Author Archive

幼児教室に対する名誉毀損

2024-08-04

昨今インターネットの幅広い普及で、インターネットは老若男女問わず利用されております。また、SNSや各種の匿名掲示板といったインターネット上の場において、様々な内容について個人が意見を表明することも容易になっております。

このような状況は、幅広い意見が提起されるという側面からは良いことですが、その一方で、安易な名誉毀損や誹謗中傷を含む様々な権利侵害が多数発生してしまっているという問題もあり、この問題は社会問題となっております。

本日は、この問題を考える際に参考となる裁判例をご紹介いたします(なお、ご紹介の都合上、概要の記載にとどめております。)。

1 事案の概要

幼稚園受験や小学校受験を目指した生徒向けの個人塾を開いているAは、インターネット上のサイトにおいて、自身の塾に関して合格実績を偽っていることや他の教室が使用している資料を無断流用している等の投稿がなされていることを踏まえ、アクセスプロバイダに対して名誉毀損を理由とする発信者情報開示請求を行った。

2 裁判所の判断

①本件各投稿がなされた当時、本件スレッドでは同一の幼児教室が話題に上っており、本件各投稿も同一の幼児教室を対象とした投稿であると認められる。また、掲載されていた写真等もあわせて考えると、本件各投稿は原告の開設する幼児教室を対象としたものであると認められる。

②受験のための幼児教室を開設している原告が合格実績を偽って発表ないし勧誘したというものであるから、原告の社会的評価を低下させることは明らかである。

3 インターネット上での表現行為には十分ご注意ください

投稿した人物にとっては、公益目的での批判やそこまでにはいかずに単なる意趣返し、あるいは大したことない内容であり単なる感想に過ぎないという自覚のもとに行われたものであっても、客観的に見ると当人の社会的評価を下げるものである場合には名誉毀損に該当する表現となってしまいます。

また、昨今の状況を踏まえて、非常に簡易な罵倒表現であっても名誉毀損などに該当すると判断される場合も多くあり、自分としては問題ないと判断して行った投稿であっても、ネガティブな内容を含む表現には危険が伴うことは十分に注意する必要があります。

インターネット上に何らかの投稿を行う場合には、まずはその投稿を行って問題となるかどうかを冷静に考えることが何よりも重要である点には再度ご注意ください。

不倫疑惑の投稿と名誉毀損

2024-07-30

昨今インターネットの幅広い普及で、インターネットは老若男女問わず利用されております。また、SNSや各種の匿名掲示板といったインターネット上の場において、様々な内容について個人が意見を表明することも容易になっております。

このような状況は、幅広い意見が提起されるという側面からは良いことですが、その一方で、安易な名誉毀損や誹謗中傷を含む様々な権利侵害が多数発生してしまっているという問題もあり、この問題は社会問題となっております。

本日は、この問題を考える際に参考となる裁判例(東京地判令和元年11月22日)をご紹介いたします(なお、ご紹介の都合上、概要の記載にとどめております。)。

1 事案の概要

医療法人の院長Aは、インターネット上のサイトにおいて、自身に関して「院長と看護師長の不倫、新人看護師へのパワハラ、セクハラ酷すぎ」、「●って奴は愛人らしいなw」等の投稿がなされていることを踏まえ、アクセスプロバイダに対して名誉毀損を理由とする発信者情報開示請求を行った。

2 裁判所の判断

①本件投稿の記事内容は、いずれも本件スレッドのタイトル本文の上記記載に対応する形で記載されているところ、本件スレッドのタイトル本文の記載は原告が本件医院の看護師長と不倫関係にある事実、その他にも愛人の女性がおり、その者とも不倫関係にあることなどといった事実を摘示するものであり、かかる事実は、原告の社会的信用を低下させるものであることは明らかである。

②原告は、本件医院の院長であり、その不貞行為の有無などといった私的事項が公共の利益に関する事項であるとはいえず、その違法阻却事由があるとはいえず、他に不法行為の成立を妨げる違法性阻却事由の存在をうかがわせる事情も見あたらない。

3 インターネット上での表現行為には十分ご注意ください

投稿した人物にとっては、単なる意趣返し、あるいは大したことない内容であり単なる感想に過ぎないというものであっても、客観的に見ると当人の社会的評価を下げるものである場合には名誉毀損に該当する表現となってしまいます。

