健康食品や美容商材のLPで必ず見かける「愛用者の声」。
劇的なビフォーアフター写真や「人生が変わった!」というコメントの横に、小さく「※個人の感想であり、効果を保証するものではありません」と書いてあるのを見たことがあるでしょう。実は、消費者庁はこの手法に対し、明確に「NO」を突きつけています。
このページの目次
1 打消し表示(注釈)の形骸化
消費者庁の調査報告書では、体験談などで強力な効果(痩せる、治るなど)をアピールしている場合、いくら近くに「個人の感想です」と書いても、消費者は「自分にも効果がある」と認識するため、打消し表示は無効(=景表法違反)であると結論づけることがあります。 「書いておけば免罪符になる」というのは、過去の迷信です。
2 体験談自体が「捏造」の場合
そもそも、その体験談が実在しない人物のものであったり、モニターにお金を払って良いことだけを書かせたものであったりする場合、それは「不実証広告」や「ステマ」に該当します。最近では、アフィリエイターが勝手に作った架空の体験談によって、広告主であるメーカーが責任を問われるケースもあります。
3 UGC(ユーザー生成コンテンツ)の活用リスク
InstagramなどのSNS上の一般ユーザーの投稿(UGC)を、自社のLPに転載して広告として利用する場合も注意が必要です。ユーザーが勝手に「ニキビが治った!」と書く分には個人の表現の自由ですが、企業がそれを「選別して広告として掲載」した瞬間に、それは企業の広告(薬機法・景表法の規制対象)になります。
「お客様が勝手に書いたことだから」という言い訳は通用しません。
4 正しい体験談の載せ方
体験談を掲載すること自体は禁止されていませんが、以下の配慮が必要です。
①過度な効能効果(薬機法違反)を含むコメントは採用しない、または修正する。
②「個人の感想」という注釈に頼らず、統計的なデータや客観的な事実(成分の配合量など)をメインに訴求する。
広告LPにおいて、消費者の声である「体験談」は強力な武器になりますが、安易な掲載は行政による措置命令の格好のターゲットになり得ます。特に、個人の感想を装いつつも、あたかも全員に同様の効果があるかのように誤認させる表現は、景品表示法の「優良誤認」とみなされるリスクが非常に高いのです。
こうした事態を防ぐためには、制作現場において一つ一つのコメントに対し、専門的なリーガルチェックを徹底する体制構築が不可欠です。たとえ実在するユーザーの声であっても、注釈の入れ方や表現の範囲が法的に適切かどうか、多角的な視点から精査しなければなりません。ブランドの信頼を一夜にして失わないよう、徹底したリスク管理こそが、結果として長く愛されるLPへと繋がります。

有森FA法律事務所は、「広告表現に不安があるけれど、何から始めていいか分からない」という方々の力になりたいと考えています。インターネット広告やSNSの普及で、広告に関する法律リスクも多様化してきました。広告チェックに関しては、全国からのご相談に対応しており、WEB会議や出張相談も可能です。地域を問わず、さまざまなエリアの事業者様からご相談をいただいています。身近な相談相手として、お気軽にご連絡ください。
