このページの目次
1 薬機法の概要について
薬機法(正式名称は、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)は、旧薬事法が平成25年11月の改正により規定されたものです。
従来の薬事法は医薬品を主たる規制の対象とされていましたが、医療機器の重要性の増加や医薬品等による薬害等の防止等の観点から薬機法が規定されたという経緯があります。
このような薬機法の中で、医薬品等に関する広告規制が規定されております。
なお、薬機法上の規制の対象となる広告の該当性については、行政上の通知により、以下の3つの要件で判断されます。
- 顧客を誘因する(顧客の購入意欲を昂進させる)意図が明確であること
- 特定医薬品等の商品名が明らかにされていること
- 一般人が認知できる状態であること
2 特に注意すべきポイントや注意点について
薬機法における広告規制に関して特に注意すべき代表的なポイントは以下のとおりです。
- 広告規制に抵触するかどうかについては、厚生労働省が定める医薬品等適正広告基準を参考とすることになりますが、この基準が絶対的なものではなく、広告表現全体を踏まえて、国民に誤認させる恐れがあるかどうか、また、保健衛生上の悪影響を及ぼす可能性があるかどうか、といった観点を踏まえて判断していくことになります。
- 未承認の医薬品等の広告は禁止されており(薬機法68条)、未承認の医薬品の効果・効能・性能等を標榜して販売する場合、実際には効果・効能・性能などがあったとしても広告違反となります。
3 景表法の影響を受けやすい商材について
薬機法の影響を受けやすい商材の代表的なものは、以下のとおりです。
広告掲載をする際には、特に注意をする必要がございます。
- 家庭用電位治療器等の医療機器
- サプリメントを含む健康食品
- 化粧品を含む美容関連商品
- 健康器具
- 医薬品
以上の商材に該当しない場合でも、薬機法の規制に注意する必要がある場合もございますのでご留意ください。
4 広告掲載前の段階でご相談いただくことが重要です
広告法務は、いわゆる予防法務となり、なかなか弁護士に依頼することまではせず、何かトラブルが発生してから依頼すれば十分だろうと考えている方が多くいらっしゃいます。
しかしながら、広告に関するトラブルは、事前に詳細に検討しておくことで避けられるものが相当程度ありますし、現在では、一度トラブルが発生し、インターネット等で炎上してしまうと、ビジネスに大きな悪影響を及ぼしかねませんので、軽視することは危険と言わざるを得ません。
広告のリーガルチェックについてこれまで意識されていた方はもちろん、特段意識されていなかった方も、適切な広告を掲載することはビジネスを円滑に進める上では非常に重要ですので、まずはお気軽にご相談いただけますと幸いです。