お試し価格の表示と景品表示法

「お試し価格として通常の50%割引の価格で売りに出したところ、売れ行きが非常に好調であり、利益も多く出たことから、当初の方針を変更し、お試し価格をそのまま通常価格として販売することは問題でしょうか?」、というご質問をいただく場合があります。

以下ではご説明いたしますので、ご参照いただけますと幸いです。

1 お試し価格と景品表示法

お試し価格として売りに出した金額で大幅な利益が出た場合には、引き続きその金額での販売を継続したいという事業主の方のお気持ちはよくわかるところです。

しかしながら、このような取り扱いは、景品表示法が規制する有利誤認表示に該当しますので、違法であると言わざるを得ません。

消費者としては、あくまでもお試し価格として通常の50%割引であることから当該商品を購入していたという理由も大きいと考えられ、消費者に誤認を生じさせてしまっていると考えられるからです。消費者にとって利益となる価格かどうかではなく、あくまでも消費者に誤認を生じさせてしまっている点が問題となるということです。

したがいまして、一度通常価格で一定期間販売した上で、通常価格をお試し価格の水準に下げて販売するという対応を取るほかなく、通常価格で販売する期間については利益幅が小さくなることは甘受していただく必要がある点は十分注意する必要があります。

2 広告のリーガルチェックは弁護士にご相談ください

広告が景表法に違反する等の事態となった場合、一般消費者からは「悪徳業者」等のレッテルを貼られてしまい、少なくとも短期的にはビジネスに大きな悪影響を生じさせてしまいます。

転ばぬ先の杖と言いますが、広告に関しては、事前に慎重にリーガルチェックを行うことでトラブルが発生することを回避することができる場合もございます。

また、ビジネス上、利益幅が小さくなったとしても景品表示法の観点からは甘受せざるを得ない場合もありますが、そのような点を正確に把握しておくことも非常に重要です。

ビジネス上の不利益となり得る点も正確に把握しておくことで、不利益をどのように消化していくかという対策も取りえます。

当事務所は、企業法務やインターネットトラブル、広告関連法務を幅広く取り扱っておりますので、広告に関してご不安な点等ありましたらお気軽にお問い合わせいただけますと幸いです。

keyboard_arrow_up

0358774099 問い合わせバナー 無料法律相談について