また、昨今の状況を踏まえて、非常に簡易な罵倒表現であっても名誉毀損などに該当すると判断される場合も多くあり、自分としては問題ないと判断して行った投稿であっても、ネガティブな内容を含む表現には危険が伴うことは十分に注意する必要があります。

インターネット上に何らかの投稿を行う場合には、まずはその投稿を行って問題となるかどうかを冷静に考えることが何よりも重要である点には再度ご注意ください。

消去禁止命令について

2024-07-25

昨今インターネットの幅広い普及で、インターネットは老若男女問わず利用されております。また、SNSや各種の匿名掲示板といったインターネット上の場において、様々な内容について個人が意見を表明することも容易になっております。

幅広い意見が提起されるという側面からは良いことですが、その一方で、安易な名誉毀損や誹謗中傷を含む様々な権利侵害が多数発生してしまっているという問題もあり、この問題は社会問題となっております。

このような状況を踏まえ、いわゆるプロバイダ責任制限法の改正が行われ、2022年10月施行の改正法では、「侵害関連通信」に関する発信者の情報が「特定発信者情報」として開示の対象となりました。これに対して、従前の発信者情報に相当するものとしては「特定発信者情報以外の発信者情報」と整理されています。

本日は、法改正に伴い新たに創設された制度をご紹介いたします。

1 消去禁止命令について

消去禁止命令は、改正法により新たに設けられた特別な裁判手続です。

当該手続は、プロバイダ責任制限法第16条において規定されておりますが、具体的には、

「本案の発信者情報開示命令事件が係属する裁判所は、発信者情報開示命令の申立てに係る侵害情報の発信者を特定することができなくなることを防止するため必要があると認めるときは、当該発信者情報開示命令の申立てをした者の申立てにより、決定で、当該発信者情報開示命令の申立ての相手方である開示関係役務提供者に対し、当該発信者情報開示命令事件」「が終了するまでの間、当該開示関係役務提供者が保有する発信者情報」「を消去してはならない旨を命ずることができる。」

と規定されています。

従前は、発信者情報消去禁止仮処分という手続が用いられておりましたが、これと同等の手続として設けられた形です。

2 インターネット上での表現行為には十分ご注意ください

投稿した人物にとっては、単なる意趣返し、あるいは大したことない内容であり単なる感想に過ぎないというものであっても、客観的に見ると当人の社会的評価を下げるものである場合には名誉毀損に該当する表現となってしまいます。

昨今の状況を踏まえて、非常に簡易な罵倒表現であっても名誉毀損などに該当すると判断される場合も多くあり、自分としては問題ないと判断して行った投稿であっても、ネガティブな内容を含む表現には危険が伴うことは十分に注意する必要があります。

インターネット上に何らかの投稿を行う場合には、まずはその投稿を行って問題となるかどうかを冷静に考えることが何よりも重要である点には再度ご注意ください。

提供命令について

2024-07-20

昨今インターネットの幅広い普及で、インターネットは老若男女問わず利用されております。また、SNSや各種の匿名掲示板といったインターネット上の場において、様々な内容について個人が意見を表明することも容易になっております。

このような状況は、幅広い意見が提起されるという側面からは良いことですが、その一方で、安易な名誉毀損や誹謗中傷を含む様々な権利侵害が多数発生してしまっているという問題もあり、この問題は社会問題となっております。

このような状況を踏まえ、いわゆるプロバイダ責任制限法の改正が行われ、2022年10月施行の改正法では、「侵害関連通信」に関する発信者の情報が「特定発信者情報」として開示の対象となりました。これに対して、従前の発信者情報に相当するものとしては「特定発信者情報以外の発信者情報」と整理されています。

本日は、法改正に伴い新たに創設された制度をご紹介いたします。

1 提供命令について

提供命令は、改正法により新たに設けられた特別な裁判手続です。

当該手続は、プロバイダ責任制限法第15条において規定されておりますが、具体的には、コンテンツプロバイダが自らアクセスプロバイダを特定して、申立人に対して情報提供することが規定されました。

