまざまなエリアの事業者様からご相談をいただいています。身近な相談相手として、お気軽にご連絡ください。
不動産業界における広告表現と景表法・宅建業法の注意点
不動産業界においては、マンションや戸建住宅、土地、賃貸物件などの広告が日常的に行われています。物件の魅力をアピールすることは販売促進に不可欠ですが、その表現内容については景品表示法だけでなく、業界特有の宅地建物取引業法(宅建業法)にも注意が必要です。
1 景表法にはご注意ください
まず景品表示法においては、不動産広告も「不当表示」の規制対象となります。
たとえば、「駅徒歩5分」と表示されているにもかかわらず、実際には信号や踏切などを考慮するとそれ以上かかる場合、優良誤認表示として問題となる可能性があります。
不動産広告では、「徒歩1分=80メートル」で計算するという業界基準がありますが、あくまで実際の距離や所要時間との乖離がないよう注意が必要です。
また、「先着○名様限定価格」や「今だけキャンペーン」などの価格訴求に関しても、有利誤認表示のリスクがあります。これらの表現を行う際は、通常価格が明確であること、割引や特典の期間・条件が明確であり、かつその実態が裏付けられる資料があることが求められます。
2 宅建業法にもご注意ください
さらに、宅建業法では、不動産広告に特有の規制が設けられています。
たとえば、物件の概要、所在地、取引態様(売主・代理・媒介など)などを必ず明示しなければならないとされています。加えて、未完成物件の広告を行う場合には、建築確認を受けた後でなければならないという制限もあり、タイミングを誤ると違法広告とみなされる可能性があります。
他にも、宅建業法施行規則では以下のような禁止事項が列挙されています。
①「完全南向き」など、事実と異なる誇大表現
②「絶対に値上がりします」など、将来の不確定な事項について断定する表示
③実際には提供できない設備やサービスの記載(例:未設置のオートロック、ペット可など)
これらは、宅建業法違反として業務停止処分や指導の対象となる可能性があります。
不動産業界は高額商品を扱うため、消費者が広告から得る情報の影響は非常に大きいといえます。そのため、誇張された表現や根拠の乏しい表示は、単なる軽率なミスでは済まされません。
不動産広告における法務チェックのポイントは、以下のとおりです。
①表示内容に誤認を与える表現がないか(景表法)
②表示された価格・条件に客観的な裏付けがあるか
③宅建業法に基づく必要事項がすべて記載されているか
④実際の物件状況や提供条件と広告表現が整合しているか 制作段階からリーガルチェックを導入し、チェックリストの運用や定期的な監査を行うことで、トラブルの未然防止と企業の信用維持につながります。

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健康食品業界の広告表現と薬機法・景表法の注意点
健康食品業界は、広告表現の自由度が高い一方で、薬機法や景品表示法の違反が特に多く指摘される分野です。サプリメントや栄養補助食品などの商品は、体調の改善や健康維持への期待が高いため、広告でもつい「効く」「治る」といった表現を用いたくなりがちですが、それが法的リスクを招く原因になります。
1 健康食品は医薬品ではありません
まず大前提として、健康食品は医薬品ではありません。
そのため、「○○が治る」「糖尿病が改善する」「がん予防に効果がある」など、治療効果や疾病の予防・治癒を示唆する表現は、薬機法に違反します。これは明確な違法表現であり、行政指導・指名公表・業務停止といった厳しい処分が行われることもあります。
では、曖昧な言い回しなら大丈夫かというと、そうではありません。
「体が軽くなった」「毎朝スッキリ」といったぼかした表現でも、消費者が“疾病の改善効果がある”と受け取る可能性があれば、違法とされるケースもあります。実際に、こうした主観的表現が景品表示法の「優良誤認表示」として摘発された事例もあります。
また、健康食品の広告では、「モニター100人中98人が効果を実感!」のように統計的な数字を使った訴求がよく見られます。
しかし、こうした表示を行う場合には、調査方法やサンプルの妥当性、データの公正性が問われます。調査が偏っていたり、第三者による検証がされていなかったりすると、「合理的根拠資料」としては認められません。
2 ステマ規制にはご注意ください
さらに、インフルエンサーマーケティングとの親和性が高い業界でもあり、SNS上での口コミ投稿や体験談も活用されています。
これについても、2023年の景表法改正により、いわゆる「ステマ規制」が導入され、企業から報酬や無償提供を受けているにもかかわらず、広告であることを明示しない投稿は違法となりました。
健康食品業界においては、以下のようなチェックポイントが特に重要です。
①効能効果の表現は医薬品的でないか(薬機法)
②誇大広告・根拠のない効果表示になっていないか(景表法)
③体験談やアンケート結果は裏付け資料があるか
④広告であることが明確に表示されているか(ステマ対策)
これらを適切に管理するためには、広告制作の初期段階から法務部門や顧問弁護士が関与し、エビデンス(根拠)と表現の整合性を一貫してチェックする体制が不可欠です。
「信頼される商品は、信頼される広告から」。健康を扱う業界だからこそ、誠実な広告表現が、長期的なブランド価値を支えることになるのです。

