Archive for the ‘インターネットトラブル全般’ Category

未成年の子供と知的財産権侵害トラブル

2025-03-27

インターネットの発展に伴い、未成年の子供が知らず知らずのうちに知的財産権(著作権や商標権など)の侵害に関与してしまうケースが増えています。

特にSNSや動画配信サービス、オンラインゲームなどは身近な存在であり、子供たちが違法コンテンツを利用したり共有してしまうリスクも高まっています。

この記事では、未成年者が知的財産権侵害に巻き込まれてしまった場合に、親としてどのように対応すべきかをご説明いたします。

1 知的財産権とは?

知的財産権とは、知的創作物に対して認められる権利の総称です。

代表的なものとして以下があります。

①著作権

音楽、映像、文章、写真、イラストなどの創作物を保護する権利。

②商標権

商品やサービスを識別するためのマーク(ロゴやブランド名)を保護する権利。

③特許権・実用新案権

発明や考案を保護する権利。

未成年者が問題に関わるケースとして、例えば以下のような事例が考えられます:

①他人の著作物(音楽、画像、動画)を無断でSNSに投稿、②ゲーム内で他人のキャラクターやデザインをコピーして使用・販売、③有名ブランドのロゴを勝手に使ったグッズを販売等

2 親がとるべき法的対応

①問題の事実関係を確認する

まずは、子供がどのような行為を行い、知的財産権の侵害がどの程度なのかを確認しましょう。具体的には、投稿内容、使用している素材やプラットフォーム、第三者からの警告や削除要請があったかを把握します。

違反の可能性があるコンテンツは、被害を拡大させないため、可能であればすぐに削除することが重要です。また、当該事実を証拠としても適切に保存しておきましょう。

②相手方との折衝

権利者から警告や損害賠償請求があった場合、適切に対応する必要があります。以下のような対応が考えられます。

【謝罪と再発防止の誓約】

権利者に対して謝罪し、今後同様の行為をしないことを約束します。

【損害賠償への対応】

請求額が妥当かどうかを確認し、必要であれば弁護士に相談して交渉します。

未成年者の場合、親が法定代理人として責任を負うこともあります。

特に、商業目的での侵害や悪質なケースでは賠償額が高額になることもあるため注意が必要です。

③プラットフォームへの対応

知的財産権を侵害する投稿がSNSや動画配信サービスに残っている場合、該当するプラットフォームに削除申請を行う必要があります。

多くのサービスでは著作権侵害を報告するフォームが設けられていますので、迅速に対応しましょう。

また、ネット上で拡散されている場合は、拡散元に対しても削除依頼を出すことが有効です。

3 弁護士に相談する重要性

知的財産権に関する問題は法的に複雑であり、権利者との交渉や損害賠償請求への対応には専門的な知識が必要です。未成年者の場合、親が代わりに対応することになりますが、適切に対処しないとトラブルが拡大する可能性もあります。

弁護士に相談することで、状況を正確に把握し、合理的な解決を模索することが重要です。

トラブルが発生した際には一人で抱え込まず、早めに弁護士にご相談ください。専門家と共に適切に対応し、子供の将来を守りましょう。

未成年の子供と名誉毀損トラブル

2025-03-22

近年、SNS等の普及に伴い、未成年の子供がインターネットトラブルに巻き込まれ、名誉毀損やプライバシー侵害といった被害に遭う(又は加害者となってしまう)ケースが増えています。

未成年者がこのようなトラブルに巻き込まれてしまった場合、親が冷静に法的な対応を行うことが非常に重要です。

そこで本日は、親としてどのように対処すればよいかについて解説いたします。

1 名誉毀損とは?