従来は、申立人がIPアドレスから自分でアクセスプロバイダを特定する必要がありましたが、この手続の新設により、申立人ではなくコンテンツプロバイダ側に負担が移転した形となります。

2 インターネット上での表現行為には十分ご注意ください

投稿した人物にとっては、単なる意趣返し、あるいは大したことない内容であり単なる感想に過ぎないというものであっても、客観的に見ると当人の社会的評価を下げるものである場合には名誉毀損に該当する表現となってしまいます。

表現の自由ということは非常に重要であることは間違いありませんが、他者の名誉を傷つけることは許されておりません。特に名誉毀損は、民事上問題となるだけでなく刑事事件となる可能性もあり、刑事事件となった場合には、その後の人生にも大きな悪影響を与えますので、十分に注意することが必要です。

また、昨今の状況を踏まえて、非常に簡易な罵倒表現であっても名誉毀損などに該当すると判断される場合も多くあり、自分としては問題ないと判断して行った投稿であっても、ネガティブな内容を含む表現には危険が伴うことは十分に注意する必要があります。

インターネット上に何らかの投稿を行う場合には、まずはその投稿を行って問題となるかどうかを冷静に考えることが何よりも重要である点には再度ご注意ください。

発信者情報開示命令について

2024-07-15

昨今インターネットの幅広い普及で、インターネットは老若男女問わず利用されております。また、SNSや各種の匿名掲示板といったインターネット上の場において、様々な内容について個人が意見を表明することも容易になっております。

このような状況は、幅広い意見が提起されるという側面からは良いことですが、その一方で、安易な名誉毀損や誹謗中傷を含む様々な権利侵害が多数発生してしまっているという問題もあり、この問題は社会問題となっております。

このような状況を踏まえ、いわゆるプロバイダ責任制限法の改正が行われ、2022年10月施行の改正法では、「侵害関連通信」に関する発信者の情報が「特定発信者情報」として開示の対象となりました。これに対して、従前の発信者情報に相当するものとしては「特定発信者情報以外の発信者情報」と整理されています。

1 発信者情報開示命令について

発信者情報開示命令は、改正法により新たに設けられた特別な裁判手続です。

具体的には、プロバイダ責任制限法第8条において、「裁判所は、特定電気通信による情報の流通によって自己の権利を侵害されたとする者の申立てにより、決定で、当該権利の侵害に係る開示関係役務提供者に対し、第五条第一項又は第二項の規定による請求に基づく発信者情報の開示を命ずることができる。」と規定されております。

改正前の裁判手続と比べて、非常にスピーディーに対応を進めることができる点が大きな特徴となる制度です。

2 インターネット上での表現行為には十分ご注意ください

投稿した人物にとっては、単なる意趣返し、あるいは大したことない内容であり単なる感想に過ぎないというものであっても、客観的に見ると当人の社会的評価を下げるものである場合には名誉毀損に該当する表現となってしまいます。

表現の自由ということは非常に重要であることは間違いありませんが、他者の名誉を傷つけることは許されておりません。特に名誉毀損は、民事上問題となるだけでなく刑事事件となる可能性もあり、刑事事件となった場合には、その後の人生にも大きな悪影響を与えますので、十分に注意することが必要です。

また、昨今の状況を踏まえて、非常に簡易な罵倒表現であっても名誉毀損などに該当すると判断される場合も多くあり、自分としては問題ないと判断して行った投稿であっても、ネガティブな内容を含む表現には危険が伴うことは十分に注意する必要があります。

インターネット上に何らかの投稿を行う場合には、まずはその投稿を行って問題となるかどうかを冷静に考えることが何よりも重要である点には再度ご注意ください。

侵害関連通信について

2024-07-10

昨今インターネットの幅広い普及で、インターネットは老若男女問わず利用されております。また、SNSや各種の匿名掲示板といったインターネット上の場において、様々な内容について個人が意見を表明することも容易になっております。

このような状況は、幅広い意見が提起されるという側面からは良いことですが、その一方で、安易な名誉毀損や誹謗中傷を含む様々な権利侵害が多数発生してしまっているという問題もあり、この問題は社会問題となっております。