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美容業界の広告表現とリーガルチェックの注意点
美容業界では、化粧品・エステ・美容機器など、見た目の変化や体感効果を訴求する広告が多く見られます。
しかし、こうした広告表現は、消費者の期待を大きく喚起する一方で、景品表示法違反や薬機法違反のリスクが非常に高い分野でもあります。
1 景表法上の注意点
まず、広告法務において最も重要なのは、景品表示法への適合性です。
たとえば、「たった1回でシミが消える」、「10歳若返る美肌へ」といった表現は、優良誤認表示に該当するおそれがあります。これらは、科学的・医学的根拠がない限り、消費者を誤認させる表示として問題視される可能性が高いものです。
また、美容業界では薬機法(旧薬事法)も重要な規制法令です。
化粧品はあくまで「皮膚を清潔にする」「肌を整える」といった効能の範囲が限定されており、「シミが消える」「ニキビが治る」などの治療効果を示唆する表現は、医薬品の効能表示にあたるため違法となります。実際、薬機法違反により行政処分を受けた広告事例も多数存在します。
2 ステマ規制にはご注意を
さらに、SNSやインフルエンサーを活用した美容広告では、ステマ規制にも注意が必要です。企業が報酬を提供しているにもかかわらず、インフルエンサーが「個人の感想」として投稿を行った場合、それが広告であることを明示していなければ、景表法上のステマ表示として行政処分の対象になる可能性があります。
美容業界では、感覚的・印象的な表現が好まれる傾向にありますが、それだけに「エビデンス(合理的根拠)」の確認が重要です。第三者機関による臨床試験、ユーザーアンケート、過去の販売実績などが裏付け資料として活用されるケースが多いですが、表示との整合性が取れていないと無効と判断されることもあるため、注意が必要です。
3 広告製作段階での対策
広告制作の段階では、以下のような対策が有効です。
①表現ごとに薬機法と景表法の両面からチェックを行う
②効果・効能を示唆する文言には必ず根拠資料を添える
③「個人の感想」表示の乱用を避け、統計的裏付けを検討する
④ステマと誤認されないよう、広告表示の明確化を徹底する
美容に関する表現は、消費者の「期待」を裏切るとクレーム・炎上・行政指導といった深刻なトラブルに直結します。だからこそ、攻めのマーケティング戦略と守りのリーガルチェックは、表裏一体である必要があります。
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広告法務の基本④広告制作フローにおけるリーガルチェック体制の整え方
本日は、広告制作の現場で実際にどのようにリーガルチェックを組み込むべきか、実務的な観点からご紹介いたします。
前提として、広告制作はスピード感が求められる業務です。
企画・デザイン・マーケティング等の複数の部門、担当者が関わり、加えて外部の制作会社や広告代理店といった存在が関与するケースも一般的です。
そうした中で、リーガルチェックのタイミングや方法を誤間違えると、せっかく制作した広告が法的リスクを抱えたまま公開され、後から修正・差し止め・行政指導等といった事態に発展しかねません。
そこで重要なのが、「広告制作フローの中に、リーガルチェックを当然のものとして先に組み込んでおく」という考えになります。
1 体制構築について
例えば、以下のような体制構築が考えられます。
①企画段階から法務部門が関与する体制をつくる
広告表現の自由度が高い初期段階にこそ、法務の観点を取り入れることがリスク回避につながります。例えば「業界No.1」や「医師推奨」などの表現を使いたいという提案が出た時点で、根拠資料の有無を検討し、対応可能かどうかを判断します。
② 表現案ごとに裏付け資料(エビデンス)を整理しておく
「合理的根拠資料」の提出を求められるケースに備え、試験データや調査報告書、販売実績などの裏付け資料を整理・保管しておくことが不可欠です。これにより、行政からの問い合わせや社内監査への対応もスムーズになります。
③ 定型チェックリストを活用して広告ごとの確認をルーティン化する
毎回弁護士に個別相談をするのは現実的でない場合もあります。
そうした場合には、社内用のチェックリスト(景表法対応、価格表示、ステマ対応など)を作成し、広告担当者自身が初期的なスクリーニングを行えるようにすることで、効率的かつ一貫したチェック体制が構築できます。
④ 外部の専門家(弁護士等)との連携体制を整備する
判断が難しい表現や新しい広告手法に対応するには、専門家の知見が不可欠です。広告の公開前に短時間で確認を依頼できるフローや契約関係を整えておくと、万一の際にも迅速に対応できます。
これらの体制を整えることで、単なる「リスク回避」にとどまらず、広告の信頼性やブランド価値の向上にもつながります。消費者の信頼を得るうえでも、正確かつ誠実な広告表現は企業にとって重要な資産です。
広告表現と法規制は年々複雑化していますが、適切なリーガルチェック体制を持つことで、トラブルを未然に防ぎながら、安心して効果的な広告展開を行うことが可能になるでしょう。

