インターネット上の商標権侵害

SNSや匿名掲示板といったオンラインプラットフォームでは、多くの方が気軽に意見を発信し、情報を共有しています。しかしながら、この自由な発信が商標権を侵害する行為につながるケースが少なくありません。特に「知らず知らずのうちに侵害していた」という事例が増加しており、そのリスクを理解しておくことは非常に重要です。

本日は、具体的な事例を交えてご説明いたします

1 商標権侵害とは?

商標権は、特許法や著作権法と並ぶ知的財産権の一種で、特定の商品やサービスを他の商品やサービスと区別するための目印ともいえる商標を保護するための権利です。

この権利を第三者が侵害すると、民事責任や刑事責任が発生する可能性があります(商標法第37条、第78条など)。

例えば、他人の登録商標を無断で使用し、商品やサービスを販売したり宣伝したりすることは明確な侵害行為に該当します。しかしながら、もっと微妙なケースであっても侵害が成立する可能性がありますので注意が必要です。

2 具体的な事例

以下に、よくある商標権侵害の事例をいくつか紹介します。

①ハンドメイド商品の販売における商標使用
あるユーザーが人気ブランドのロゴを模倣したデザインをアクセサリーに使用し、SNSで販売していたケースがあります。この場合、「人気ブランド風」という意図であっても、登録商標を無断で使用しているため侵害に該当する可能性があります。

②商品レビューにおけるロゴ画像や名称の使用
匿名掲示板で特定ブランドの商品レビューを投稿する際、商標が含まれる画像を無断で添付したり、商標権者の許可を得ずにその名称を頻繁に使用する行為も、誤認混同を引き起こす可能性があるため問題となることがあります。

特に営利目的で投稿が行われた場合には、商標権の侵害に該当するリスクは高まります。

③パロディやファンアートの投稿
あるキャラクターやブランドをモチーフにしたファンアートをSNSに投稿し、さらにそのデザインをグッズ化して販売した事例もあります。

この場合、商標として登録されている場合には、デザインの一部が似ているだけでも侵害と判断されることがあります。

3 商標権侵害となる投稿を回避するために重要なこと

①商標登録の有無を確認する
投稿前に、自分が扱うロゴやブランド名が商標権で保護されていないか確認しましょう。

②画像やロゴの使用に注意する
他人の商標が含まれる(可能性のある)画像やデザインを無断で使用しないことが大切です。

③営利目的の行為を控える
商標権者の許可を得ないまま、販売や宣伝に結びつく行為をしないようにしましょう。

4 商標権侵害にはご注意ください

SNSや匿名掲示板での発信は、自由である反面、法的な責任も伴います。

不用意な投稿が商標権侵害に該当しないよう、十分な注意を払うことが大切です。万が一、侵害に関するトラブルに巻き込まれた場合は、速やかに弁護士に相談することをお勧めします。

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