このような状況を踏まえ、いわゆるプロバイダ責任制限法の改正が行われ、2022年10月施行の改正法では、「侵害関連通信」に関する発信者の情報が「特定発信者情報」として開示の対象となりました。これに対して、従前の発信者情報に相当するものとしては「特定発信者情報以外の発信者情報」と整理されています。

1 侵害関連通信について

新たに開示請求の対象となった特定発信者情報では侵害関連通信がその対象となりますが、具体的には、以下の内容となります(総務省令5条参照)。

①侵害情報の発信者が当該侵害情報の送信に係る特定電気通信役務の利用に先立って当該特定電気通信役務の利用に係る契約を申し込むために行った通信

②侵害情報の発信者が前号の契約に係る特定電気通信役務を利用し得る状態にするために行った通信

③侵害情報の発信者が前号の特定電気通信役務を利用し得る状態を終了するために行った通信

④侵害情報の発信者が通信契約を終了させるために行った通信

2 インターネット上での表現行為には十分ご注意ください

投稿した人物にとっては、単なる意趣返し、あるいは大したことない内容であり単なる感想に過ぎないというものであっても、客観的に見ると当人の社会的評価を下げるものである場合には名誉毀損に該当する表現となってしまいます。

表現の自由ということは非常に重要であることは間違いありませんが、他者の名誉を傷つけることは許されておりません。特に名誉毀損は、民事上問題となるだけでなく刑事事件となる可能性もあり、刑事事件となった場合には、その後の人生にも大きな悪影響を与えますので、十分に注意することが必要です。

また、昨今の状況を踏まえて、非常に簡易な罵倒表現であっても名誉毀損などに該当すると判断される場合も多くあり、自分としては問題ないと判断して行った投稿であっても、ネガティブな内容を含む表現には危険が伴うことは十分に注意する必要があります。 インターネット上に何らかの投稿を行う場合には、まずはその投稿を行って問題となるかどうかを冷静に考えることが何よりも重要である点には再度ご注意ください。

改正プロバイダ責任制限法における発信者情報

2024-07-05

昨今インターネットの幅広い普及で、インターネットは老若男女問わず利用されております。また、SNSや各種の匿名掲示板といったインターネット上の場において、様々な内容について個人が意見を表明することも容易になっております。

このような状況は、幅広い意見が提起されるという側面からは良いことですが、その一方で、安易な名誉毀損や誹謗中傷を含む様々な権利侵害が多数発生してしまっているという問題もあり、この問題は社会問題となっております。

このような状況を踏まえ、いわゆるプロバイダ責任制限法の改正が行われ、2022年10月施行の改正法では、「侵害関連通信」に関する発信者の情報が「特定発信者情報」として開示の対象となりました。これに対して、従前の発信者情報に相当するものとしては「特定発信者情報以外の発信者情報」と整理されています。

1 発信者情報について

プロバイダ責任制限法に基づく発信者情報開示請求の対象となる発信者情報は、令和四年総務省令第三十九号第2条に規定されており、具体的には以下の通りです。

①発信者その他侵害情報の送信又は侵害関連通信に係る者の氏名又は名称

②発信者その他侵害情報の送信又は侵害関連通信に係る者の住所

③発信者その他侵害情報の送信又は侵害関連通信に係る者の電話番号

④発信者その他侵害情報の送信又は侵害関連通信に係る者の電子メールアドレス

⑤侵害情報の送信に係るアイ・ピー・アドレス及びポート番号

⑥インターネット接続サービス利用者の識別符号

⑦侵害情報の送信に係るSIM識別番号

⑧特定電気通信設備に侵害情報が送信された年月日及び時刻

⑨専ら侵害関連通信に係るアイ・ピー・アドレス及び当該アイ・ピー・アドレスと組み合わされたポート番号

⑩専ら侵害関連通信に係る移動端末設備からのインターネット接続サービス利用者識別符号

⑪専ら侵害関連通信に係るSIM識別番号

⑫専ら侵害関連通信に係るSMS電話番号

⑬電気通信設備に侵害関連通信が行われた年月日及び時刻

⑭発信者その他侵害情報の送信又は侵害関連通信に係る者についての利用管理符号

以上の内、⑨から⑬は、特定発信者情報の対象となる情報となります。

2 インターネット上での表現行為には十分ご注意ください

投稿した人物にとっては、単なる意趣返し、あるいは大したことない内容であり単なる感想に過ぎないというものであっても、名誉毀損などに該当すると判断される場合も多くあり、自分としては問題ないと判断して行った投稿であっても、ネガティブな内容を含む表現には危険が伴うことは十分に注意する必要があります。 インターネット上に何らかの投稿を行う場合には、まずはその投稿を行って問題となるかどうかを冷静に考えることが何よりも重要である点には再度ご注意ください。