名誉毀損とは、ある人の社会的評価を低下させるような事実を公然と摘示する行為です(刑法第230条等)。

例えば、子供がインターネット上で軽い気持ちで同級生の悪口を投稿してしまうといったケースです。

2 親がとるべき具体的な法的対応

①問題が発覚したら、すぐに事実関係を確認する

まず、問題の投稿内容がどのようなものであったかを正確に確認しましょう。

投稿内容は保存することが重要です。スクリーンショットや録画等の手段で適切に保存するように注意してください。

②相手方に訂正や削除を求める

お子様が被害者の場合であれば、もし名誉毀損やプライバシー侵害等が明らかであれば、該当する投稿者に対し、訂正や記事の削除を求めます。

この段階で投稿者が不明であれば弁護士を通じて投稿者を特定するように動くことになりますし、投稿者が判明している場合には弁護士を通じて通知書を送付することで、相手側に誠意ある対応を促すことができます。

③慰謝料や損害賠償の請求

名誉毀損やプライバシー侵害が認められた場合、精神的苦痛に対する慰謝料や損害賠償を請求することが可能です。

未成年の子供の場合、親が法定代理人として請求手続き行います。裁判所を通じた訴訟の提起も視野に入れることになりますが、和解による解決を目指すことも多いです。

④ネット上の拡散への対応

SNSやインターネットで問題の情報が拡散されている場合、プラットフォーム等のコンテンツプロバイダに対して投稿の削除依頼を行う必要もあります。

3 弁護士に相談する重要性

未成年者が関わるトラブルは、子供の将来に大きな影響を及ぼす可能性があるため、迅速かつ適切な対応が求められます。

名誉毀損やプライバシー侵害等の法的問題への対応には専門的な知識が必要であり、また、感情的になりやすい事案でもありますので、弁護士に相談することをお勧めします。

弁護士は法的観点から問題の適切な対応をアドバイスし、親御さんやお子様の権利を守るサポートをいたします。

親として冷静に対応しつつ、必要に応じて弁護士に相談することで、子供の権利と未来を守ることができます。

トラブルに直面した際は、一人で悩まずに専門家にご相談ください。

プライバシー権侵害と対応方法

2025-03-17

近年、SNSや匿名掲示板でのプライバシー権侵害の問題が増えていますが、知人間でも意図せず発生してしまうケースが少なくありません。

万が一、プライバシーを侵害されてしまった場合、どのように対処すれば良いのでしょうか。本日は、具体的な対処方法についてご紹介いたします。

1 まずは当事者間での冷静な話し合いを行う

知人によるプライバシー権侵害は、悪意がなく行われることが多いため、感情的にならずまずは冷静に対応することが大切です。

①直接連絡して削除を依頼する

例えば、許可なく投稿された写真や個人的な情報がSNSにアップされている場合、投稿者に対して「申し訳ないけど、この投稿は削除してもらえますか?」と丁寧に依頼することから始めてみましょう。

②誤解を解消する

相手は「問題ないだろう」と軽く考えていることが多いため、こちらの気持ちや事情を説明し、理解を求めることが重要です。

2 運営会社やサイト管理者に削除を依頼する

当事者間で解決できない場合や、連絡が取りづらい場合は、以下の手順で対応することが考えられます。

①SNSでの対応『通報機能を利用する』

InstagramやFacebook、Twitter(現X)などのSNSでは、不適切な投稿に対して「報告」や「通報」機能が用意されています。写真や個人情報の無断投稿に該当する場合、運営側に削除対応するように検討を促します。

②匿名掲示板での対応『投稿削除依頼』

掲示板の管理者に対して、不適切な投稿の削除を依頼します。

特に匿名掲示板では、削除依頼フォームが用意されていることが多いです。

3 発信者情報開示請求を検討する

匿名掲示板やSNSで誰が情報を公開したのか分からない場合は、「発信者情報開示請求」を行うことで投稿者を特定することが可能です。

①投稿の証拠を保存する

該当する投稿のスクリーンショットやURLを保存し、証拠として残しておきます。

②弁護士に相談する

プロセスが複雑なため、弁護士を通じて手続きを進めることもお勧めいたします。

③裁判手続を利用して発信者情報開示請求を行う

インターネットプロバイダや掲示板運営者に対して、発信者情報の開示を請求します。

4 予防策『プライバシー侵害を未然に防ぐために』

トラブルを防ぐためには、日頃から以下のことを心がけましょう。

①SNSの設定を確認する

個人情報が外部に漏れないように、プライバシー設定を見直し、公開範囲を限定しましょう。

②知人との共通認識の醸成

写真や個人情報を共有する際には、必ず事前に許可を取ることを習慣にしましょう。

③投稿内容に注意する

たとえ善意であっても、他人の情報をネット上に公開する場合は慎重に判断することが大切です。

5 親しき中にも礼儀あり、知人のプライバシーの取扱いにも注意しましょう

知人間でのプライバシー権侵害は、軽い気持ちや認識の甘さから引き起こされることが多いものです。万が一、被害を受けた場合は、まずは冷静に削除依頼や話し合いを行い、それでも解決しない場合は法的措置を検討しましょう。