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広告法務の基本③「有利誤認表示」と価格表示の注意点
1 有利誤認表示について
前回は、景品表示法における「優良誤認表示」について解説しました。
今回は、もう一つの主要な規制対象である「有利誤認表示」に焦点を当てます。
特に販売価格や販売価格からの値引き、期間限定価格といった広告表現は、消費者にとって魅力的である一方、誤認を招きやすく、表示には注意が必要です。
「有利誤認表示」とは、商品やサービスの価格・取引条件が、実際よりも著しく有利であると消費者に誤認させるような表示を指します。
典型例としては、以下のようなケースが挙げられます。
①実際には販売実績のない価格を「通常価格」として表示し、「今だけ50%OFF!」と大幅な値引きをうたう方法
②販売期間を常に延長しているにもかかわらず、「本日限り」「先着100名限定」と表示する方法
③条件付きの割引にもかかわらず、その条件を目立たない位置に小さく記載する表示方法
2 表示方法にはご注意ください
こうした表示は、消費者の購買意欲を不当にあおり、誤認を招くおそれがあるため、景表法違反となる可能性があります。
特にECサイトやネット広告では、定期的なセールやキャンペーンを訴求することが多く、「通常価格」が実在しない、あるいは短期間しか設定されていない場合に問題となることが少なくありません。
行政指導や処分のリスクを避けるには、「通常価格」や「参考価格」といった表示が、実際に販売されていた価格であり、その期間や販売実績が一定以上あり景表法のルールに沿っていることを示す「裏付け資料」を準備しておく必要があります。
また、「期間限定」「特別価格」などの文言を使用する際には、その期間が本当に限定的であるかどうかが問われます。「常に延長される期間限定」や「恒常的な特別価格」は、消費者庁の過去の措置命令事例でも問題視されており、注意が必要です。
広告表現における価格訴求は、売上に直結する重要な要素ですが、法的な裏付けを軽視すると、かえってブランドイメージや法的リスクの面で大きな損失を招きかねません。
制作段階からリーガルチェックを組み込むことで、こうしたリスクを未然に防ぐことが可能になります。 弊事務所では、広告に関するリーガルチェックの経験豊富な弁護士が在籍しておりますので、広告に関してご不明な点やご不安な点がある場合には、お気軽にお問い合わせください。

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広告法務の基本②景品表示法における「優良誤認表示」とは?
1 優良誤認表示に関して
景表法は、消費者の自主的かつ合理的な選択を守るために、事実と異なる、または著しく誇張された表示を規制することを目的としています。
その中でも「優良誤認表示」は、実際の品質や内容よりも著しく優れていると消費者に誤認させる表示を意味します。
たとえば、「A大学の教授が推薦する驚きの効能!」、「医師も使用するプロの性能!」といった表現は、一見して信頼性の高い印象を与えますが、実際には特定の個人の私的な感想にすぎない場合等その根拠が不十分であれば優良誤認と判断されるおそれがあります。
また、「他社製品よりも圧倒的に効果あり」といった比較広告も、裏付けとなる客観的なデータがなければ同様のリスクがあるといえるでしょう。
2 広告表示と合理的な根拠資料はセットで捉える必要があります
景表法においては、こうした表示を行う場合、「合理的な根拠資料」を求められるのが大きな特徴です。
これは、表示の真実性を担保するためのものであり、調査報告書や試験成績、統計データなど、第三者の検証に耐えうる『客観的な』資料である必要があります。仮に行政機関(消費者庁など)から求められた際にこれを提出できなければ、「不当表示」とみなされ、措置命令や課徴金の対象となる可能性があります。
例えば、健康食品や化粧品、サプリメントなどで、「肌年齢が10歳若返る」「体重が必ず減る」といった根拠のない効能表示が問題となることが多く、特に注意が必要です。
また最近では、SNSやYouTubeなどを通じて簡単に広告表現が拡散されるため、仮に問題のある表示があった場合、その影響は以前よりも迅速かつ広範囲に及んでしまうことも忘れてはならない重要なポイントです。
なお、「表示に誤認を与える意図がなかった」、要するに故意ではないとしても、景表法においては「表示自体が消費者に誤認を与えるか否か」が問題となります。つまり、広告主の主観的な意図は基本的に考慮されないという点にも改めて注意が必要です。
こうした背景から、広告表現においては、「これは大丈夫だろう」といった安易な判断を避け、常に客観的な視点と法的な観点からのチェックが求められます。
広告の制作段階で法務部門や弁護士が関与し、合理的根拠が整っているかどうかを確認することが、企業の信用と法的安全性を守る上で極めて重要です。 弊事務所では、広告のリーガルチェックの経験豊富な弁護士が在籍しておりますので、広告に関してご不明な点やご不安な点がありましたら、お気軽にお問い合わせください。

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