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1 化粧品の広告規制について
化粧品における広告規制は、基本的には医薬品等と同様であり、名称、製造方法、効能、効果、性能に関し、明示的、黙示的とを問わず、虚偽誇大な広告は禁止されます(薬機法66条1項)。
また、承認を要しない化粧品の効果効能についての表現は、「化粧品の効能の範囲の改正について」(平成23・7・21薬食発0721第1号厚生労働省医薬食品局通知)において項目ごとに規定される範囲にとどめる必要があります(なお、こののかに、化粧品公正取引協議会により公正競争規約が設けられております。)。
例えば
- 頭皮、毛髪を清浄にする
- 香りにより毛髪、頭皮の不快臭を抑える
- 毛髪につやを与える
- 肌を整える
- 皮膚を保護する
等の表現が規定されております。
2 薬用化粧品の広告規制について
薬用化粧品は、医薬品と化粧品の中間に位置付けすることができ、法的には「医薬部外品」に分類されます。
薬用化粧品は、医薬部外品として人体に対する緩和な薬理作用を期待することができるため、承認の範囲内の効果効能を広告することが原則ですが、一定の要件を充足する場合には、種別、項目に対応する化粧品の効果効能を表現することも可能です。
薬用化粧品の種類、項目に対応する効果効能の代表例は次のとおりです。
- シャンプーの場合は、「ふけ、かゆみを防ぐ」、「毛髪、頭皮の汗臭を防ぐ」、「毛髪・頭皮を清浄にする」等の効果効能
- 化粧水の場合は、「あせも・しもやけ・ひび・あかぎれ・にきびを防ぐ」、「日やけ・雪やけ後のほてりを防ぐ」、「皮膚をすこやかに保つ。皮膚にうるおいを与える。」等の効果効能
- 薬用石けん(洗顔料を含む)の場合は、「皮膚の清浄・殺菌・消毒」、「体臭・汗臭及びにきびを防ぐ」等の効果効能
3 広告掲載前の段階でご相談いただくことが重要です
広告法務は、いわゆる予防法務となり、なかなか弁護士に依頼することまではせず、何かトラブルが発生してから依頼すれば十分だろうと考えている方が多くいらっしゃいます。
しかしながら、広告に関するトラブルは、事前に詳細に検討しておくことで避けられるものが相当程度ありますし、現在では、一度トラブルが発生し、インターネット等で炎上してしまうと、ビジネスに大きな悪影響を及ぼしかねませんので、軽視することは危険と言わざるを得ません。
特に化粧品は、インターネット等で炎上することも多い類型の商材といえますので十分注意する必要があります。
広告のリーガルチェックについてこれまで意識されていた方はもちろん、特段意識されていなかった方も、適切な広告を掲載することはビジネスを円滑に進める上では非常に重要ですので、まずはお気軽にご相談いただけますと幸いです。