知人間のプライバシー権侵害が増えております

2025-03-12

SNSやインターネットの利用が日常化している現代では、悪意がなくても知人のプライバシーを侵害してしまうケースが少なくありません。

「親しい間柄だから大丈夫だろう」という認識や軽い気持ちでの投稿が、思わぬトラブルに発展することもあります。

本日は、具体的な事例を交えて、知人間でのプライバシー権侵害についてご説明します。

1 知人間でのプライバシー権侵害の具体例

①写真や動画の無断投稿

例えば、友人と一緒に食事をした際に撮影した写真をSNSにアップしたケースです。

その写真には友人が写っており、友人は「ネット上に顔を出したくない」と考えていたにもかかわらず、投稿者はその点に気づきませんでした。このような行為は、たとえ親しい関係であっても、本人の許可なく肖像権やプライバシー権を侵害する行為となってしまう可能性があります。

②家庭や職場の情報の漏洩

例えば、「〇〇さんが今度転職するらしい」、「〇〇さんの子供が私立の学校に合格した」といった情報を、本人の同意なくSNSや匿名掲示板に書き込むケースです。

これは一見、悪意のない「報告」や「お祝い」のつもりであっても、本人にとってはプライバシーの侵害です。特に転職や家庭の事情などは、個人的な理由が絡むことが多いため、他人に知られたくない人も多いのです。

③位置情報や行動履歴の公開

近年では、SNSに「〇〇さんと一緒にカフェに来ました!」というように、位置情報付きで投稿することがあります。しかし、知人の行動を第三者に公開することは、その人のプライバシーを侵害するリスクがあります。例えば、「仕事を休んでいるのに遊んでいる」という誤解を招いたり、ストーカー行為のきっかけになる可能性もあります。

2 なぜ知人間でプライバシー侵害が起こるのか?

知人間でのプライバシー侵害は、主に以下のような要因によって引き起こされます。

①相手の許可を確認しない

「この程度なら大丈夫だろう」と一人で判断し、相手に確認せずに情報を公開してしまう。

②悪意のない行為

喜びや親しみを共有するつもりが、結果的に相手に迷惑をかける可能性がある。

③SNSやテクノロジーへの過信

SNSの便利さから、公開範囲の設定やプライバシーの配慮が欠けてしまう。

3 知り合いだからこそ、プライバシーには配慮しましょう

知人間でのプライバシー権侵害は、悪意なく起こってしまうことが多いため、相手に対する配慮が何よりも重要です。

「仲が良いからこそ大丈夫」と思い込まず、少しの確認や気遣いでトラブルを未然に防ぐことができます。

私たち弁護士の元にも、「知人との関係がSNS投稿をきっかけに悪化した」、「意図せずプライバシーを侵害してしまった」といった相談が寄せられています。

日頃のSNSやインターネットの使い方に少し注意を払うことで、こうした問題を避けることができますので、改めて注意をしましょう。

インターネット上のプライバシー権侵害にはご注意を

2025-03-07

近年、SNSや匿名掲示板の利用が急速に普及し、私たちのコミュニケーション手段には様々な方法ができました。

しかし、それに伴って、プライバシー権の侵害が大きな問題となっています。

本日は、具体的な事例を交えながら、SNSや匿名掲示板におけるプライバシー権侵害についてご紹介いたします。

1 プライバシー権とは

プライバシー権とは、個人の私生活や情報が他者によってみだりに侵害されない権利を指します。例えば、住所や電話番号、顔写真などの個人情報や、個人の私生活の内容が他人に無断で公開されることは、プライバシー権の侵害に該当する可能性があります。

