景品表示法に違反する広告等を行ってしまった場合には、措置命令や課徴金納付命令が下されるリスクがあり、これらの命令を下されてしまった場合には、企業の評判に大きな悪影響を生じさせますので、景品表示法に違反する広告には十分注意する必要があります。
本日は令和元年に、視力の回復効果を謳う商品の広告表示が問題となった事例をご紹介いたします。
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1 事案の概要
広告においては、以下のような表現が使用されました。
「滋養豊富な●は、腸内環境を整えるのは勿論、衰えた消化酵素の力を借りずに吸収できるまで分解されている。様々な成分を体内に摂り込むことで、全身の代謝酵素が活発になり、瞳と体に栄養成分が届き組織を再生、滞った老廃物を排出するなど本来の仕事をしてくれる。瞳の健康には『瞳と身体の両方の健康』が重要なのは言うまでもない。」
2 消費者庁の判断
本件広告表示については、一般消費者が、あたかも、当該食品を摂取することで酵素が働き、視力の改善等の効果が得られるかのように判断するような表示をしていた。
そこで、消費者庁は、期間を定めて、当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めたところ、同社から資料が提出されたが、当該資料は、当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示すものであるとは認められないものであったと判断されました。
事業者としては、客観的な資料に基づく視力の回復効果が存在するものと判断して、一般消費者に対してその効果を実感してもらいたいとの意識で広告表示を行っていたのかもしれません。
しかしながら、どのような資料が客観的でありかつ合理的な資料であると判断されるかについては、事業者が判断するものではなく、あくまでも消費者庁等が判断するものです。そのため、第三者の判断でも合理的といえる資料であるかどうかの視点は常にもつ必要があります。
3 景品表示法に違反する広告にはご注意ください
景品表示法に違反する広告を行ってしまった場合には、消費者庁等から、措置命令や課徴金納付命令が下されるリスクがあり、これ自体が事業者にとっては大きな問題となり得ることは言うまでもありません。
しかしながら、昨今のインターネットやSNSの発展を踏まえると、一度これらの行政処分が課されてしまった場合には、いわゆる『炎上』のような状態となってしまい、事業者の評判に大きな悪影響を及ぼすことが考えられ、この点を最大限注意すべきであるといえます。
広告表現に関してご不安な点等がありましたら、お気軽にご相談ください。