労働組合における名誉毀損

インターネットの普及、SNSの幅広い利用によって、昨今インターネット上の名誉毀損は社会問題ともなっております。

本日は、1つの事例として、東京地方裁判所判決令和3年10月29日、をご紹介いたします(なお、一部を省略した、概要のご紹介となります。)。

1 事案の概要

会社在職中に労働組合の組合員であった原告が、会社を退職後、当該労働組合の幹部である被告らが、①会社内の会議で原告が破産する旨発言して原告の名誉を毀損させるとともに、②組合の集会において、所属組合員に対し、原告が破産する旨が記載された資料を配布するとともにこれを読み上げ、もって原告の名誉を毀損したと主張し、被告らに対して不法行為に基づく損害賠償請求を行った事案です。

2 裁判所の判断

裁判所は、大要、以下の通り判断しました。

①被告らが本件発言を行った当時、原告について破産手続は未だ開始されていなかったから、官報公告の存在を理由に本件発言による原告の社会的評価の低下を否定することはできない。また、たとえ破産者の破産の事実が官報公告されるとしても、現実にこれを認識することができる者は限られており、その情報に接していない大多数の者にとっての当該破産者の社会的評価はなお保護に値するというべきであるから、本件発言後に原告が破産し、これについて官報公告がされたことによって、本件発言において原告の社会的評価を低下させるに足りるものというべきである。

②被告らが指摘する従前の使途不明金の発生の経緯等を踏まえても、被告らの上記主張を裏付ける具体的な事情があったと認めることは困難である。

3 インターネットの利用には十分ご注意ください

投稿した人物にとっては、大したことない内容であり、単なる感想に過ぎないと思ってのものであっても、客観的に見ると当人の社会的評価を低下させるものである場合には名誉毀損に該当する表現となってしまいます。

名誉毀損は、民事上の問題となるにとどまらず刑事事件に発展するリスクもありますので、心持としては、可能であれば投稿することを控えるべきかということを改めて検討していただくことが余計なトラブルを回避するための最も効果的な方法です。

ただ、予期せぬトラブルに巻き込まれることは往々にしてあります。そのため、被害者の立場にせよ加害者の立場にせよトラブルに巻き込まれてしまった場合には、まずは専門家にご相談いただくことをお勧めいたします。

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