2 SNSや匿名掲示板における典型的なプライバシー権侵害の事例

①本人の許可なく個人情報を公開

具体的な事例として、SNSで他人の個人情報を無断で公開したケースが挙げられます。

たとえば、AさんがBさんの住所や電話番号を投稿し、その情報が拡散されることでBさんの生活が脅かされました。このような行為は、個人情報の不正な取り扱いであり、プライバシー権の侵害となる可能性が非常に高いと言えます。

②他人の私生活を暴露する行為

私生活に関する内容を暴露する投稿が問題となることもあります。

例えば、Cさんが友人との個人的なLINEの内容をスクリーンショットでSNSにアップロードし、拡散されたことで、Cさんのプライバシーが侵害されました。

このような行為は、たとえ一時的な怒りや悪ふざけであっても、重大な法的問題となる可能性があります。

3 プライバシー権侵害がもたらす法的責任

SNSや匿名掲示板におけるプライバシー侵害が認められた場合、加害者の主な法的責任としては以下のようなものが挙げられます。

①損害賠償責任

精神的苦痛や経済的損害が生じた場合、加害者は被害者に対して損害賠償責任を負います。

②投稿の削除

違法な投稿が拡散されている場合、裁判所を通じて削除が命じられる場合があります。

③刑事罰

名誉毀損や侮辱罪、個人情報の不正利用が刑法に触れる場合、加害者には罰金刑や懲役刑が科される可能性があります。

4 プライバシー権侵害にあってしまった場合

SNSや匿名掲示板におけるプライバシー権侵害は、現代社会において誰にでも起こり得る問題です。

インターネット上の発言や投稿は一度拡散されると取り返しがつかない場合があります。プライバシー権を守るためには、利用者一人ひとりが正しい知識を持ち、慎重に行動することが大切です。万が一、被害に遭った場合は早めに専門家に相談するよう心がけましょう。

ロマンス詐欺の被害が増加しております

2025-03-02

インターネットやSNSの普及により、世界中の人々と簡単に繋がれる時代となりました。

しかしその反面で、その便利さの裏では、人々の心の隙につけこむ悪質な詐欺も増加しています。その一つが「ロマンス詐欺」と呼ばれる手口です。

恋愛感情を利用して金銭をだまし取るこの詐欺は、特に近年大きな社会問題となっています。

そこで本日は、ロマンス詐欺の手口、被害に遭わないための対策等をご説明いたします。

1 ロマンス詐欺とは?

ロマンス詐欺とは、SNSやマッチングアプリ、オンラインゲーム、出会い系サイトなどで知り合った相手が、恋愛感情や親近感を利用して金銭をだまし取る詐欺のことです。

加害者は魅力的なプロフィールや写真を使い、時間をかけて被害者との信頼関係を築きます。時には実在の人物になります場合もあります。

そして「お金を貸してほしい」「送金してほしい」といった金銭的要求を持ち出し、最終的には姿を消してしまうのです。

2 ロマンス詐欺の代表的な手口

①魅力的なプロフィールと甘い言葉

詐欺師は、外国人を装い、写真や経歴を偽装します。

例えば「海外のエリートビジネスマン」、「軍人」、「医師」などの設定が多く、時には実在の著名人になりますして信頼性や魅力を高めます。

SNS上で「美しい」、「かっこ良い」、「あなたは特別だ」、「ずっと一緒にいたい」といった甘い言葉で心をつかもうとします。

②突発的な金銭の要求

信頼関係を築いた後に、「家族が病気で手術が必要」、「仕事のトラブルでお金が必要」、「あなたの国に会いに行きたいが渡航費が足りない」、「大事な荷物を送ったが税関に止められてしまった」など、さまざまな理由でお金を送るよう要求します。