プロバイダ責任制限法の改正

2024-06-30

昨今インターネットの幅広い普及で、インターネットは老若男女問わず利用されております。また、SNSや各種の匿名掲示板といったインターネット上の場において、様々な内容について個人が意見を表明することも容易になっております。

このような状況は、幅広い意見が提起されるという側面からは良いことですが、その一方で、安易な名誉毀損や誹謗中傷を含む様々な権利侵害が多数発生してしまっているという問題もあり、この問題は社会問題となっております。

このような状況を踏まえ、いわゆるプロバイダ責任制限法の改正が行われ、2022年10月施行の改正法では、「侵害関連通信」に関する発信者の情報が「特定発信者情報」として開示の対象となりました。これに対して、従前の発信者情報に相当するものとしては「特定発信者情報以外の発信者情報」と整理されています。

1 特定発信者情報以外の発信者情報について

特定発信者情報以外の発信者情報開示請求については、プロバイダ責任制限法第5条第1項第1号、第2号において規定されておりますが、主たる要件は以下の通りとなります。

①「特定電気通信による情報の流通」が存在すること

②①によって、「開示の請求をする者の権利が侵害されたことが明らかである」こと

③「発信者情報が当該開示の請求をする者の損害賠償請求権の行使のために必要である場合その他当該発信者情報の開示を受けるべき正当な理由がある」こと

上記①から③を充足する場合には、開示請求者は、特定電気通信役務提供者に対して、その保有する所定の発信者情報の開示をもとめることができます。

2 インターネット上での表現行為には十分ご注意ください

投稿した人物にとっては、単なる意趣返し、あるいは大したことない内容であり単なる感想に過ぎないというものであっても、客観的に見ると当人の社会的評価を下げるものである場合には名誉毀損に該当する表現となってしまいます。

表現の自由ということは非常に重要であることは間違いありませんが、他者の名誉を傷つけることは許されておりません。特に名誉毀損は、民事上問題となるだけでなく刑事事件となる可能性もあり、刑事事件となった場合には、その後の人生にも大きな悪影響を与えますので、十分に注意することが必要です。

また、昨今の状況を踏まえて、非常に簡易な罵倒表現であっても名誉毀損などに該当すると判断される場合も多くあり、自分としては問題ないと判断して行った投稿であっても、ネガティブな内容を含む表現には危険が伴うことは十分に注意する必要があります。

インターネット上に何らかの投稿を行う場合には、まずはその投稿を行って問題となるかどうかを冷静に考えることが何よりも重要である点には再度ご注意ください。

経営コンサルタントに対する名誉毀損

2024-06-25

インターネットの普及、老若男女問わずSNSの幅広い利用によって、昨今インターネット上の名誉毀損は社会問題ともなっております。

著名人に対する名誉毀損に関するニュースも連日報道されており、一般の方々の関心も以前にもまして増加しているものと思われます。

もっとも、インターネット上のやり取りは基本的には匿名であるという認識を有する利用者が依然として非常に多く存在し、匿名であることから行き過ぎた言動となってしまう場合も多くあるようです。名誉毀損は民事上の問題だけではなく刑事事件になるリスクもあるので、十分注意が必要です。

本日は、1つの事例として、東京地方裁判所判決令和元年11月25日、をご紹介いたします(なお、一部を省略、要約した、概要のご紹介となります。)。

1 事案の概要

原告は企業の経営コンサルタント等をを営む株式会社の代表取締役であるところ、被告は、インターネット上ブログにおいて、原告がわいせつ行為を行っている等の投稿を繰り返し行った。そして、この投稿に関しては、原告が代表取締役を務める会社が書き込んだような体裁をもって投稿したり、報道機関によるもののような体裁をもって投稿していた。これに対して、原告が被告に対して不法行為に基づく損害賠償請求を行った。

