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1 措置命令について
広告表示が景表法等の広告関連の法律に違反していることが発覚し、行政から何らかの処分を受ける可能性があるとご心配な状況にある方もいらっしゃるものと思います。
まず、景表法違反である広告表示に対しては、措置命令が下され、広告表示の是正や再発防止策の検討、一般消費者への周知等が求められる場合がありますが、措置命令までは行われず行政指導にとどまる場合もあります。
行政指導にとどまるのか、措置命令まで行われるかの線引きは非常に難しいものがありますが、基本的には事業規模や広告表示の悪質性、一般消費者に与える影響などを総合的に判断して決定されているようです。
広告表示が違法なものであると判明した場合、広告の掲載を中止すれば問題ないと考える方もいらっしゃいますが、必ずしもそのようには考えられておりませんので注意が必要です。
なぜなら、法律や行政の考えでは、違法な広告表示がなされた段階で違法な行為が行われたことは確定しており、また、仮に広告表示を中止したとしても広告の一般消費者への影響が残っている場合もあると考えられるからです。
2 課徴金納付命令について
課徴金納付命令は、基本的には、景表法上禁止される不当表示(優良誤認表示や有利誤認表示)に該当する広告表示について、その対象となった商品や役務の売上額の3%相当額を国庫に納付することを命じるものです。
ただし、以下のような規定が設けられている点には注意が必要です。
- 広告表示を行った事業者が不当表示をしたことについて「相当な注意を怠った者でない」ときには課徴金は課されません。
- 売上額に3%を乗じた額が150万円未満の場合には課徴金は賦課されません。
- 違反行為をやめてから5年が経過している場合には課徴金は賦課されません。
- 行政が調査を開始する前に、行政に対して自主的に不当表示に関する違反行為を報告した場合には、課徴金額の2分の1が減額されます。
- 広告表示を行った事業者所定の手続に従って、当該商品や役務の購入者に対して返金をした場合には、その返金額は課徴金額から減額されます。
3 早期に弁護士にご相談いただくことの重要性
行政から広告表示の規制違反に関して何らかの処分を受ける可能性がある事業者の方はもちろん、広告表示が景表法等の広告関連の法律に違反していることが発覚した場合には、できるだけ早期に弁護士にご相談いただくことが非常に重要です。
自主的に対応をすることで、処分が緩和される場合もありますが、早期に対応をしないとこのような機会を逃すことになってしまうからです。
まずは、弁護士にご相談いただき、どのように対応すべきかを網羅的に検討いただくことを強くお勧めいたします。