最初は少額でも、段階的に金額を引き上げるケースが多いです。

③送金手続きの指示

詐欺師は、銀行振込や仮想通貨、ギフトカードを利用して送金を求めます。

特に最近では仮想通貨やギフトカードは匿名性が高く、追跡が難しいため、ロマンス詐欺の手段として多用されているようです。

3 ロマンス詐欺の被害に遭わないための対策

①相手のプロフィールを疑う

SNSや出会い系アプリで知り合った人物が「完璧すぎる経歴」や「モデルのような写真」を使っている場合は注意が必要です。

画像検索を行い、プロフィール写真が他のサイトで使われていないか確認しましょう。

②甘い言葉に惑わされない

短期間で「愛している」「結婚したい」といった言葉を頻繁に使う場合、詐欺の可能性が高いです。冷静になり、相手の言動に矛盾がないか確認しましょう。

③お金の要求には絶対に応じない

「恋愛」と「お金の要求」は無関係です。

どれだけ親密になったと感じても、金銭の送金依頼があった時点で疑いましょう。海外送金や仮想通貨取引は、一度送金すると取り戻すことが極めて難しいため、絶対に応じてはいけません。

インターネット上の意匠権侵害

2025-02-20

SNSや匿名掲示板では、多くの方が日常的に情報やアイデアを発信しています。

しかしながら、知らず知らずのうちに意匠権を侵害してしまうリスクがあります。

意匠権は、デザインの美的価値を保護する重要な知的財産権です。

その侵害が成立すると、損害賠償や差止請求といった法的措置を受ける可能性があるため、十分な注意が必要です。

本日は、具体的な事例を交えてご説明いたします。

1 意匠権とは?

意匠権は、工業的に量産される物品のデザインを保護する権利です(意匠法第1条)。

保護対象となる意匠には、形状、模様、色彩、またはそれらの組み合わせが含まれます。意匠権者は登録されたデザインを独占的に使用する権利を有し、第三者による無断使用を禁じることができます(意匠法第23条)。

SNSや匿名掲示板での投稿内容が意匠権を侵害する場合、たとえ商業目的ではなくても法的トラブルに発展することがあります。

2 具体的な事例

①ハンドメイド商品の販売における意匠模倣
あるユーザーが人気ブランドの独特なデザインのバッグを模倣したハンドメイド商品を制作し、SNSで販売していました。この場合、意匠権の対象となるデザインが無断で使用されているため、意匠権侵害に該当する可能性があります。

特に「オリジナル風アレンジ」を主張しても、意匠法第3条に基づき、「意匠全体の視覚的特徴」が似ている場合には侵害が成立することがあります。

②他人のデザインを参考にしたDIY作品の公開
DIY愛好家が意匠権で保護されたデザインを参考にして家具を作り、その写真を匿名掲示板に投稿した事例があります。

たとえ個人利用の範囲であっても、その内容が広く拡散されると、意匠権者の営業上の利益に影響を与える可能性があり、法的問題に発展することがあります。

③人気商品のデザインを模倣したグッズ制作
特定の人気商品の特徴的なデザインを模倣したスマホケースやアクセサリーを制作し、SNSで宣伝・販売した事例も見られます。この場合、商品そのものが意匠権で保護されている場合には、販売行為だけでなく、宣伝行為そのものも侵害行為に該当する可能性があります。

3 トラブルを防ぐための注意点

①登録意匠を事前に確認する
他人のデザインを参考にする際は、登録意匠として保護されていないか確認しましょう。特許庁のデータベースを利用することで確認できます。

②オリジナルデザインを重視する
意匠権侵害のリスクを避けるためには、他人のデザインに依存せず、自分自身のオリジナルデザインを制作することが重要です。

③ガイドラインやライセンスを確認する
特定ブランドや製品のデザインを使用する際は、公式の利用ガイドラインやライセンス契約の有無を確認しましょう。

④投稿内容を慎重に検討する
SNSや匿名掲示板で自作のデザインや模倣した作品を公開する前に、その行為が意匠権を侵害しないか専門家に相談するのも有効です。

4 意匠権侵害にはご注意ください

SNSや匿名掲示板での自由な発信は創作意欲を刺激する一方で、意匠権をはじめとする知的財産権の侵害リスクを伴います。

不用意な模倣や投稿が原因でトラブルに発展しないよう、意匠権の基本を理解し、注意深く行動することが求められます。もし、意匠権侵害が疑われるケースに直面した場合は、速やかに専門家の助言を受けることをお勧めします。

二次創作と著作権侵害

2025-02-15

SNSや動画投稿サイトが普及した現代では、個人が創作活動を公開するハードルが大幅に下がりました。しかし、創作活動の中には著作権法の枠を超えた行為が含まれることがあり、その結果として法的なトラブルに発展するケースも少なくありません。

本日は、特に問題となりやすい「二次創作物の公開と販売」、「音楽や映画の一部を使用した動画投稿」に焦点を当て、著作権侵害のリスクについて解説します。

1 そもそも二次創作とは?

