ファイル共有ソフトを利用した場合の責任-民事責任

1 ファイル共有ソフトを利用した場合の民事責任について

BitTorrentに代表されるファイル共有ソフトを利用し著作権を侵害した場合の民事責任については、損害賠償責任が主たるものとなります。

この損害賠償責任の考え方については、著作権法114条等を踏まえつつ、違法ダウンロードの場合と違法アップロードの場合とに分けて整理する必要があります。

まず、違法ダウンロードの場合ですが、民事上の責任としては、当該違法ダウンロードの結果、著作権者が本来取得できたはずの利益を損害賠償することになります。

基本的には本来加害者が著作権者に対して支払うべきお金を支払うというイメージです。

これに対して違法アップロードの場合ですが、民事上の責任としては抽象的に違法ダウンロードの場合と考え方は同様であり、当該違法アップロードの結果、著作権者が本来取得できたはずの利益を損害賠償することになります。

ここで注意すべきことは違法ダウンロードの場合には、自分がダウンロードした分の損害賠償をすればよいのに対し、違法アップロードの場合、アップロードされたデータを第三者がどの程度ダウンロードしたのかによって賠償すべき損害額は大きく変わります。

極端なことを言うと、例えば、加害者の方が違法アップロードしてしまったデータが1000回ダウンロードされている場合、基本的には、著作権者が当該著作物を1000回販売した場合に得られたであろう利益を損害として賠償することになります。

そのため、違法アップロードの場合、賠償すべき損害額が非常に多額となるケースもあります(場合によっては数千万円単位で請求される場合もあります)。

以上のとおり、BitTorrentに代表されるファイル共有ソフトを利用し著作権を侵害した場合における民事責任と言っても、違法ダウンロードの場合と違法アップロードの場合とでは賠償すべき金額が大きく異なる可能性があり、また、そもそも加害者の方本人としては違法アップロードをしてしまっているという認識すらない場合もあります。

そのため加害者の方は、自身が認識しない間に多額の賠償責任を負ってしまっている可能性もあるのです。

2 著作権者側とのやり取りを開始する前に弁護士にご相談ください

以上のとおり、違法アップロードの場合、著作権者から多額の請求をされる場合があります。

このような請求がある日突然書面で自宅に届きますので、加害者の方は冷静さを欠き、何とか許してもらおうと、すぐに著作権者側に連絡を取ってしまうことがございます。

しかしながら、請求されている金額が適正かどうか、まだ著作権者側にどのように連絡をすべきかという点を含めて慎重に対応を検討する必要がありますので、動揺されるお気持ちはよくわかりますが、著作権者から何らかの連絡があった場合には、まずは弁護士にご相談いただくことを強くお勧めいたします。

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