先日の記事でご紹介しましたが、ゲームプレイ動画をインターネット上に投稿する行為は、エンターテインメントとして広く楽しまれる一方で、法律やメーカーのガイドラインに違反した場合には、様々なリスクが生じる可能性があります。
本日は、「違反時のリスク」に焦点を当ててご説明します。
このページの目次
1 動画削除とアカウント停止
ゲームメーカーが公表している「動画投稿ガイドライン」に違反した場合、最も一般的なリスクは動画の削除要請です。例えば、以下のようなケースが該当します。
①禁止されているゲームのストーリーのネタバレを含む動画を投稿した場合
②ガイドライン外のプラットフォームで収益化を目的とした投稿を行った場合
プラットフォームによっては、メーカーからの削除要請が受理されるとアカウントの停止や制限が科されることもあります。このような措置は、過去に著作権違反を繰り返したユーザーに対して厳しく適用される傾向があります。
2 損害賠償請求
動画の内容がゲームメーカーの知的財産権を侵害していると判断された場合、損害賠償請求を受けるリスクがあります。特に、以下のような場合は注意が必要です。
①著作権で保護されたゲーム音楽や映像を無断で使用した場合
②メーカーが特定のシーンやキャラクターの使用を明示的に禁止しているにも関わらず、それを投稿した場合
裁判となった場合、損害額の算定は難しいものの、収益化していた場合にはその収益が賠償額に加算される可能性があります。また、投稿者の意図が悪質と認定されれば、さらに重い責任を負うこともあります。
3 刑事罰の可能性
著作権法の違反行為には、場合によっては刑事罰が適用されることがあります。たとえば、以下の行為は著作権法違反として刑事罰の対象となり得ます。
①ゲームの映像や音楽を許可なく改変し、それを配布する行為
②複製や改変を繰り返して営利目的で公開する行為
刑事罰が科される場合には、5年以下の懲役または500万円以下の罰金(あるいはその両方)が適用される可能性があります。これにより、単なる趣味での投稿が重大な法的問題に発展するリスクがあります。
4 社会的信用の失墜
違反行為が公になることで、投稿者としての信用が失われることも深刻なリスクの一つです。特に、以下のような影響が考えられます。
①他のゲームメーカーやプラットフォームからの締め出し(除名処分)
②SNSやコミュニティ内での信頼喪失
③将来的な活動におけるスポンサー契約やコラボレーションの機会損失
一度失った信用を取り戻すことは非常に困難であり、特に影響力のある投稿者にとっては致命的となる可能性があります。
5 ルールを守って適切な配信を心がけましょう
ゲームプレイ動画の投稿において違反行為が発覚した場合、法的措置や経済的損失だけでなく、社会的信用や活動の自由を失うリスクが伴います。
これらのリスクを回避するためには、メーカーのガイドラインや関連する法律をしっかりと理解し、遵守することが重要です。
もしご自身の投稿行為が違反に該当するか不安がある場合は、専門家に相談することをお勧めします。投稿の自由とリスクを天秤にかけるのではなく、安全で健全なクリエイター活動を目指しましょう。