二次創作とは、既存の作品(著作物)を元にして新たな創作物を作り上げる行為を指します。たとえば、人気キャラクターを用いたイラストや、オリジナルのストーリーを加えた小説などが該当します。これらの活動はファン活動の一環として広く行われていますが、著作権法の観点からは注意が必要です。

2 二次創作が侵害に該当する場合

著作権法では、既存の作品を翻案(原作を基に新たな創作を行うこと)する権利は著作権者に専属的に認められています(著作権法第27条)。そのため、著作権者の許可なく二次創作物を公開・販売する行為は、原則として著作権侵害に該当します。

特に問題となるのが、以下のような行為です。

①SNSに二次創作イラストを投稿する

②同人誌を製作し、イベントやオンラインショップで販売する

③二次創作を利用したグッズを制作・販売する

これらの行為は、ファン活動の範囲を超えて営利性が高まる場合、著作権侵害として摘発される可能性が高くなりますので注意が必要です。

3 例外として許可されるケース

著作権者が二次創作に対するガイドラインを設けている場合、一定の条件下で創作活動が許可されることがあります。たとえば、「非営利目的に限る」「特定のプラットフォームで公開する場合のみ認める」などの条件が付されていることが多いです。活動を始める前に必ず公式ガイドラインを確認しましょう。

4 トラブルを避けるための注意点

①権利者の許可を得る
音楽や映画、キャラクターの使用については、著作権者または管理団体(例:JASRAC)から許可を取得することが必要です。

②ガイドラインを確認する
二次創作や動画投稿においては、著作権者が公開している利用ガイドラインを遵守することが大切です。

③引用のルールを守る
動画や映画の一部を利用する場合は、引用の要件を正しく理解し、それを満たす範囲で利用しましょう。

④公式素材を活用する
公式が提供するフリー素材や音源を利用することで、侵害のリスクを回避できます。

5 思わぬ著作権侵害トラブルに巻き込まれないために

二次創作や音楽・映画の一部を使用した動画投稿は、創作活動や情報発信を楽しむための手段として広く親しまれています。

しかしながら、これらの行為には著作権侵害のリスクが伴うことを忘れてはなりません。

トラブルを未然に防ぐためにも、著作権法の基本を理解し、慎重に行動することが重要です。万が一問題が生じた場合は、速やかに専門家に相談することをお勧めします。

インターネット上の著作権侵害

2025-02-10

SNSや匿名掲示板では、多くの方が日常的に情報やコンテンツを発信しています。

しかしながら、気軽な気持ちで投稿した内容が著作権法に違反してしまうケースが後を絶ちません。

本日は、著作権侵害の具体的な事例や注意点について解説します。

1 著作権侵害とは?

著作権は、創作者が自らの著作物を他者に無断で利用されないよう保護するための権利です(著作権法第17条)。著作物には、文章、写真、音楽、映像、イラストなど、多岐にわたる創作物が含まれます。

著作権侵害が成立する主なケースとしては、「無断で複製、翻案、配布、公開」する行為が挙げられます(著作権法第21条〜28条)。特に、SNSや匿名掲示板に投稿した内容が他人の著作物に該当する場合、悪意がなくても侵害にあたる可能性がありますので注意が必要です。

2 具体的な事例

以下は、SNSや匿名掲示板でよく見られる著作権侵害の具体例です。

①他人の画像や動画の無断転載
あるユーザーが、人気アーティストのコンサート写真や映画のスクリーンショットをSNSに投稿し、「好きだからシェアしただけ」と主張しました。このような行為は、原則として著作権者の許諾が必要です。たとえ非営利目的であっても、著作権法第21条(複製権)や第23条(公衆送信権)の侵害に該当する可能性があります。

②引用ルールを守らない投稿
匿名掲示板で他人の記事やブログの一部をコピーして投稿し、その内容について議論が行われることがあります。

著作権法第32条では「引用」が認められていますが、この場合、適切な範囲や引用元の明示が必要です。これを守らずに「全文転載」や「元の文脈を歪めた使用」を行うと、著作権侵害となるリスクが高まります。

