ECサイトやチラシでよく見る「通常価格10,000円のところ、今だけ5,000円(50%OFF)!」という表示。 これを「二重価格表示」といいます。消費者の購買意欲を刺激する強力な手法ですが、比較対象となる「通常価格(または当店通常価格)」の実態がない場合、景品表示法違反(有利誤認表示)となります。
いわゆる「定価の架空設定(上げ底表示)」ですが、ルールを知らずに設定してしまっている事業者が後を絶ちません。
このページの目次
1 「通常価格」と認められるための「実績」
ただ単にシステム上の定価欄に数字を入れただけでは、「通常価格」とは認められません。 消費者庁の「二重価格表示に関するガイドライン」では、比較対照価格(元値)として表示するためには、「最近相当期間にわたって販売された実績」が必要とされています。
具体的には、以下のいずれかの条件(「2週間ルール」などと呼ばれます)を満たす必要があります。
①過去8週間のうち、過半(4週間以上)の期間、その価格で販売されていたこと。
②直近2週間、その価格で販売されていたこと(ただし、販売期間が短い場合)。
つまり、「販売開始初日から『通常1万円→今だけ5千円』」と表示することは、1万円での販売実績がないため違法です(メーカー希望小売価格がある場合を除く)。
2 セール終了後の価格戻し忘れ
よくあるトラブルが、「期間限定セール」が終わったのに、システムの設定ミスや担当者の失念で、二重価格表示が残ってしまっているケースです。 あるいは、常に「50%OFF」と表示し続けている場合、「50%OFFの価格」が実質的な「通常価格」となり、もはや割引とは言えなくなります。これも有利誤認表示として処罰対象です。
3 ECモールでの注意点
Amazonや楽天などのモールでは、二重価格を表示するための入力欄(参考価格など)がありますが、プラットフォーム側もコンプライアンスを強化しており、販売実績のない価格を入力すると自動的に非表示になったり、アカウント健全性が低下したりする仕組みになっています。 また、行政処分を受けると、アカウント停止(垢バン)に直結し、売上がゼロになるリスクもあります。
「他社もやっているから」は通用しません。価格表示は、消費者が最も敏感な部分であり、競合他社からの通報も多い分野です。セールの計画を立てる際は、必ず「元値の根拠」を確認する習慣をつけてください。

有森FA法律事務所は、「広告表現に不安があるけれど、何から始めていいか分からない」という方々の力になりたいと考えています。インターネット広告やSNSの普及で、広告に関する法律リスクも多様化してきました。広告チェックに関しては、全国からのご相談に対応しており、WEB会議や出張相談も可能です。地域を問わず、さまざまなエリアの事業者様からご相談をいただいています。身近な相談相手として、お気軽にご連絡ください。
