「海外セレブ御用達!」「アメリカで大人気の商品が日本上陸」「本場◯◯の輸入品」
海外製の商品や輸入雑貨は、その“本場感”や“特別感”を訴求することで高いマーケティング効果を発揮します。しかし、表示内容によっては景品表示法だけでなく、薬機法・食品表示法・不正競争防止法・通関関連法規など、複数の法的リスクが関わってくる分野です。
今回は、輸入商品・海外製品を扱う際の広告表示における実務上の注意点を整理します。
このページの目次
1 「本場」「海外仕様」「正規品」などの表示は要注意
以下のような表現は、一見魅力的に見えるものの、根拠が不明確なまま使うと不当表示とされるリスクがあります。
①「海外セレブが愛用」→ 誰が使っているのか不明、実在しない場合は虚偽表示
②「正規輸入品」「正規代理店品」→ 流通経路や契約関係が明確でなければ誤認表示に
③「アメリカでNo.1の売れ行き」→ 出典・調査機関・調査時期が不明確
④「海外製なので品質も安心」→ 海外製であることと品質の高さの因果関係がないと誤認表示に
このように、“海外”という言葉が印象操作として使われていないかどうかを、広告表示の段階から確認する必要があります。
2 並行輸入品・個人輸入代行の広告は特に慎重に
並行輸入品や個人輸入代行サービスは、正規輸入代理店を通さずに商品を国内で販売する仕組みですが、その表示内容によっては重大な法的リスクが伴います。
①「正規品」「純正品」と表示できるかは、製造元やブランド側との契約関係の有無による
②保証の有無・アフターサービス体制などを明確に記載しないと誤認表示となる
③輸入元が個人または無登録業者である場合、薬機法・関税法違反となるリスクも
また、「輸入品だから安くても安心」といった表現も、品質保証の裏付けがなければ景表法違反の対象となり得ます。
3 リーガルチェックのポイント
①「正規品」「純正品」と表示する根拠となる契約・供給ルートの証拠があるか?
②ランキング表示(例:「アメリカでNo.1」)の出典・調査機関・時期を明示しているか?
③医薬品・サプリ・化粧品などに対して、薬機法に基づく表示確認を行っているか?
④並行輸入品や個人輸入品である場合、その旨を消費者が誤認しないように明示しているか?
⑤日本国内における品質保証・サポート体制についての説明責任を果たしているか?
「海外製」や「輸入品」というワードには、特別感・高品質感を醸し出す力があります。
だからこそ、その表示の裏にある真実・根拠・法令遵守の意識がなければ、企業の信頼は一瞬で崩れる可能性もあるのです。
弊事務所では広告法務に関して総合的にサポートを提供しております。広告法務に関してお悩みの場合は、お気軽にご相談ください。

有森FA法律事務所は、「広告表現に不安があるけれど、何から始めていいか分からない」という方々の力になりたいと考えています。インターネット広告やSNSの普及で、広告に関する法律リスクも多様化してきました。広告チェックに関しては、全国からのご相談に対応しており、WEB会議や出張相談も可能です。地域を問わず、さまざまなエリアの事業者様からご相談をいただいています。身近な相談相手として、お気軽にご連絡ください。