3 SNSや匿名掲示板で投稿する際の注意点

①「ネットにあるものは自由に使える」は誤解
インターネット上に公開されている画像や動画であっても、それを勝手に使用することは著作権侵害にあたる場合があります。

②二次創作には許諾が必要
キャラクターや物語を使用した二次創作を公開する際は、著作権者の公式ガイドラインや許可を確認することが重要です。

③引用のルールを守る
正当な引用を行う際には、「引用部分が主従関係にあること」「引用元を明示すること」が必要です。

④SNS運営者のガイドラインを確認する
SNSや匿名掲示板の利用規約には、著作権に関する条項が含まれています。これを無視すると、アカウント停止などの制裁を受ける可能性もあります。

4 インターネット上の著作権侵害にはご注意ください

SNSや匿名掲示板での気軽な投稿が、思いもよらず著作権侵害となることは少なくありません。 こうしたリスクを避けるためには、著作権法の基本を理解し、慎重に行動することが重要です。不用意なトラブルを防ぐためにも、投稿する前に著作物の取り扱いについて確認し、必要であれば専門家にご相談いただくことをお勧めいたします。

インターネット上の商標権侵害

2025-02-05

SNSや匿名掲示板といったオンラインプラットフォームでは、多くの方が気軽に意見を発信し、情報を共有しています。しかしながら、この自由な発信が商標権を侵害する行為につながるケースが少なくありません。特に「知らず知らずのうちに侵害していた」という事例が増加しており、そのリスクを理解しておくことは非常に重要です。

本日は、具体的な事例を交えてご説明いたします

1 商標権侵害とは?

商標権は、特許法や著作権法と並ぶ知的財産権の一種で、特定の商品やサービスを他の商品やサービスと区別するための目印ともいえる商標を保護するための権利です。

この権利を第三者が侵害すると、民事責任や刑事責任が発生する可能性があります(商標法第37条、第78条など)。

例えば、他人の登録商標を無断で使用し、商品やサービスを販売したり宣伝したりすることは明確な侵害行為に該当します。しかしながら、もっと微妙なケースであっても侵害が成立する可能性がありますので注意が必要です。

2 具体的な事例

以下に、よくある商標権侵害の事例をいくつか紹介します。

①ハンドメイド商品の販売における商標使用
あるユーザーが人気ブランドのロゴを模倣したデザインをアクセサリーに使用し、SNSで販売していたケースがあります。この場合、「人気ブランド風」という意図であっても、登録商標を無断で使用しているため侵害に該当する可能性があります。

②商品レビューにおけるロゴ画像や名称の使用
匿名掲示板で特定ブランドの商品レビューを投稿する際、商標が含まれる画像を無断で添付したり、商標権者の許可を得ずにその名称を頻繁に使用する行為も、誤認混同を引き起こす可能性があるため問題となることがあります。

特に営利目的で投稿が行われた場合には、商標権の侵害に該当するリスクは高まります。

③パロディやファンアートの投稿
あるキャラクターやブランドをモチーフにしたファンアートをSNSに投稿し、さらにそのデザインをグッズ化して販売した事例もあります。

この場合、商標として登録されている場合には、デザインの一部が似ているだけでも侵害と判断されることがあります。

3 商標権侵害となる投稿を回避するために重要なこと

①商標登録の有無を確認する
投稿前に、自分が扱うロゴやブランド名が商標権で保護されていないか確認しましょう。

②画像やロゴの使用に注意する
他人の商標が含まれる(可能性のある)画像やデザインを無断で使用しないことが大切です。

③営利目的の行為を控える
商標権者の許可を得ないまま、販売や宣伝に結びつく行為をしないようにしましょう。

4 商標権侵害にはご注意ください

SNSや匿名掲示板での発信は、自由である反面、法的な責任も伴います。

不用意な投稿が商標権侵害に該当しないよう、十分な注意を払うことが大切です。万が一、侵害に関するトラブルに巻き込まれた場合は、速やかに弁護士に相談することをお勧めします。

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