“違法ダウンロード”を巡る法的リスクと誤解

インターネット上には音楽、映画、漫画、書籍などのコンテンツが溢れており、「無料で見られる・聴けるサイト」やアプリも数多く存在します。しかし、これらの中には著作権を侵害する違法アップロードサイトも多く、利用者が“ただダウンロードしただけ”であっても刑事罰の対象となる可能性があることをご存知でしょうか?本記事では、違法ダウンロードに関する法的リスクと、よくある誤解を解説いたします。

1 違法ダウンロードとは?

著作権法により、違法にアップロードされた著作物を知りながらダウンロードする行為は、原則として違法となります。特に以下のようなコンテンツが対象です。

①海賊版の映画・音楽・漫画・書籍

②テレビ番組の録画動画

③有料コンテンツの無断アップロード

令和2年の著作権法改正により、静止画(漫画の1コマ等)や文章なども違法ダウンロードの対象に拡大され、個人利用目的であっても処罰対象になる場合があります。

2 刑事罰の可能性

違法ダウンロードのうち、音楽・映像に関するコンテンツを反復継続的に行った場合は刑罰が科される可能性があります。

刑事告訴が必要な「親告罪」ではありますが、摘発例も存在し、教育機関等でも注意喚起が行われています。

3 よくある誤解と落とし穴

①「アップロードしてないからセーフ」?

→ 誤りです。ダウンロードするだけでも違法となる場合があります。

②「バレないから大丈夫」?

→ 違法サイトやアプリの利用履歴、接続情報はログに残ります。大規模な摘発で利用者が特定されることもあります。

③「無料アプリに出てたから大丈夫」?

→ アプリやサイトの見た目が正規に見えても、違法にアップロードされたコンテンツが含まれていればダウンロードは違法です。

④「スクリーンショットや録画ならOK」?

→ 著作権者の許諾なしに画像・動画を保存・共有する行為も、私的利用の範囲を超えれば違法となる場合があります。

4 裁判例:違法ダウンロードと民事責任

ある裁判例では、有料漫画を無断アップロードしたサイトから漫画を大量にダウンロードしていた利用者に対し、著作権者が損害賠償請求を提起。裁判所は「違法アップロードと知りながら利用した」と認定し、30万円の損害賠償を命じました。

この事例は、刑事責任だけでなく民事的な賠償責任も生じることを示しています。

5 違法ダウンロードを避けるためのポイント

①公式サイト・正規サービス(Netflix、Amazon、Spotify等)を利用する

②「無料」「無制限」などの広告には要注意

③著作権表示のあるサイトであっても中身を精査する

④子ども・学生の利用端末にもフィルタリングや制限を設ける

違法ダウンロードは「軽い気持ち」で行われがちですが、刑事・民事のリスクは決して軽視できません。 特に、家庭内で子どもが使用している端末でのトラブルも多く、保護者の管理責任も問われる可能性があります。

一方で、知らずに利用してしまった場合や、警告書などを受け取った場合には、冷静に状況を整理し、弁護士に相談することが適切な対応への第一歩です。

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