「遊ぶだけで英語が話せる!」「これがないとみんなに置いていかれるよ」「絶対にゲットしたくなる新商品!」
子ども向けの商品やサービスの広告では、魅力的なキャッチやキャラクターを使って購買意欲を刺激する表現が多く見られます。しかし、判断力が未熟な子どもを対象にした広告には、特別な配慮が求められることをご存じでしょうか?
景品表示法や消費者契約法、さらには業界ごとの自主規制ガイドラインも踏まえて、子ども向け広告で注意すべきポイントを解説します。
このページの目次
1 なぜ「子ども向け広告」は特別な配慮が必要なのか?
子どもは、大人と違い次のような特徴があります。
①表現を額面通りに受け取りやすい
②「買うかどうか」ではなく、「欲しいと思ったらすぐに欲しい」と感じやすい
③価格や条件に対する判断が未熟である
このため、誇張表現やあおり文句、他者との比較を過度に強調する広告は、容易に誤認を招くおそれがあり、景表法や消費者庁の指導対象になりやすいのです。
2 よくあるNG表現
以下のような表現は、特にリスクが高いとされます。
①「これを持ってないと友だちに笑われるよ」
②「いま買わないともう手に入らない!」
③「絶対にモテる」「みんなが欲しがってる!」
④実際の効果や使用感を誇張しすぎているアニメーション演出
これらは、「購入しないと不利益を被る」「今すぐ買わないと損」という誤認を与える表現であり、子どもの判断力を過信した広告表現として問題視されます。
3 景品・おまけ表示も要注意
子ども向け商品の多くに“おまけ”や“抽選特典”がついていますが、以下の点に注意しましょう。
①景品表示法における**「総付景品」「懸賞景品」の金額・数量制限**を超えていないか
②抽選の確率・当選条件などを明確に表示しているか
③「必ずもらえる」などの表現が誤解を招く構成になっていないか
とくに、ゲームアプリやガチャ形式の広告では、排出率の表示や未成年の課金リスクに対して、さらに高い透明性と保護措置が求められます。
4 リーガルチェックのポイント
①誇張表現・過度な演出が子どもの判断を誤らせていないか?
②「買わなきゃ損」「今だけ」など、あおり表現が過剰になっていないか?
③親にねだらせる構成が、圧力的・不適切な誘導になっていないか?
④景品・おまけの表示が法令・業界基準に則っているか?
⑤子どもだけでなく、保護者にも正確な情報が届く設計になっているか?
子どもに向けた広告こそ、「信頼」を軸にした誠実な表現が求められます。
大人のような合理的判断を前提としないからこそ、子どもの目線に立って、安全でわかりやすく、誠実な情報提供を行うことが、社会的信用にもつながります。 弊事務所では広告法務に関して総合的にサポートを提供しております。広告法務に関してお悩みの場合は、お気軽にご相談ください。

有森FA法律事務所は、「広告表現に不安があるけれど、何から始めていいか分からない」という方々の力になりたいと考えています。インターネット広告やSNSの普及で、広告に関する法律リスクも多様化してきました。広告チェックに関しては、全国からのご相談に対応しており、WEB会議や出張相談も可能です。地域を問わず、さまざまなエリアの事業者様からご相談をいただいています。身近な相談相手として、お気軽にご連絡ください。