2 裁判所の判断

裁判所は、大要、以下の通り判断しました。

①不法行為の被侵害利益としての名誉とは、人の品性、徳行、名声、信用等の人格的価値について社会から受ける客観的評価のことであり、この客観的な社会的評価を低下させる行為には名誉毀損による不法行為が成立し得る。そして、ある表現行為の意味内容が他人の社会的評価を低下させるものであるかどうかは、当該表現についての一般の読者の普通の注意と読み方とを基準として判断すべきである。

②本件各記事は、一般の読者の普通の注意と読み方によれば、原告が強制わいせつの被疑者として取調べを受けていること、原告が強制わいせつの被疑事実で逮捕されたこと、原告が強制わいせつに該当する行為に及んだが被害女性と示談ないしは和解をしたこと等を認識させるものであり、原告の品性、徳行等についてその社会から受ける客観的評価を低下させるものである。

3 インターネットの利用には十分ご注意ください

投稿した人物にとっては、単なる意趣返し、あるいは大したことない内容であり単なる感想に過ぎないというものであっても、客観的に見ると当人の社会的評価を下げるものである場合には名誉毀損に該当する表現となってしまいます。

インターネット上に何らかの投稿を行う場合には、まずはその投稿を行って問題となるかどうかを冷静に考えることが何よりも重要である点には再度ご注意ください。

医療法人に関する口コミサイト上の名誉毀損

2024-06-20

インターネットの普及、SNSの幅広い利用によって、昨今インターネット上の名誉毀損は社会問題となっております。インターネット上のやり取りは基本的には匿名であるという認識を有する利用者が非常に多く存在し、匿名であることから行き過ぎた言動となってしまう場合も多くあるようです。

もっとも、名誉毀損は民事上の問題だけではなく刑事事件になるリスクもあるので、十分注意が必要です。

本日は、1つの事例として、東京地方裁判所判決令和元年11月29日、をご紹介いたします(なお、一部を省略、要約した、概要のご紹介となります。)。

1 事案の概要

原告は医療法人であるところ、サービス・商品についての口コミを投稿・閲覧できるインターネット上のウェブサイトにおいて、「患者さんには寄り添っていない」、「採血、検査はお金稼ぎ」、「危なく本物の鬱病にされる所でした」等の投稿を繰り返し行われた。これに対して、原告は、当該投稿によって原告の名誉が毀損された等と主張し、プロバイダに対して投稿者に関する発信者情報開示請求を行った。

2 裁判所の判断

裁判所は、大要、以下の通り判断しました。

①本件投稿は、一定の事実を摘示した上で、本件クリニックについての意見ないし論評を表明したものというべきであり、一般の読者の普通の注意と読み方を基準として、投稿全体を通してみれば、原告が開設する本件クリニックの社会的評価を低下させ、ひいては、原告の社会的評価をも低下させる内容のものであると認められる。

②本件投稿は、本件クリニックに対する不安感を閲覧者に与え、その医学的信用を損なう表現方法を用いるものである。このような点に鑑みると、本件投稿は、社会的に相当な範囲内にとどまるものとはいえず原告の社会的評価の低下は受忍限度を超えるものというべきである。

3 インターネットの利用には十分ご注意ください

投稿した人物にとっては、単なる意趣返し、あるいは大したことない内容であり単なる感想に過ぎないというものであっても、客観的に見ると当人の社会的評価を下げるものである場合には名誉毀損に該当する表現となってしまいます。

表現の自由ということは非常に重要であることは間違いありませんが、他者の名誉を傷つけることは許されておりません。特に名誉毀損は、民事上問題となるだけでなく刑事事件となる可能性もあり、刑事事件となった場合には、その後の人生にも大きな悪影響を与えますので、十分に注意することが必要です。 インターネット上に何らかの投稿を行う場合には、まずはその投稿を行って問題となるかどうかを冷静に考えることが何よりも重要である点には再度ご注意ください。

« Older Entries Newer Entries »

keyboard_arrow_up

0358774099電話番号リンク 問い合わせバナー